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オープンソースビジネスの転換期

オラクル、Linuxサポート事業に本腰–レッドハットとの真っ向勝負に挑む – CNET Japan
Ellison氏の発表によれば、Oracleの「Unbreakable Linux 2.0」サービスは、Red Hatのサービスに比べ低コストで、バグの修復が早く、法的な保護も手厚いという。

先週行われた Oracle Open World の基調講演でラリーエリソンが Linux ビジネスへの参入を発表した。 べつに大したニュースではないように聞こえるが、ビジネス向けの Linux の主流である Red Hat のビジネスと同じことを、別の会社がより安く行うというこのスタイルはオープンソースビジネス全体に大変な影響が及ぶようなものすごいことでないかと思った。

オープンソースビジネスの多くはプログラムのソースコードを公開(オープンに)し、サポートや研修でお金を稼ぐというものになっている。 つまり、製品を無料にし付加サービスでお金を稼ぐというモデルだ。 これはビジネスを行う会社が長い間そのプログラムの開発に携わっていたなど、そのプログラムのことを熟知している (= いちばん良いサービスを提供してくれる) という認識のもとに成り立っていた。

しかし、オープンソースを唱っているということは誰もが製品の核となるソースコードを手に入れ、オリジナルの開発者と同じか、それ以上にその製品のことを知ることができる。 今回、オラクルも Red Hat Linux のソースコードを手に入れ、Red Hat に関係するところを削って製品を作り直したというようなことを言っていたが、大きな会社であればあるほどこういった研究を行い、同様のサービスを安く提供することが可能になるだろう。

その結果、先にあげた 「その製品のこと聞くのに一番良い会社 = 開発者の会社」 という関係が崩れ、同じぐらい知っているならサービスを安く提供してくれる会社、名前が知られている大きな会社という関係が新たにできあがろうとしている。 ある意味あたりまえなんだけど、こういったことを表立って始めた会社は知らなかったので何だか目から鱗な話だった。

今までそのオープンソース製品を育ててきた人から市場を奪うのは心ぐるしい気もするが、一度ビジネスとして始めてしまったらこういった競争は避けられないだろう。 オープンソースビジネスは開発者だけの特権的なものではなくなってきたという意味ではオープンソースビジネスのコモディティ化とも言えるかもしれない。


この時期はこわーい、アメリカのパーティグッズ店

アメリカは来週 10/31 がハロウィーン。

ハロウィーンと言えば仮装というのは日本でも有名になったのではないだろうか。
(以前にも書いた)が、もともとハロウィーンは日本のお盆のような日 で、死者の魂が生きていたときの家に帰ってくると言われていた。 その帰ってきたお化けに負けないように(逆に怖がらせるように)、またお化けに取り憑かれないように恐い仮装するというのがもともとの由来らしい。

仮装の定番がドラキュラやフランケンシュタインや魔女だったりするのは決してアメリカ人のセンスじゃなく、この由来のせいだったりする。じゃあ、そのグッズを売っているお店はどうなってかと言うと….

こんな感じ。

パーティグッズ屋なのに、墓場と化している。

角を曲がると、

いきなり生首(商品サンプル)とかぶらさがっていたり…
小心物のオレは知ってて入ってももうびっくり。

ハロウィーン前の1~2ヶ月ぐらいの時期だけ、仮装グッズとかを売るお店もできるんだけど、そういうところはもっとすごいんだろうな。 こわそー。 この時期、ハロウィーン用の仮装グッズを買いに行くときは心して行きましょう。


Oracle 、Warriors のホームコートの命名権を買う

New name for Oakland Arena — the Oracle
Oracle Corp. and the Warriors have signed a 10-year deal to rename the Arena in Oakland as Oracle, the two companies said Friday. The deal is worth approximately $30 million.
(Oracle Corp. と Warriors は Arena in Oakland の名前を Oracle に変える10年契約を結んだと金曜日に発表した。 この契約は 約3000万ドル (36億円) に相当する)

Golden State Warriors がホームコートとしているのが Oakland にある The Arena in Oakland というアリーナ。 日本語にすると 「Oakland にあるアリーナ」 というありふれた名前しか付いていなかった。

アメリカでは多くのスポーツ会場の名前が売りに出されて、その名前がそれぞれの会場の特徴を表している。 このあたりでも以下のように、Warriors の本拠地以外は全部スポンサーが付いていた。 そんなこともあり、Warriors (The Arena in Oakland) はもう3、4年前からずっと会場の命名権を買ってくれる企業を探していたのだった。

