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BitTorrent は悪くない?

Wired News – ファイル交換システム『ビットトレント』に初の強制捜査 – : Hotwired
P2Pプロトコルによってダウンロードできるファイルの検索とカタログ化に特化した検索エンジンを立ち上げた。この検索エンジンの提供により、コーエン氏が法的措置の対象になる可能性があると考える専門家もいる。しかし、ガーフィールド副会長によると、MPAAはP2Pプロトコル自体が違法だとは考えておらず、コーエン氏の検索エンジンを攻撃するつもりはないという。

スターウォーズ エピソード3 の海賊版がBitTorrentというP2Pネットワークに現れ、24時間で1万を越えるダウンロードがあった(何が1万なんだろう .torrent ファイルのダウンロード?) というニュースが流れたと思ったら、FBIの捜査が入りダウンロードのエントリポイントとなっていたサイトが封鎖となった。

その一方で、BitTorrent のシステムを開発した BitTorrent 社は、BitTorrent 上で入手できるファイルの検索を可能にするシステムを公開した。

この検索システムのニュース。 良くも悪くも BitTorrent がホットな話題なだけに注目を浴びたが、タイミングがタイミングなだけにエンターテイメント業界からあらぬ圧力を受けないか心配だった。

というのも、 最近では、サーバの負荷のかかり具合が少ないことから、多くのダウンロードが予想される Mozilla や Linux のリリースに BitTorrent が使われるというように、著作権侵害を目的としたダウンロード以外の利用方法も浸透し、これからが期待されているシステムだからだ。

今日の Hotwiredの記事によれば、MPAA は BitTorrent といったP2Pシステム自体は違法だと思っていないという発言が書いてあってひと安心。 ただ、今でもBitTorrent 社の検索エンジンを使うと Episode 3 のムービーがダウンロードできてしまうのは問題かも。 今後、リクエストのあったアイテムはフィルタリングを行って表示しないようにするといった調整は行われるかもしれない。

悪いのはアップロードする人、ダウンロードする人、システムを作る人?

国や人によっていろいろと解釈はあるだろうが、今のところアメリカではシステムではなく、アップロードする人が悪いという形で落ち着いているようだ。 といっても BitTorrent を始め多くのP2Pネットワークはダウンロードしてる人はアップロードしている人でもあるから、うかつなファイルをダウンロードしているとFBIがやってくるかも。


American Idol 第4シーズン

ネットでも盛り上がりをみせる米国版「スター誕生」 – CNET Japan
米国時間24日、数千万人もの有権者が集まり、現代で最も重要な問題に答えを出す。その問題とは、4人目の「American Idol」になるのは誰かということで、最後まで残っているのは、ぎこちないがキュートなカントリー歌手のCarrie Underwoodと、無頓着で鬱屈したロッカーのBo Biceの2人だ。

アメリカンアイドルは、全米からオーディションによって集まった素人たちが歌声を競い合うというオーソドックスなコンテスト。参加者は毎週火曜日に歌を披露し、全米の視聴者が電話もしくは携帯メールで投票して、最下位だった人が翌日脱落していくという視聴者参加型の方式がウケて全米を巻き込んでの一大イベントとなった。

このサイトでも、これまで第2シーズン(American Idol, American Idol 決勝)、第3シーズン (American Idol みたび) と紹介してきたが、今シーズンは紹介しそびれてしまった。 結局我が家は昨日の決勝まで毎週見届けたのだが、今シーズンはなんか、イマイチ感情移入できなかった。

以前のエントリで、アメリカンアイドルがウケたのは

アメリカでがんばりましょう: American Idol 決勝
うやって大した内容も無いのに、評論家きどりで何か言いたくなるところがこの番組がヒットした理由なんだろうなぁ。見事に番組の策略(視聴者に投票させることで一体感を強め、 しかも翌日発表と少し時間をあけることでメディアが騒ぐ時間を与える)にハマってしまった。

と書いたように、評論家きどりでいろいろと言えるところにあるのだが、無難なところに落ち着くように、どことなく製作者側の恣意が見えかくれしていたところもあるような気がする。

例えば、今年の予選は男性陣がうまかったのに、男性、女性同数が決勝に行けるような選抜方法がとられ、決勝では始めのころ女性ばかりが脱落していったとか…。

どことなく参加しているというより、操られているという言葉が正しいという印象を受けた。 素人を使って一定のクオリティを保つのは大変だろうが、3,4年もやっていると視聴者も目が肥えてくる。 CNet の記事で賛否両論だったのは、そういった製作者側の思わくがプラスに働いたかマイナスに働いたかという違いのような気がする。

と、こういう指摘なんかも「ネットで盛り上がりをみせる」の一つなのかな。

ちなみに決勝では 5億票の投票があったのだとか。 そして、7月からは “So You Think You Can Dance?” (で、キミは踊れると思ってるの?) というダンス版 アメリカンアイドルという番組を放送するらしい。 昔の日本のダンス甲子園みたいなものになるのか? ダンスの差は歌の差ほどわかりやすくないような気がするのだが、アメリカ人はそれで盛り上がれるのか?


