Category: 03 コンピュータ

Macworld Expo SF 2004 観覧記 その1 – 会場編

Moscone.jpg 恒例の Macworld Expo 観戦記。昨年まではiPhotoを使ったPDFで書いていたけど、今年はネタも少ないのでBlogエントリで。 実はKeynote (基調講演) を聞いたあと、今年はそんなに面白そうなハードやソフトが発表されなかったからやめようかと思っていたぐらいだった。 たまたま友人が一緒に行こうと誘ってくれたこともあって最終日に会社をちょっと抜けだして見に行くことにした。
今年、まず気づいたのが…

会場が小さい。 例年どおりノースホールとサウスホールに分かれていたが、ノースホールは全体の1/3程度しか使用しておらず、Appleのブースがあるサウスホールも1/4程余裕があり、うまくまとめれば片側のホールだけで済んだのでは? と思うほど。 ノースホールに入って右側をとったのが上の写真。 入ってすぐ右側で展示エリアが終わり(もう少し奥へ入ると右側も少し使っていた)。 昨年はこのエリアも立派に展示エリアとして使われていた。 昨年、一昨年と Mac OS X の安定に従って徐々に盛り上がってきていただけに、この出展数の減り具合はMacコミュニティにとってはイヤな前兆に思える。

しかし、出展している企業は結構元気。 Macmall というオンラインショップのお店ではポップコーンを無料で配布。 まわりにいい匂いをふりまいていた。 なぜか今年はポップコーン大流行。 他にも3,4のブースで配布をしていた。 こういったものはここ数年無かっただけに結構驚いた。


おそるべしSoftEther

SoftEtherを利用し、ファイヤウォールの内側からHTTPSを偽装してインターネットに抜けるようなVPNを張れば、ネットワーク管理者によるパケット監視は行き届かなくなります。たとえば、“社員が仕事中、こっそりオンラインゲームをやり放題”ということにもつながります。この指摘には、どういった感想をお持ちですか。

驚いた。 まさかイーサネットをソフトウェアで実現してしまうとは…。
POP3/SMTPをHTTPにのっけてプロキシ越えして喜んでいた自分が子供みたいだ。

うちの会社(プロキシは HTTP(S)のみ)で試してみたらすんなりと外へ出られてしまった。ネットワーク管理者だったら冗談じゃないといいたくなるのもわかる。

インタビューの中で作者は「Admin権限を管理することで…」と言っているが、間違いではないにしても事はそんなに簡単じゃないと思う。 全てがただの端末利用者ならまだしも、例えばうちのようにソフトを作っている会社はできたソフトをテストするために各自がAdmin 権限でソフトをインストールする必要があったりする。 そのたびに管理者に届け出るなんて管理者もユーザもやってられないというのが多くのネットワークの現状だろう。

しかし、何でもできちゃうと恐くなって圧力をかけてでも止めたいと思うのはわからなくはないが、こういったソフトそのものに罪はないと思う。仕事中にゲームするのはソフトとは関係のない倫理的なものだ。 それより今度はこういったソフトをブロックしたりする技術とともに、さらなる利用方法、たとえばソフトHUBでパケットレベルでのコンピュータウイルスチェック、大量のパケット送信してくるサイトを選択的にブロックするなんてのもソフトウェアだからこそ比較的簡単に実装できるのではないだろうか。 せっかく面白そうな技術が出てきたのだから、ネガティブに考えずポジティブに考えよう。


Macworld Expo SF 2004 Keynote

今年も Macworld Expo SF の季節がやってきた。

Macworld Expo は毎回、Apple Computer の CEO であるSteve Jobs の基調講演(Keynote)で幕を明けるが、ここで彼がどんなすごい物を発表するかが注目される。
今年は初代 Macintosh が発表されて20周年という記念すべき年。 基調講演の最初でもそれを強調し、Jobs は「今年はMacの年。 ものすごい製品を発表していく。」との意気込みを語っていた。

昨年の iTunes Music Store に続き音楽づいている Apple は今回も発表で GarageBand という音楽編集ソフトを発表。 一般人には縁のないモノというのはJobsも言っていたがアメリカでは約半数の世帯でミュージシャンになりたかったというデータがあるんだそうだ。 簡単なインタフェース、リッチな機能でそういった人たちの興味を促すと言っていたが、本格的にやろうとすると Midi デバイスが必要なので一般の人には少し敷居が高いのではないだろうか。ただ、他のiPhoto, iDVD といったソフトを含めて $49 そして、Mac にバンドルとのことなので、ジワジワと浸透していくような気がする。 個人的には John Mayer(ジョンメイヤー)を呼んでデモしたことにちょっと感動。