  • San Francisco Giants – AT&T Park (AT&T という電話会社)
  • Oakland Athletics, Oakland Raiders – McAfee Coliseum (マカフィー、アンチウイルスソフトで有名なソフトウェアベンダ)
  • 49ers(アメフト) – Monster Park (Monster という AVアクセサリメーカ)
  • San Jose Sharks (アイスホッケー) – HP Pavillion (HP、パソコンやプリンタのメーカ)

会場に名前を付けて、会場の内装を少し変えるだけで年間 約3億円のお金が入ってくるのだから今回のニュースは Warriors にとっても嬉しい限りだろう。 新しい会場の名前はまだ正式には発表されていないが、 The Oracle (ジ オラクル、でも昨日のニュースではアナウンサーが ザ オラクルと言っていた) が有力らしい。

では、Oracle にとって意味があるのかというところだが、10年もの長い期間なのが気になるがまぁ広告費と考えればそんなに悪くないんじゃないかなぁと。 これで、いきなりプレイオフでも進出したら Warriors ファンからはマトリックスのオラクルみたいにあがめられるかも。

あと、一度は Warriors を買おうとして断わられたオラクルの CEO ラリーエリソン (リンク) がこれをきっかけにもう一度 Warriors を買うんじゃないかという噂もあり、単なる広告以上の何かを期待しているのかもしれない。

今回、命名権の契約はWarriors が中心に行っていたが、アリーナの所有者はOakland市(Alameda郡) が持っている。 そのため、この提案は最終的に 11/10 に会場のある Oakland市 – Alameda郡 の委員会の承認をもって決まるらしい。 NBA は10月末に開幕するので、開幕直後はまだ Arena in Oakland のままのようだ。


PST? PDT? – アメリカ時刻の略し方

日本は時間帯が1つしかないが、アメリカは実に6つの時間帯が存在する。

  • Eastern (イースタン・東部、ニューヨーク ボストン など)
  • Central (セントラル・中部、シカゴ、ニューオリンズなど)
  • Mountain (マウンテン・山岳部、デンバー、フェニックス )
  • Pacific (パシフィック・太平洋、ロス サンフランシスコ)
  • Alaska (アラスカ、 アンカレッジ)
  • Hawaiian(ハワイ , Hawaii-Aleutian ハワイアリューシャン と書くこともある)

時刻を表すときはこれに Standard Time (標準時) を付ける。 シリコンバレーのあたりは Pacific Standard Time (太平洋標準時) となり、 これの頭文字を取って PST というような省略形が使われる。 (アラスカ標準時間だけはちょっと特殊で AKST と略す)。 同じ論理で、日本の場合は Japan Standard Time で JST となっているのは知ってる人も多いのではないだろうか。

で、アメリカでやっかいなのは今日10月17日現在では PST という表記を使わないということ。 アメリカは10月最終週までサマータイム(夏時間)なので、この間は Standard Time ではく Daylight Time (夏時間) という言葉が使われ、 Pacific Daylight Time 略して PDT が正しい表記になる。

日本時刻との関係は次のような感じ

0:00 JST = 8:00PDT = 7:00PST

もっと、ややこしいのはハワイ州はサマータイムを採用していない。 ハワイに関しては常に HST になる。 しかし、同じ時間帯にある169° 30′より西のアリューシャン列島ではサマータイムを採用しているので HDT を使う場所も少ないがあるようだ。 また、アメリカ本土でもアリゾナ州やインディアナ州の一部でサマータイムを採用していない場所もありそこでは常に DT ではなく ST という表記になる。

と、ここまでいろいろ書いてきたけど、実は真ん中の S や D を抜いて PT (Pacific Time) といった書き方もできるので、怪しかったらそれを使うのが無難だと思う。 今の時期にうっかりPSTとか書いて現地の人とミーティングしようと思ったら時間が合わなかったなんてことにならないように注意して欲しい。 (ま、こっちの人も柔軟に対応してくれるけどね)


買収は現場じゃなく会議室で起こっている

Google による YouTube の買収。 いずれどこかが YouTube を買うのは予想できたけど、まさかGoogleが買収するとは思ってなかったのでびっくりのニュースだった。 これまで、Google は自分たちの足りないところを買い集めてきたが今回はもろにライバル企業を買収したので、 同じシリコンバレーで働いているエンジニアとしてはGoogle Video チームの行方が気になるところだ。

オレも働いている会社が別の会社を買収しその後のゴタゴタを経験したことがあるけど、買収の話は一度として一般の発表より前に聞いたことはなかった(笑)。

これまでの経験からすると、企業買収はシリコンバレーでも現場からの要望で動くことはほとんどなく、製品ポートフォリオの拡充や、敵対的買収、お手頃なオファーなどの要因から会社の経営陣が判断し、実行されることがほとんどのようだ。