NBA Lottery 2005

NBA.com: Let the Ping-Pong Balls Fall
Ball four … drumroll please: 14. The winning combination: 5―7―10―14.
(4番目のボール…. ドラムロール! 14。 当たりのコンビネーション: 5-7-10-4)

NBA はプレイオフがカンファレンスファイナルを戦っている中、プレイオフに出られなかったチームたちが集まってドラフトロッタリーが行われた。 ドラフトロッタリーの役割や方法に関しては2年ほど前に NBA Draft Lottery 2003 というエントリでまとめたので、まだの人はぜひ読んでもらいたい。

NBA.com では、今年のドラフトロッタリーの様子が時間を追って紹介されていた。 7:10PM 以降はドラフトの1位指名権が決定するまで誰も出入りできないとか、出席者は外との通信手段を持ち込んではいけないなど、これまであまり語られなかった情報も書いてあって面白い。

さて、今年のロッタリーは6%の確率をモノにして Milluwaukee が1位指名権を獲得した。 Atlanta は25% の確率だったのだが残念ながら 2位、 3位は Portland となった。 我らが Warriors は 1.4% の確率しかなく、残念ながら3位にも入らなかったので、総合で9位という指名順となった。

実はオレ、Warriors は1巡目指名権をトレードに出してたから今年は関係ないとノーマークだったんだけどそんなことなかったみたいで驚いた。 この結果をうけて、ESPNの記事では Mock Draft (ドラフト予想) のリストが出ている。

その中では Warriors は Channing Frye という PF/C の選手をドラフトするのではないかと言われているが…。 Baron Davis の加入によってバックコートが充実してきた Warriors は次は、フロントコートの補充というのはわからなくはない。

ドラフト本番は 6/28。 労使交渉は今週末にも再開が噂されているが、その結果次第ではその3日後にロックアウトになる可能性も残っている。 どうなるだろうか?


出演者もリラックス? スターウォーズキャラが出演するCMがいっぱい

スターウォーズ エピソード3 も公開され予想以上の人気に沸くアメリカだが、その前後からスターウォーズのキャラたちが出演するCMが続々と公開されている。 公式ウェブサイトなどで公開されているようなので紹介していこうと思う。

ダイエットペプシの広告。 ヨーダがジェダイトリック(人の心を操る力)やフォースを使って、人の食べているものを取ろうとするが…

ヨーダのCM出演はペプシが独占契約したとのことで他の会社のCMにヨーダは出演できないそうだ。 売れっ子だなぁヨーダ。

(ムービーを見るためには右の写真をクリックし、 リンク先にある “320×240” というボタンをクリックする。 要Quicktime)

M&Ms の広告。 ダースベーダーがM&Ms (アメリカではエミネムと発音する。 余談だが、ラッパーのエミネムはこの発音からアーティスト名をとった) を使ってダークサイドへ誘うが…
(ムービーを見るためには右の写真をクリックし、 リンク先にある “320×240” というボタンをクリックする。 要Quicktime)

アメリカの大手ファーストフードチェーン Burger King (バーガー キング) もスターウォーズのキャラを使った面白いCMを流している。 残念ながらアメリカのCM映像は見つからなかったが、イギリスのCM映像がこちら。 従業員であるダースベーダが「休憩時間は終わりだ」と上司に言われ…。 アメリカのバーガーキングのCMもこんな雰囲気だ。 ムービーを見つけたらまた紹介しようと思う。
(ムービーを見るためには右の写真をクリックし、 リンク先にある “Play Ad” というボタンをクリックする。 要Quicktime)

どれもが、映画とは違ってコミカルに描かれているので、 キャラクターのイメージ壊さないのかなぁと心配しながらもついつい見てしまう。 版権とか、キャラクタの商品化の権利はジョージルーカスが持っていたと思うので、シリーズも終わったということで好き勝手やらせてやろうという彼の意向なのだろうか。


NBA がロックアウトの危機

ESPN.com – NBA – NBA labor talks break off
Labor talks between the NBA and the players’ union broke off Wednesday, increasing the chance of a lockout starting in the offseason.
(NBA と選手会の間の労使交渉は水曜日、決裂しオフシーズンの間にロックアウトが始まる可能性が増えてきた)