そして、最後に iPod mini の紹介。 が、会場の反応がイマイチ。 だって値段が iPod に近づきすぎてる。 iPod に $300 ほど出すのはイヤだなぁと思う人が買ってなかったわけで、それが $250 になったとしてもたいして変わらない。噂では $100 でという話も出ていただけに、高くても $150 程度でないと値頃感はないのではないだろうか。

うーん。全体的にイマイチな発表だった。 最初に語った意気込みが今後どういった形になっていくか期待したい。

ところで、キーノート中に iTunes Music Store の日本版は今月末なんてぼそっと話してなかったっけ? 聞きちがい?


Looking Glass 3D Desktop

This page from Sun Microsystems offers a technology demonstration of ‘Looking Glass’ which is a 3D Desktop Environment written in Java
(Sun Microsystems のこのページでは ‘Looking Glass’ というJavaで書かれた 3D デスクトップ環境のテクノロジーデモを公開している。)

3Dデスクトップというとファイルが空間に浮いていたりとか、3Dであることを無駄に利用し、これまでのデスクトップとはまったく違うインタフェースが提供されていたりする。 しかし、このデモに出てくるシステムは Mac OS X 10.3 の Expose のアレンジのような感じだ。 アプリケーションの起動、使用は特に変わらない。 しかし、アプリケーションを動かしたいと思ったときに、これまで出しっぱなしにするか、タスクバーやドックに隠すしかなかったのが、デスクトップの奥行きを利用して隅に置いておいたりできるようになる。 デモ用途には地味な機能だが、テクノロジーを有効に使っていると思う。 これは一見の価値ありだ。

この機能、ウインドウマネージャのようだがJava で書かれていると紹介されている。 Java でこんなことまでコントロールできるとは知らなかった。 結局はネイティブコード使いまくりのシステムなんだろうか。


GPS で…

www.gpsdrawing.comでは、GPSの軌跡で地上に絵を書いて楽しんでいる。

最近は日本のケータイにも付いたGPS。 もとはアメリカの軍事目的のプロジェクトが民間に開放されているのは有名な話だが現在は制度が10メートルの誤差という正確さのおかげで、カーナビゲーション以外にも利用価値が出てきているようだ。

アメリカでは最近になって新車に装備されているものが出てきたようだが、日本で多い、後で車にとりつけるようなタイプのカーナビはほんの少ししかない。 その代わり、Gamin社の製品のように、ハンディGPSと呼ばれるPDAのようなGPSデバイスが一般的だ。 そのため、GPSのトラッキング情報が利用しやすいため、軌跡で絵を描くようなアイデアもでてきたのだろう。

友人から教えてもらったジオキャッシングという遊びも面白そう。

ゲーム参加者が宝物を野外に隠す。位置座標が米国の専用サイに公表される。GPSを使って、その宝物を探し当てるのがジオキャッシングだ。世界190カ国に宝物が7万5300個あり、このうち約80個が日本のどこかに隠されている。

ジオキャッシングは Geocaching.com というサイトが総本山のようだ。 うちのZipコード(郵便番号) で検索をかけてみたら数マイル内という範囲に50以上のお宝が埋もれているという検索結果が出た。結構いっぱいあって驚き。 でもGPS持ってない。

隠されているお宝は大したものではないようだが、世界中の人が探しているかと思うと何だかワクワクしてきそうだ。


スキージャンプ ペア DVD化

1組のスキー板を2人同時に装着し、シャンテを舞う、スキージャンプ競技の新種目「スキージャンプ・ペア」。その飛距離に加えジャンパーの空中姿勢の美しさ、オリジナリティにも重点を置いた苛酷かつ崇高な競技(現在は男子種目のみ)。

驚いた。 以前紹介したスキージャンプペアの競技映像がDVD化され、発売されたらしい。

ありえないはずの映像がリアルに目の前で展開され、真剣そうにムチャクチャな内容を語る解説と実況のコンビが秀逸だったスキージャンプペアの映像。 オリジナルに加え、ニューイヤーエキシビションや新技テスト飛行といった番外編も製作されどれも最高に楽しめた。 以前発信していたデジタルクリエイターズのサイトも4月以降は配信しなくなり、(公式には)オンライン上ではもう見られない伝説の映像なだけに、まだ見ていなかった人にはいいチャンスだろう。