そのため、企業買収が実行されると関係する現場は自分たちのポジション作りに右往左往することになる。 例えば買収した会社に同じようなテクノロジがあれば、そことミーティングをしたり情報交換してテクノロジを研究する。 そして、自分たちの方が上だと思えばいかに素晴しいかという資料を作り、負けそうだと思ったらどうやって融合させていくかといったプランを作る。

経営陣は(ある意味健全なんだろうけど)売上げや利益率といった数字でドライにどちらのテクノロジを選ぶかを判断するので、ここでいかに自分たちが会社にとって有益なのかをアピールできるかがレイオフを避ける鍵だったりする。

Google からは、「しばらくの間 YouTube と Google Video はそれぞれ別のものとしてやっていく」 といったコメントが出ているようだが、これは社交辞令的な発言なのであまり信用しない方がいい。(他に買われる前に買っちゃいました、今どうしようか考えてます。 ぐらいに読むのが正しい (笑)) 今回の買収では、 YouTube の方が知名度やトラフィックがあり有利な立場にあると思うので、今ごろ Google Video チーム はいかにして生き残りを計るかのプランニングに追われていることだろう。

18億5000万ドルという多額のお金が動いたり、こういったダイナミックな変化はシリコンバレーらしいが、現場で働いてる人たちはその度に大変。 がんばれ Google Video チーム。


そういえば、Warriors

そうそう。 カントクが交代して以来しばらく触れてなかったけど、Warriors を含む NBA の各チームは10月の頭からキャンプを開始、1ヶ月後のシーズン開幕に向けて準備を始めている。

昨年の残念なシーズンを改善するために、今年は大きな動きがあるのではないかと言われた Warriors 。 Kevin Garnett (ケヴィン ガーネット)のトレードが決まったとか、 Allen Iverson (アレン アイバーソン) 獲得のオファーを出したなど派手な噂は絶えなかったが、全てが実現しなかった。

結果として今オフシーズンの補強結果は、

  • ドラフトによる新人 Patrick O’Bryant (パトリック オブライエント) を獲得。(ドラフト2巡目の Kosta Perovic は入団を拒否し交渉決裂)
  • Derek Fisher を Utah Jazz の Keith McLeod(キースマクロード、ガード)、Andre Owens(アンドレ オウエンス、ガード) とトレード。 (もう一人、Devin Brown がいたがキャンプ初日にクビになった)
  • これまで怪我や病気に悩んでいた Dajuan Wagner (デジュアン ワグナー) と FA で契約
  • キャンプに Matt Barnes(マットバーンズ、フォワード)、Dijon Thompson (ディジョン トンプソン、フォワード)、Anthony Roberson(アンソニー ロバーソン、ガード)を招へい。このあたりのメンバーが開幕まで残る可能性は非常に低い。

なんだかガードの選手が多いロスターになっている。大きなトレードに向けてトレード要員を集めていたが、トレードがなくなったのでどうしようと悩んでるのだろうか。 これを見る限りは昨シーズンより戦力ダウンになっている。

個々の選手の成長、カントクが変わったことによる変化、まだトレードがまとまる可能性もあるのでそれに期待というところか。 うーん。 ちょっと期待薄だなぁ。 そんな気持ちが、アメがんにおける最近の Warriors エントリの減少にも繋っているのだった…。

話は変わって、Warriors は10/9 の午後6時から Oakland Arena で公開練習試合を開く (リンク)。 オレはちょっと行けそうにないが、無料で選手たちを間近で見られるチャンス(オレは4年前に行ったときに、Gilbert Arenas と握手した) なので興味のある方はどうぞ。


ウチでも使っていた Ajax

ajax.jpg

もう結構使い古されたネタだけど、ウチでも使っていたのを偶然発見したのでやっぱりとりあげてみました。 比較するモノが無いからわかりにくいけど、コレ詰め替えボトルなんで結構でかい。 普段はキッチンの奥にしまってあるのでなかなか気付かなかった。

何のことやらわからない人のために解説すると、Web でコンテンツを表示する技術として Ajax (Asynchronous JAvaScript and XML の頭文字、 エイジャックスと読む) というのがあって、これと同じ名前の洗剤がアメリカにあるよーという話。

で、何で Ajax なんてちょっと変わった名前になったかと言うと、似たような別の技術でSOAP(ソープ、洗剤)というのがあって、洗剤つながりということで、ブランド名の一つである Ajax になったらしい。 最近は Comet というのも出てきて、これまた洗剤のブランドだったりする。