スターウォーズに注目がいってしまいなかなか紹介できなかったNBAネタ。

NBA は現在の労使協定が間も無く期限切れになるため、新しい協定を結ぼうとしている。 先月のニュースでは、話し合いで大まかな合意ができているので揉めることはなさそうだというニュースが出ていたが、この前の水曜日に行われた話し合いで交渉が決裂してしまった。

前回労使協定が結ばれたのは 1999年 。 このときも交渉が長びいて98-99年のシーズンが82試合から50試合に短縮されてしまった。 そして、昨年はアメリカのプロアイスホッケーリーグ NHL で同じように労使交渉が決裂し、シーズン全ての試合がキャンセルとなってしまった。

99年のNBAのロックアウトの時はあまり興味がなかったのでわからないが、昨年のNHLのロックアウトで感じたのは、

「無くても何とかなってしまう」

こと。 多くの人々にとってプロスポーツは所詮娯楽。 選手たちのプロフェッショナルなプレイがなければ、その魅力はあっというまに腐ってしまい、ファンは離れてしまう。 こうなることはリーグにとっては大きな痛手だ (来シーズンは活躍が期待できる Warriors にとっても痛手だ) 。

今回の労使交渉では、複数年契約の問題やサラリーキャップの決定方法、それにプレーヤの最低年齢(現在は18歳以上を20歳以上にする)といった項目が合意に至っていないようだが、ぜひ期限である6/30までの合意を目指してもらいたい。


Star Wars Episode III – 見てきました

アメリカでがんばりましょう: Star Wars Episode III – 封切り直前 まとめ
と書いている、オレも明日は 午後6:45 の上映のチケットを入手。 少し早く会社を帰ることになりそう…。

というわけで見てきました。

行った映画館は、シネコンでいくつも映画館を使って上映しているにもかかわらず上映前には結構な行列。 トラブルもあって少し出遅れた我が家はちょっと外れた席での観戦となった。

もちろん話の内容は書かないが、オレからしてみたら 「よくまとめた」 という感じ。 この作品は、ほとんどの人があらすじを知っているわけで、映画としては少し不利なところがあったのだが、それでもいくつかのサブストーリーを並行して進めながら、最後のあの展開へ向けて着実に進んでいく様子は観ていて魅きつけられた。 (妻は「あまりにもストレートすぎる」と辛口評価だったが…)

そして、特撮(CG)は言うまでもなく、音楽もこれまでの作品から一部もってくるなどして関連性をうまく出したり、旧3部作で語られていたことを目の当たりにすることでより感動が深まるなど、これまでの作品を再認識することも。

ありきたりな結論だが、観る人を十分満足させてくれる作品だと思う。


Star Wars Episode III – 封切り直前 まとめ

サンフランシスコベイエリアはこの時期にしてはめずらしい雨になってしまったが、多くの人が待ちに待ったスターウォーズの prequel (プリークェル, sequel が続編だが、続編だけど時代的に前の話を描くので、このように呼ばれる) の完結編 が間も無く封切られる。

朝のローカルテレビニュースでは、今晩の深夜公開のチケットのいくつかは既にソールドアウト。 以前紹介した Fandango でこの家のあたりのチケット販売状況を見てみたら、全てではないがソールドアウトになっている上映会が多い。


(クリックで拡大)

この深夜の公開に向けて、ハリウッドで1ヶ月以上前から並んでいた lineingup.net の人たち、以前書いた噂どおり、チャイニーズシアターで上映されないことから、Arclight Cinerama Dome および Vista Theatre へ移動を始めたようだ。

明日からの封切りによって、こんな試算も出ている。

Japan.internet.com Webビジネス – 『Star Wars』最新作公開で、欠勤者続出の見込み
公開日の19日と翌20日 (映画封切りの初日2日としては珍しくどちらも平日だ) は、従業員の欠勤が大幅に増加するとの予測を示した。この2日間は、大勢の Star Wars ファンが病気を理由に会社を欠勤し、ジェダイ マスターたちの最後の雄姿をその目に焼きつけようと、劇場に列を成すという。
~中略~
CGC の調査では、同作品が企業にもたらす生産性低下による損失額が、19日と20日の2日間で、6億2700万ドルにも達する可能性があるという。

この手の試算は、よくプロ野球などでどこかのチームが優勝すると、経済効果が何億円という話が出るのと同じであまり意味のある数字ではないが、やはり一部は会社を遅刻、早退、欠勤したりするわけでその分を数字にすると結構な数字になるとは思う。 と書いている、オレも明日は 午後6:45 の上映のチケットを入手。 少し早く会社を帰ることになりそう…。