特に見たことのない人にはオススメしたいDVDだけど、まだ自分で買って見るかどうかわからないのでコンピュータのカテゴリで。 ネットで流れていたものと何が違うかをもっとアピールしてもらえると買う人も増えただろうにと思っている。 アマゾンでは通常版を扱っているようなので、この機会にどうぞ。

cover cover

Goo で Google 検索

gooの独自調査によると、全検索回数のうち約12%に日本語独特の表記ゆれが発生しているという。現状、Googleの検索エンジンでは「コンピュータ」と「コンピューター」のような音引きの有無などは補正されているが、それ以外の「引越し」と「引越」などは別々の検索結果が表示される。gooではこの点に注目し、独自開発の「表記ゆれ自動補正機能」を搭載することにより、検索時に「引越し」と入力した場合、「引越」や「引っ越し」も“or検索”して検索結果としてあわせて表示する仕組みになっている。これにより、キーワードによっては数倍の検索結果が表示されるという。

Google が出現するまではオレのメイン検索エンジンだった Goo。

しばらくは独自エンジンでがんばっていたが最近は ラインセンスを受けて Google のエンジンを使っていた。 最近はどこのポータルサイトも検索エンジンは Google というのが多いようだが、Goo はその上にひとつ皮を被せることで差別化をしているようだ。

Gooがやろうとしていることは英語でいうスペルチェッカに近いもの。 入力された検索ワードが微妙に間違っていた場合でも、自前で用意した情報からコレと思うものを類推し、自動的に検索ワードを追加してくれる。 あったらいいなと思う機能が実装されていて、Google の検索結果は必要でも Google のページから検索しなくてもいいと思ってしまった。 これがポータルサイトとして自社のサイトに囲い込もうとする差別化なのかと今さらながら気づかせてくれた。 こんな人がここにいるだけでも今回の機能拡張は成功だったのではないだろうか。

さしあたって、 Google Deskbar に Goo を登録をしよう(笑)。 Goo にもこの前紹介したウチのリダイレクトサービスが有効だ。

  • Goo
    http://google.andore.com/?url=http://search.goo.ne.jp/web.jsp?MT={1}
  • 教えて! Goo (人力検索, はてな?と同じようなものだが質問が細かくカテゴリに分けられていてこっちの方が探しやすい)
    http://google.andore.com/?enc=euc-jp&url=http://oshiete1.goo.ne.jp/goo_search.php3?dummy=%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB&kw={1}

そして、Goo のような仕組みに気付いたことで 自分でも Google のSDKを使って新しい検索サービスが提供できそうな気がしてきた。 今後のネタにできるかもしれない。


BlogPeople とリンク管理

ブログピープルは、blogサイトの記事更新を通知をするサービスです。
使い方は簡単。まずは仲間同士で無料会員登録して、リンク集を生成してください。リンク先blogサイトの最新更新状況をいち早くお知らせします。

今日から右側にあるリンクの管理をBlogPeopleのもの使うようにした。
このサービスはBlog 構築ツールのPing機能(更新されたことを通知する機能)を利用して、リンクの更新管理を行なってくれる。 そして、リンクを貼られている数の順にサイトを並べることで、現在のBlogのトレンドや有用なサイトがわかるようになっている。

このサイトもしばらく前からサイトの登録を行ない、更新時にはPingを送るようにしていたが、 友人のサイトはBlogではなかったこともあって リンク機能は使っていなかった。 しかし、よく読んでみたら BlogPeopleのリンク機能は Blog 以外のサイトにも使えることがわかったのでリストを作ってみた。 リストは更新順に並ぶのだが、BlogPeople にサイトを登録すれば、MovableType のツールを使っている人は更新通知の設定を、Blogツールを使ってない人も Bookmarklet を使えば更新を通知することが可能だ。

リンク管理といえば、以前紹介した はてなアンテナ。 今でもポータルのように使っている。 はてなアンテナはサーバが全てのサイトの更新チェックを行うのに対し、BlogPeople では通知された情報をもとに更新情報を管理するというしくみの違いがある。 はてなアンテナはサイト数が増えつづけることで負荷が増える一方だろうし、BlogPeople は Blog 以外のサイトへの展開が難しいことから、どちらも一長一短だ。 ユーザにとっても区別して使わなければいけないのはメンドウなので、できれば次のステップではこういった2つのサービスが融合されていって欲しいと思う。


録画サーバは著作権違反?

