日本のテレビ番組をアメリカで見る (2)

北米で日本のテレビ放送をネットで見るには?
放映権交渉が絡むアテネオリンピックの放送を、日本国外に居住する日本人が
視聴できることを放送局側は最も問題視しており、この点から放送が開始され
る前である8月上旬をもってサービスを停止することに決定致しました。なお
日本国外に居住する日本人が、日本国内の放送を視聴できる仕組みを運営する
企業全てについて、放送局側では厳正に対応する旨を明らかにしております。

昨年、”日本のテレビ番組をアメリカで見る” で紹介した、日本語 tv がサービスを停止するようだ。

2ちゃんねる の北米海外生活板にあったスレッドで、日本語 tv が顧客に送ったアナウンスの内容が転載されていた。 これによると直接の原因は著作権ではなく、放映権の問題らしい。思わぬところから横槍が入ったという感じだ。

スポーツの国際大会の主な収入源の一つとなっているのが、テレビの放映権。 興行主はその大会を独占的に放送するための権利を高く売ることで、収入を得ようとしている。 前回のシドニーオリンピックの場合、日本のテレビ局がIOC(国際オリンピック委員会)に支払った額が150億円以上だったそうだ。

放映権はその国内でしか有効でなく、映像を別の国に売ることもできないようになっている。 そんなわけで、こちらで放送されているNHKのニュース映像でもスポーツの国際大会の映像は、「権利の都合で放送できません」 という字幕とともに、写真に変わってしまうことがよくある。

ここからはオレの予想だが、 今回のような海外のテレビ番組をアメリカ(別の国)で見られるようにする仕組みは、放映権を売る側、もしくは買った側としては脅威で、もし こういった仕組みを容認していることが発覚してしまった場合、日本語tvのような各社をいちいち訴えるより、その国の放映権購入者に対し、クレームをつけ、違約金の支払いを要求する方が現実的だと思う。

これを回避するために、日本のテレビ局各社はこういった仮処分申請という話になってしまったのだと思われる。 きっと、今話題のデジタルコピーを連想させることから余計に神経質になっているのだろうな。 レンタルビデオはいいのだろうかという疑問は残るが….。

通達は、同じようなサービスを行なっている各社に行っているらしく、日本語tv だけが一早く自主的にサービスを停止したという感じだ。 他のサービスも自主的にサービス停止、もしくは仮処分の決定により強制的なサービス停止になってしまうかもしれない。

そんなに目くじら立てなくても…という気がしなくもないが、コンテンツ制作側からしたらグレーなものは潰しておきたいと思うのは仕方がないか。 録画ネット や、その後出てきた ロクラクII レンタルサービス など他社が交渉して、うまい落としどころを見つけてくれることを期待したい。


2 Comments

  1. [web]「日本のテレビ番組をアメリカで見る」サービスピンチ

    http://d.hatena.ne.jp/jishiha/20040122#p1 でも書いた「日本のテレビ番組をアメリカで見る」サービスがピンチのようだ。 >> 昨年、”日本のテレビ番組をアメ …

  2. 日本のテレビ番組をアメリカで見る (3)

    前回、日本語tv がサービスを停止し、同じような通達が他のサービスにも行っているという話を書いたが、録画ネットの方へテレビ局各社からサービス停止の仮処分申請が裁判所へ出された。 録画ネットはそれに対し徹底抗戦するという話が書かれている。

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