英語版の Wikipedia の記事によると、Ajax という言葉が始めて使われたのは2005年の2月に書かれた Jesse James Garrett さんの このエントリらしい。ここでは洗剤の話は一切触れられてない。

どこまで本当なのか遊んでるのかよくわからない。 まぁ、そんなこと知らなくても使えりゃいいから技術者の間では最近とってもホットなのが Ajax だったりする。


Google Reader がすごくよくなった

ブログやニュースサイトを巡回するためのツールとして便利なRSS リーダ。

いまやいろいろなサイトやツールがRSSリーダの機能を提供しているが、オレはずっと 数年前に紹介した Bloglines を使っていた。 ところが、先週アップデートされた Google の RSSリーダ、 Google Reader がすごく便利だったので乗り換えてしまった。

便利に思ったところ1 – List View の 未読、既読管理

Google Reader でオススメなのが List View モード。 これまで Bloglines では、更新された情報を表示すると、全部のエントリが既読になってしまい、後から読みたいエントリは自分で「まだ読んでいないことにする」 (Keep New) をチェックしないと再び見られなかった。
RSSで講読しているサイトがが少ない間はそれでもあまり問題なかったのだが、増えてくると思わずリロードして読みかけのものが消えてしまったりするなど不便。 Google Reader の List View ではまずサイト名やエントリのタイトルが表示され、見たいエントリをクリックしたときに既読扱いになるのでそういった問題がない。
また、リスト表示なので一覧性が上がり、閲覧にかかる時間を短くできる。 Expanded View にすれば、これまでのような表示ができるようになっているのもイイ。 (Expanded View でもエントリをクリックしたりして、カーソルが移動するまでは未読状態のままになる。)

listview.jpg

便利に思ったところ2 – スター

Gmail でおなじみのスターマークも便利。 一度見たけど、後で使えるかもしれない情報だからとっておきたいという場合に使える。 Bloglines ではこの場合も未読マークを付けておくしかなかったが、こうすると普段見るときにいつも表示されて、ウザいと思うこともしばしば。

Google Reader ではスターマークを付けたエントリは Starred Items フォルダで見られるので、わずらわしさはない。 なのでエントリはその重要度に合わせて、既読、未読、スターの3レベルに分けるて管理できる。

重要なエントリならはてなブックマークのようなソーシャルブックマークに登録すればいいのかもしれないが、それもよりもお手軽に情報を残しておきたいときに便利。 いや、このお手軽感ならもしかするとソーシャルブックマークをおびやかす存在になるかもしれない。

便利に思ったところ3 – キーボードショートカット

Bloglines でもそこそこ実装されていたキーボードショートカット。 Google Reader でも結構作りこまれていて、慣れれば慣れるほどに使い勝手が増すようになっている。

Shift + n/p でのフォルダの移動
Shift + o でそのサイトの新規エントリを表示
j/k で閲覧
n/p でカーソル移動
m で 未読、既読の切り替え
v でエントリの内容を別ウインドウで表示させる

などキーボードから手を離さずにほとんどのことができてしまう。 これも Bloglines 以上に便利。

Google なのになぜか検索機能がなかったり (Browse >> をクリックすると、ちょっとしたのが出てくるぐらい)、フォルダ管理の部分がうまく動かないときがあったりと、まだまだベータっぽさ全開だが、今回の進化はとても称賛できる。 より進んだ検索機能、リスト表示でのソート順の変更、サイトの講読者数(Subscriber)の表示など これからもどんな進化を見せてくれるのか期待して待ちたい。


電子書籍リーダーがブレイクするか?

ITmedia News:「ながら読書」できるソニーの電子書籍リーダー、米国で発売
米国ソニーは携帯型電子書籍リーダー「Sony Reader Portable Reader System」をオンラインストアのSonyStyleで発売した。10月からは直営店のSonyStyleと空港店などを含むBordersストアで店頭販売される。

発売が遅れているソニーの書籍リーダー。 10/31 までに発売と決まり、いろんなメディアにも発表されたようだ。

Engadget に写真が載っていて、使用している写真を見るとなんとも魅力的。 (日本語版の記事もあるけど、英語版の記事の方がちょっとだけ写真が多い。)
とっても薄く、サイズも意外に小さい。 そして、画面がよく見える。

Sony Reader PRS-500 hands-on Connect Reader screenshots – Engadget

ウチでは DS Lite を買って以来、DS が大活躍。 それまでは旅行中が携帯ゲームの主な活躍の場だったが、普段も暇な時間に脳トレやちょっとしたパズルゲームなんかを遊ぶことが多くなった。