分譲マンションのチラシを見たら、以下のようなサービスが目に飛び込んできました。
* 一週間先のテレビ番組表から録画したい番組をワンクリックで録画可能
* なんと一週間丸ごと1176時間分の録画も可能!
つまり、地上波7ch全部をまるごと録画するサーバがマンション内にあり、そこに住んでいる人は好きなときに番組を見られるというサービスのようです

以前紹介した録画サービスの変種のようだ。 業者が録画機材を用意して、マンションのサービスとして提供しようとしているのが録画ネット日本語.tv とは違うところか。

興味深いのはコメント内で展開されている、「録画代行は法律違反」というスレッド。 こういった録画サーバを提供するサービスそのものが著作権に違反しているんじゃないかというものなんだけど、争点がここにうまくまとめられてると思う。

1、携帯電話から自宅の自分のビデオに録画予約を入れるのは当然OK
2、自宅に電話して家族に録画予約を入れてもらうのはOK/NG?
3、友達に電話して友達のビデオで録画してもらうのはOK/NG?
4、Webサイトにアクセスして企業名義の機材を使って録画をしてもらうことはOK/NG?
4番目、それが有料サービスと無料サービスで扱いがことなる?
4番目、機材は物理的に私専用のものの場合と、全員で共有のものを時間貸しの場合で状況が変わる?

確かに、1 はOKそうだ。 2,3 に関しても個人的な利用の範囲になりそう(法律的な根拠はないが…)。 しかし、4はほんとどっちだかわからない。 個人的にはデバイスが個人所有でない限りは、たとえ自分で予約行為をしたものでも、無料だとしても誰かが録った番組を貸し出すような形になるためNGだと思うんだけど皆さんはどうだろうか? (けど、こうなると友人間の貸し借りもダメな気も…。)

そういう意味で、録画ネットや日本語tv のサービスは4. ではなく、1.のアレンジという形だと思う(繰り返すようだけど法的根拠は全然ない。 あくまでそう思うだけ)。 業者側もそのつもりなのだろう。 上で引用したコメントの著者はコストを回収できないと書いているが、どうなのだろう。 PCの価格の下落と、アメリカという特殊な環境が個人所有のPCを実現させているのだろうか? 話はズレるが、こちらも興味深いところだ。

法律の知識はないのでここで著作権法の改正が必要だとかは書かない。 ただ、この録画サーバのサービスがほんとに実現されるか、そしてサービスを続けていけるかどうか、今後も注目していきたい。


金払ってまで地上デジタルを見たいですか?

東京放送(TBS)と博報堂は11月17日、一般ユーザーを対象にした地上デジタル放送の視聴意向調査の結果を発表した。「地上デジタル放送を見たい」としたユーザーは固定型TVで92.8%、携帯端末型TVで74.4%に上り、「地上デジタル放送の視聴意向は潜在的には絶大」としている。

こんなニュースが出ていいんだろうか。

聞きかたがマズいでしょ。 見たいですか? 見たくないですか? と聞かれればほとんどが見たいと答えるわけでその数字をそのまま結果として出したって何の意味もない。 この数字を基にデバイスメーカが生産計画を立てたらどうするつもりなのだろうか。 あ、 「潜在的には絶大」 という言葉が免罪符になるか(笑)。

地上デジタル放送(昔、地上波デジタルって言ってなかったっけ?) を見るためには、ほとんどの人が必要な機材を買うことが必要だ。 昔の VHS から S-VHS、CD から DVD-Audio/SACD へのシフトの歴史から考えても、今でもそこそこ満足してることにお金を払ってまでアップグレードするひとは少ない。

いずれ現在のテレビ放送は無くなると言っているが、それはテレビ局側の勝手な都合なわけで、地上デジタルの普及度が伸びないことできっと予定より延期せざるをえなくなる。 テレビの自然な買い換えで対応世帯は増えていくだろうが、それまで根気よく地上デジタルサービスを続けられるかどうかがこのサービスが生き残るカギになるのではないだろうか?

アメリカではサテライトが少し前からデジタル放送だったと思う(以前契約していた DirecTV では雪が降るシーンなどで ブロックノイズが出ていたので)。 各ケーブルテレビ会社もチューナをレンタル制にしたり、テレビ番組表の配信、Parental Control(ヤバい番組を子供に見せない)といった差別化をしてデジタル契約への移行を促している。 アンテナ立てて見られるテレビ番組は依然としてアナログだが、CNNやMTVといったチャンネルは見られない。 こういった地上波にはないコンテンツを擁することで「テレビを見る=どこかと契約する」というしくみができあがっているため、その契約がアナログからデジタルに変わっているという感じだ。

移行するに足る魅力が日本の地上デジタルには欠けているのではないだろうか。