オラクル、Linuxサポート事業に本腰–レッドハットとの真っ向勝負に挑む – CNET Japan
Ellison氏の発表によれば、Oracleの「Unbreakable Linux 2.0」サービスは、Red Hatのサービスに比べ低コストで、バグの修復が早く、法的な保護も手厚いという。

先週行われた Oracle Open World の基調講演でラリーエリソンが Linux ビジネスへの参入を発表した。 べつに大したニュースではないように聞こえるが、ビジネス向けの Linux の主流である Red Hat のビジネスと同じことを、別の会社がより安く行うというこのスタイルはオープンソースビジネス全体に大変な影響が及ぶようなものすごいことでないかと思った。

オープンソースビジネスの多くはプログラムのソースコードを公開(オープンに)し、サポートや研修でお金を稼ぐというものになっている。 つまり、製品を無料にし付加サービスでお金を稼ぐというモデルだ。 これはビジネスを行う会社が長い間そのプログラムの開発に携わっていたなど、そのプログラムのことを熟知している (= いちばん良いサービスを提供してくれる) という認識のもとに成り立っていた。

しかし、オープンソースを唱っているということは誰もが製品の核となるソースコードを手に入れ、オリジナルの開発者と同じか、それ以上にその製品のことを知ることができる。 今回、オラクルも Red Hat Linux のソースコードを手に入れ、Red Hat に関係するところを削って製品を作り直したというようなことを言っていたが、大きな会社であればあるほどこういった研究を行い、同様のサービスを安く提供することが可能になるだろう。

その結果、先にあげた 「その製品のこと聞くのに一番良い会社 = 開発者の会社」 という関係が崩れ、同じぐらい知っているならサービスを安く提供してくれる会社、名前が知られている大きな会社という関係が新たにできあがろうとしている。 ある意味あたりまえなんだけど、こういったことを表立って始めた会社は知らなかったので何だか目から鱗な話だった。

今までそのオープンソース製品を育ててきた人から市場を奪うのは心ぐるしい気もするが、一度ビジネスとして始めてしまったらこういった競争は避けられないだろう。 オープンソースビジネスは開発者だけの特権的なものではなくなってきたという意味ではオープンソースビジネスのコモディティ化とも言えるかもしれない。