TiVoの将来についてイヤな話もあるが、エンジニアから見て TiVoのすごいところは技術的に難しいことを、できるだけ簡単な形で提供するそのパッケージングにあると思う。 そのTiVoが放つ、最新のサービス TiVoToGo がやっと我が家でも使えるようになった。
このサービスは、ハードディスクレコーダーであるTiVoが録画したテレビ番組を PC にコピーして見られたり、DVDに焼けるようにするというサービス。 ユーザは追加料金なしでこの機能を利用することができる。 およそ1年ほど前に発表され、オレもエントリとして取り上げたが、録画データをPCにコピーできるというので、海賊行為などを心配するテレビ局などから猛反発をくらったようで、その調整や仕様変更の末ようやく今年のはじめ、1/3 にサービスインが発表された。
「発表された」と書いたのは、TiVoToGo を使うためには、TiVoデバイスのソフトウェアを新しいバージョンにアップデートする必要があるのだが、アップデートはWindows のパッチなどと違い自分からダウンロードするのではなくTiVo社にあるサーバーが選んだいくつかのTiVoデバイスに配信されていくという方式になっていたから。発表はされたが実際に使えるようになったのはほんの一部、多くの人は待ちぼうけをくらわされていた。 こうやってアップデータを少しづつ配信することによって、TiVo社はサーバに負荷がかからないようにしたり、問題があったときのサポートの体制を整えられるというメリットがあるのだが、ユーザからしてみると、いつ届くかわからないソフトウェアを待つことになりあまりうれしくない。
といった経緯のあと、昨日の朝、アップデータがうちのTiVoにもようやく届き、試すことができた。
まず、番組の転送は、下のスクリーンショットにある TiVo Desktop というTiVo社が無料で配布しているソフトを使ってダウンロードする。 インストールが終わると特別な設定はほとんど必要なく、自動的にTiVoデバイスを見つけてきたのはすごい。
ダウンロードしたデータは .tivo という独自の拡張子のファイルに保存される。 Codec は MPEG2 だが、暗号化されていて、再生する前に毎回、パスワードを入力する必要がある。 そのしくみに Windows Media を使っているため、Windows Media Player および、その再生機能を使ったソフトでしか再生できないようだ。
また、MPEG2 の Codec は Windows Media Player にはプリインストールされていないので、どこかから手に入れなければならない。 TiVo社のウェブサイトでは確認のとれた有料の Codec のリストが載っているが、オレはこの掲示板 の情報をもとにフリーのCodec を使用し、問題なく見ることができた。
スクリーンショットにある Iron Chef America (先日放送された 料理の鉄人のアメリカ版) の60分番組が900MB というサイズになっていて、これをダウンロードするのに、うちの 802.11b のネットワークでなんと 1時間45分ほどかかった。 完全にダウンロードするまで再生できないので、急にこの番組を見たいと思っても見られないのはちょっとツライところだ。 妻からも「ネットワーク遅っ」 と言われてしまうぐらいだったので、出かける前や、夜寝る前などにまとめて仕掛けておいた方がよさそうだ。
DVDを作成するためには今のところ MyDVDというソフトウェアを使うしかないらしい。 このソフトはどうなんでしょう? 選択肢が他にないのはちょっと残念。 オレはまだ試していないが、トランスコーディングに時間がかかるといった不満も掲示板に書かれていた。
他のブログなどではとにかく時間がかかるという不満の声が結構書いてあったが、 あまりにも待たされただけに、想像や期待だけが膨れ上がり現実とのギャップができてしまったのではないだろうか。 MPEG2 はもともとTiVoが録画に使用しているフォーマットで、画質は比較的よいが、ファイルサイズは大きいし、処理にも何かと時間がかかってしまうのは一般的な話なのでオレはこんなもんだろうと納得している。 そして、初心者でもできそうな簡単なしくみでコピーでき、しかもそれが違法コピーにはできないようなしくみをこういう形で提供できたのはさすがと評価したい。
TiVo は今後、Mac OS X でのサポートや、PC/Mac 上のファイルを TiVo へ送信する機能など、 まだまだ TiVo, TiVoToGo は進化していくようだ。 期待して待ちたいと思う。 がんばれ TiVo!
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