Mac OS X 10.4 Tiger ファーストインプレッション

遅ればせながら買いました、 Mac OS X 10.4 Tiger 。

うちの 液晶 iMac (G4 700MHz, メモリ 512MB) では新技術は荷が重いのではないか心配だったが、店頭にあったiBook (G4 1.2GHz)、しかもメモリが 256MB だったのに、思った以上に軽快に動いていて「これはイケそうだ」 と感じたのが最後の決め手となった。

家に帰ってその晩、インストールをしてみたがインストーラの動きからしてキビキビしていて驚いた。 利用許諾を “Accept (日本語では承諾する?)” ときに出てくるダイアログ(シートダイアログだっけ?) の動きも素早い。 レジストレーションの時の画面がクルクル回るところも小気味よい。 使っててうれしくなるぞ。

これまで使っていたのは iMac を買ったときに付いてきたMac OS X 10.2 Jaguar 。 10.0 から始まった Aqua な Mac OS X の完成形としてそこそこ評価されたOSで、オレも結構お気に入りだった。 そんなこともあり、Mac OS X 10.3 Panther は見送り、今回の 10.4 となったわけだが、 2世代後のOSでスピードが上がるとは思いもしなかった (とはいっても 10.2と比較して速くなっただけで、古いハードなだけに全体のもっさり感は残っている)。

ただ、全てのインストールが終わったところでひとつ問題が…。

Spotlight のインデックス作成だ。 コイツが動きだすとマシンがひっぱられてしまう気がする。

インデックス作成用のプロセスはバックグラウンドで常に動いていて、ファイルが作成されたり変更されたタイミングでできるだけ普通の作業を邪魔しないようにインデックスを変更するようだが、OSのインストール直後や、大きなアプリケーションのインストール直後は少し手を休めるとすぐにインデックスの更新プロセスが走りだし、作業が少しひっかかるような動きがある。 アイドル状態のタイミングの計り方に改良の余地があるのではないだろうか?

Spotlight の機能そのものは思った以上に便利。 これまでWindows で Google Desktop Search を使っていたが、それと比べるとタイプしていくと検索結果がすぐ表示されるところが気軽に検索をかけられてイイ。 Google Desktop Search は、インターネット検索とシームレスに検索ができるような仕組みになっていたが、デスクトプ検索はいかに速く目的のファイルを見つけられるかが勝負。 その点でSpotlight のアプローチの方が上回っていると感じた。 特にタイプしていくと検索結果が表示される機能は、これからのデスクトップ検索には必須ではないかと思うぐらい便利だ。

Dashboard も見た目が派手だし、中身が HTML/CSS/JavaScript で書かれているというところも興味深い。 Webとの親和性が高いことから、常にではないが、たまに見たくなるようなWebの情報を表示するためのツールとしての使われかたが期待できそうだ。 Webサービスはますますデータを提供するところに専念し、表示はクライアントでというリッチクライアントの流れに拍車がかかるかもしれない。

そうそう。 これで、Paper Case のテストもできるようになった。 とりあえず、Webページはちゃんと表示されているようだし、Tiger の Preview は Papercase の生成したPDFをきちんと表示してくれるようなので安心。

これから使いこんでいくと、遅くなったりダメなところも見えてくるかも知れないが、ファーストインプレッションとしては十分合格点をあげたい。


買いたいのはディスク? コンテンツ? それとも音楽の自由?

ITmediaニュース:超低価格のYahoo! Music Unlimited、競合音楽サービスに影響
買い手の皆さんは慎重に。
 これは、インターネットポータル大手のYahoo!が、オンラインでの楽曲購入に大金を投じている何百万人ものユーザーに対して伝えようとしているメッセージだ。Yahoo!は、今後は楽曲を購入して所有するというやり方は主流ではなくなると考えている。

米 Yahoo! が音楽配信サービス Yahoo! Music を開始した。 100万曲が年会費 $60 (月々 $4.99)、もしくは月会費 $6.99 で音楽が聴き放題になるというもので、これまでの同様のサービスに比べてとても安い金額でのサービスとなった。

iTunes Music Store やアメリカのCDショップでは アルバム1枚 約$10 で販売している。 2ヶ月に1枚程度 アルバムを買い続ける人にとっては Yahoo! Music は割安になる。 この価格体系になって始めて、ケーブルテレビと同じように毎月お金を払って100万曲にアクセスできのはアリかもしれないと感じた。 さっそく契約してしまおうか と思ったが、重要なものが足りないと思ってやめてしまった。

