The Cleveland Cavaliers, who had a 22.50 percent probability of obtaining the first selection, will have the first overall pick in NBA Draft 2003, which will be held in New York City at The Theater at Madison Square Garden on Thursday, June 26, 2003.
(22.50% の可能性があった Cleveland Cavaliers が 6/26 に New York マジソンスクエアガーデンで行われる 2003年の NBA Draft の全体1位の指名権を持つことになった。)

今年の Draft Lottery が行われました。

といわれても、Draft Lottery なんて馴染がないだろうから、まず NBA のドラフトの仕組から紹介。

日本人にとってドラフトと言えばプロ野球を思いだすでしょうが、ドラフトとは有望な新人をそのプロスポーツを面白くするために、できるだけ公平に振り分けるというもので。アメリカではプロ野球はもちろん、バスケ、アメフト等各ジャンルで行われています。

NBAの場合、基本的に弱いチームから順に指名していきます、指名されたら、契約するか、しないかを各チームと選手の間で話し合うことになります。 逆指名や抽選(1人の選手に複数の球団が指名したときのもの)といった制度はありません。 そのため好みのチームから指名してもらえない選手も出てくるわけですが、NBAではチームが選手を拘束できる年数は契約で決められているので、日本のプロ野球のようにFAになるまで10年も待つ必要はなく、新人であればだいたい2~4年程度でFAのチャンスがまわってきます。 弱いチームで活躍し、注目を浴びてから希望のチームへ高い年棒で雇ってもらうという野望もあり、希望のチームじゃないからイヤだとゴネるような選手はまず聞きません。 なんとアメリカ的な考え。

さて、こうなるとドラフトにすげぇ有望な新人がいる場合、シーズンで優勝の可能性がなくなったチームはわざと負けてドラフト1位で指名することを狙う可能性があります。 そこで、プレイオフに出られなかった 13チームで 弱かったチームほど有利になるような形でLottery (クジ引き) をし、1~3位までのドラフト指名順位を決めるという方式がとられました(4位以降は残ったチームのシーズン順位の低い順になる)。 これが Draft Lottery と呼ばれるものです。

昔はコイントスといったシンプルな方法がとられていたようですが、現在は以下のような方法になっています。

14 ping-pong balls numbered 1 through 14 are placed in a drum. There are 1,001 possible combinations when four balls are drawn out of 14, without regard to their order of selection. Prior to the Lottery, 1,000 combinations are assigned to the Lottery teams based on their order of finish during the regular season. Four balls are drawn to the top to determine a four-digit combination. The team that has been assigned that combination will receive the number one pick. The four balls are placed back in the drum and the process is repeated to determine the number two and three picks. (Note: If the one unassigned combination is drawn, the balls are drawn to the top again.)
(1から14までの番号がついた14個のピンポンボールがドラムの中に入れられます。 この14個から4個を引くパターンは(順番を無視すると) 1001通り。 クジ引きの前に、1000のコンビネーションがレギュラーシーズンの順位に基づいて割り当てられます。 4個のボールが選ばれ、そのコンビネーションを割り当てられたチームが1位の指名権を獲得したことになります。再び4個のボールが戻され、2位、3位のチームを選ぶために同じことが行われます。もし、割り当てられていないコンビネーションが選ばれた場合は、もう一度選びなおしになります。)

今年の割り当て(Chances の数字)は以下の通り。 我らが Golden State Warriors は11位で 7個のコンビネーションが割り当てられていました。

Team Record Chances 1st Pick 2nd Pick 3rd Pick
Denver 17-65 225 22.50% 20.30% 17.63%
Cleveland 17-65 225 22.50% 20.30% 17.63%
Toronto 24-58 157 15.70% 15.80% 15.66%
Miami 25-57 120 12.00% 12.68% 13.39%
L.A. Clippers 27-55 89 8.90% 9.75% 10.78%
Memphis (1) 28-54 64 6.40% 7.20% 8.23%
Chicago 30-52 44 4.40% 5.05% 5.91%
Atlanta (2) 35-47 29 2.90% 3.37% 4.02%
New York 37-45 15 1.50% 1.77% 2.14%
Washington 37-45 14 1.40% 1.65% 2.00%
Golden State 38-44 7 0.70% 0.83% 1.01%
Seattle 40-42 6 0.60% 0.71% 0.87%
Houston 43-39 5 0.50% 0.59% 0.73%

Footnotes:
(1) Pick may be conveyed to Detroit (Detroit に権利が移る場合がある)
(2) Pick may be conveyed to Milwaukee (Milwaukeeに権利が移る場合がある)

で、最終結果が以下の通り。

1. Cleveland
2. Memphis (to Detroit)
3. Denver
4. Toronto
5. Miami
6. Los Angeles Clippers
7. Chicago
8. Atlanta (to Milwaukee)
9. New York
10. Washington
11. Golden State
12. Seattle
13. Houston (to Memphis)

Memphis が 7.2% の確率をものにして 2位指名権をゲット。 そのあおりを受けて Toronto が 4位に落ちてしまいました。 2位、8位、13位のチーム名が (to XXXX) となっているのは、このドラフトの権利が以前のトレードで出されていたため。 現在いる選手に加えて、将来の新人まで(誰になるかわからないのに)トレードの対象になってしまうのです。 これはちょっとやりすぎな気が…。

これで、ドラフトで指名する順番が決まったので各チームは他チームが誰をとるか予想をしながら、自分の順位で誰を指名するかを決めてきます。 本番は 6/26 。 今年は何がおこるか?