Google による YouTube の買収。 いずれどこかが YouTube を買うのは予想できたけど、まさかGoogleが買収するとは思ってなかったのでびっくりのニュースだった。 これまで、Google は自分たちの足りないところを買い集めてきたが今回はもろにライバル企業を買収したので、 同じシリコンバレーで働いているエンジニアとしてはGoogle Video チームの行方が気になるところだ。

オレも働いている会社が別の会社を買収しその後のゴタゴタを経験したことがあるけど、買収の話は一度として一般の発表より前に聞いたことはなかった(笑)。

これまでの経験からすると、企業買収はシリコンバレーでも現場からの要望で動くことはほとんどなく、製品ポートフォリオの拡充や、敵対的買収、お手頃なオファーなどの要因から会社の経営陣が判断し、実行されることがほとんどのようだ。

そのため、企業買収が実行されると関係する現場は自分たちのポジション作りに右往左往することになる。 例えば買収した会社に同じようなテクノロジがあれば、そことミーティングをしたり情報交換してテクノロジを研究する。 そして、自分たちの方が上だと思えばいかに素晴しいかという資料を作り、負けそうだと思ったらどうやって融合させていくかといったプランを作る。

経営陣は(ある意味健全なんだろうけど)売上げや利益率といった数字でドライにどちらのテクノロジを選ぶかを判断するので、ここでいかに自分たちが会社にとって有益なのかをアピールできるかがレイオフを避ける鍵だったりする。

Google からは、「しばらくの間 YouTube と Google Video はそれぞれ別のものとしてやっていく」 といったコメントが出ているようだが、これは社交辞令的な発言なのであまり信用しない方がいい。(他に買われる前に買っちゃいました、今どうしようか考えてます。 ぐらいに読むのが正しい (笑)) 今回の買収では、 YouTube の方が知名度やトラフィックがあり有利な立場にあると思うので、今ごろ Google Video チーム はいかにして生き残りを計るかのプランニングに追われていることだろう。

18億5000万ドルという多額のお金が動いたり、こういったダイナミックな変化はシリコンバレーらしいが、現場で働いてる人たちはその度に大変。 がんばれ Google Video チーム。