足りないモノとは音楽を再生する自由だ。

今のサービスは Yahoo! Music の曲はマイクロソフトの Windows Media Audio フォーマットになっていて、 PC か ポータブルデバイスを使うしかないらしい。 つまり、車のCDプレーヤや、家のステレオに接続しているDVDプレーヤで聴けない。 そのために、Downloadble な音楽データを安く販売しているようだが、それなら Yahoo! Music じゃなくてもいい。

皮肉な話だが、音楽データをオンラインで手に入れられるようになっても再生はCDというメディアに頼っているのが今の現状ではないだろうか。

iTunes Music Store はその発表のとき、自社の iPod はもちろんのこと、CD への書き込みが可能なことをアピールしていた。 iTunes Music Store から音楽を買った場合、その後は今の世の中で一番、ポピュラーなフォーマット(つまり CD)に変換でき、どこででも聴くことができる。 また、CDにさえなってしまえば多少の音質の低下はあるだろうが、将来ポピュラーなフォーマットが変わった場合も、きっと変換でき、またどこででも聴くことが可能だろう。 この自由のために iTunes Music Store にお金を払っているような気がする。

「楽曲を購入して所有するというやり方は主流ではなくなる。」 というのは、長い目でみれば正しいとは思う。 しかし、その前に曲をCDに焼くことができる、もしくはCDに変わるぐらいポピュラーな、そのフォーマットを再生する環境が普及するということが必要になるのではないだろうか。


PDFに期待すること

マイクロソフトの「Metro」はPDFキラーになるか – CNET Japan
MicrosoftではMetroをPDFのように広く普及させたいと考えている。そのため、この2つのフォーマット間で大規模な戦いが起こる下地ができあがりつつあると、アナリストらは指摘する。

この記事のアナリストを始め、多くの人が「MetroがPDFキラーになるのでは?」 と考えたということは、思った以上にPDFを「プリントしたときのような出力が得られるフォーマット」としか見ていない人が多いということだろう。

オレの考えは Metro はPDFキラーになりえないし、Microsoft もPDFキラーにしようとしていないと思う(この記事の反応を見て、考えを変えたかも…)。

PDF はバイナリフォーマットで、圧縮や暗号化などのセキュリティも考慮され、マルチプラットホーム、そして電子文書としての可能性を考慮されたフォーマットだが、Metro はXMLを採用した時点で表示、印刷以上の拡張性に欠けてしまっているからだ。 もちろん、強引に詰め込んでしまうことも可能だがファイルサイズは大きくなり、人にもコンピュータにもやさしいはずのXMLのアドバンテージを活かせなくなる。 仕様から考えるとMetroは役不足力不足だ。

一方、アドビは「(新バージョンは)オフィス内外で情報共有を行う際のコミュニケーションツールになる」と言っているように、将来を意識して、読んだり印刷する以上の機能をPDFに持たせようと躍起になっている。

PDFはこれまでの経緯や、機能からデファクトスタンダードとして確立していると思う。 しかし、PDFの使い方、使われ方に対し、メーカが期待しているものと、多くのユーザが期待しているものに大きなズレがあるのではないだろうか。多くの人々が欲しているのは「簡単にPDFを作成する方法」および「速くて、軽い、PDFビューワ」という気がする。

「簡単にPDFを作成する方法」は最近は低価格ないきなりPDFや、無償のクセロPDF といったツールが出てきて、Acrobat の上位バージョンがなくても作成できるようになってきた。 Mac OS X は OS が PDFを作成する機能をもっているし、 PDFは仕様が公開されているので、ペーパーケースで使っている FPDF といったライブラリもいっぱい公開されている。

「速くて、軽い、PDFビューワ」 にしても、フリーの軽量PDFリーダー Foxit Reader 1.3 Betaで紹介されている FoxIt PDF というものを最近知った。 このソフトはものすごく速くて、軽くて、ちゃんとPDFを表示する。 文字がやや細めに表示されたり、フォントの置き換えがちょっとうまくいかなかったりと細かい問題はあるが今後のバージョンアップに期待だ。

どれも、Acrobat のクローンという感じでまだ決め手に欠けている。 今回のニュースとその反応は、まだまだユーザは電子文書に関するソリューションに満足できていないことがわかったわけで、開発者にしてみると一発逆転のチャンスだろう。 プライドの問題はあるかもしれないが、それこそ Microsoft が Metro ではなく、PDF を生成、表示する機能を Longhorn に加えていたら時代はもっと簡単に変えられたかも…。