ITメディアの記事のタイトルにもあるが(本文で触れられてないのはなぜ?)、 「ながら」というのがキーなんじゃないかと思う。 ゲームのようにちょっとしたことなら、テレビを見ながら、音楽を聞きながらできるとうれしい。 それを実現できる適当なハードウェアとソフトウェアというは今の時代にヒットする要素の一つではないだろうか。

そんな観点から、 Sony の電子書籍リーダーは eInk によるディスプレイ、バッテリーの持ちのよさなどで期待できそう。

同じ時期に Panasonic が発表した ワーズギア を見ると、そういえば Panasonic って昔からやってたけどイマイチブレイクしてないなぁと不安もあるが、ながらに適したハードウェアというところでようやく人々の要求しているモノができてきたのではないかと思う。 今回のこの2社の製品の動向は要チェックだ。
ただ、

値段が ソニーのが $350、 Panasonic のが 40,000円 というのはイタイ。
アメリカでは最低グレードのものだがノートパソコンが買えてしまうような値段だ。
せめて DS Lite ($129) と同じぐらいにして欲しかった…。


lonelygirl15 騒動

この女の子、YouTube にハマってる人なら見かけたことがあるだろうか?

彼女は Bree という 学校に行かず家で勉強している (home-schooled) 16歳の女の子。
又の名を lonelygirl15 といい、親に内緒でで自身のビデオを 6月ごろから YouTube に自身の独白ビデオを投稿している人気ビデオブロガーだ。

ちょっとミステリアスな背景と、Lindsay Lohan (リンジー ローハン) を素人っぽくしたようなかわいいルックスでじわじわと人気上昇し、最近では YouTube の Most Viewed (一番見られたビデオ) の常連となっている。

これまでに投稿された映像を見てもらうとわかるが、16歳にしては意外にしっかりと話し、出来上がった映像もいくつかのシーンを繋げ、BGM まで付けてあるなど素人っぽくない。 そこで世界中の人が lonelygirl15 は誰なんだ? リアルなのか? それとも何かのプロモーションなのか? と疑問を投げかけるようになった。

この疑問の答えが思わぬところから見つかる。

先月末 lonelygirl15 がファンに送った email の 発信元を調べたら (Spammap と同じ原理ですな)、 ビバリーヒルズにある Creative Artists Agency (CAA) というタレント事務所のようなところからだとわかった。 これで、lonelygirl15 はどうやら作られたキャラクタだということがわかり、今度はその意図を探ろうとまたひと騒ぎ。

始めは ブレアウィッチプロジェクトのような自主制作映画の前フリじゃないか? 秋からの新しいテレビ番組の何かじゃないか? といった感じだったが、ハリウッドの映画会社が YouTube の視聴者を利用するための陰謀だというようなネガティブな意見も出だしたこともあり、2週間ほど経ったところでとうとう製作者たちが登場し謎明かしがされた。

lonelygirl15 は Miles Beckett (マイク ベケット)、 Mesh Flinders (メッシュ フリンダース)、Greg Goodfried (グレッグ グッドフライド) という 3人の製作者が作った架空のキャラクタで、 Bree を演じたのは Jessica Rose (ジェシカ ローズ) という19歳の女優だった。 製作は Flinders 家のベッドルームを使い、撮影は $150 で買った QuickCam 。 先のCAA というタレント事務所は、製作の支援および法務の担当をしていた。

この真実を明らかにして以来、Bree を演じる Jessica Rose はテレビに引っ張りだこ。 始めは騙しててゴメン的なコメントもあったが、肯定的な意見も多かったためだんだん演じていることを楽しむようなコメントへとシフトしているように見える。

フィクションをノンフィクションのように見せてたというより、情報を制限していたら製作者の意図しない勢いで広がっていってしまったという感じではないだろうか。 結果論になってしまうが、これが大企業の戦略ならイヤラシイという感じだが、セミプロな製作集団の作品としてなら許せるというのがオレの印象かな。

lonelygirl15 の YouTube の投稿は何事もなかったかのように行われ、人々も Bree というキャラクタの真実を知った上で楽しもうとしている。 画質は低いし、時間も短い YouTube 発のコンテンツだが、OK Go のような PV 以外にもやりかたによってはブームを巻き起せることを示した貴重な事象になると思う。 こうやって製作者も視聴者も成長し新しいメディアが育っていくのだろうなぁ。

参考:
WikiPedia: lonelygirl15
シリコンバレー101 第192回 仕掛けだったLonelygirl15、作られた情報に揺らぐネットの信頼

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