Month: March 2004

カリフォルニア 25セント記念硬貨のデザイン決まる

Gov. Arnold Schwarzenegger unveiled the design of California’s new quarter Monday, which shows conservationist John Muir, a California condor and Yosemite National Park’s Half Dome mountain on the coin’s tails side.
(アーノルドシュワルツェネガー州知事は月曜日、 自然保護論者のジョン ミュールとカリフォルニア コンドル、それにヨセミテ国立公園のハーフドームがコインの裏側に描かれている。カリフォルニアの新25セント硬貨のデザインを公開した。)

アメリカの造幣局が1998年から2008年までの10年間に各州から、それぞれの州の特色をもった25セント硬貨(クォーター) を発行するという 50 State Quarters Program の一環として、カリフォルニア州の順番が来た。

当初は Hollywood サイン (L.A. の山の中腹にかかげられてるヤツ)とか、ゴールデンゲートブリッジになるかと言われていたが最終的には自然、環境というところで落ち着いたようだ。 シュワちゃんはデザイン決定に2ヶ月かけたという話だが、本人がエンターテイメント界出身なだけに、もうちょっと遊んだデザインでなかったのはちょっと残念。

この25セント硬貨、2005年の始めに5億枚以上発行されるそうだ。 普段使っていても他の州の記念硬貨はけっこう見かけるし、友人の中には集めている人もいる。 アメリカに遊びに来た人は、このコインを探してみるのもいいかも。


デジタル放送の価値

デジタル放送の普及とともに、著作権保護の仕組みも本格導入される。録画行為そのものには不自由はないとされるが、しかしわれわれの心の中には、なぜだか釈然としないものが残る。どうやら“取りためる”という行為には、より根源的な、人間の本能と言ったらいいような部分があるようなのだ。

昨日書いたコンテンツ配信と私有の関係を、4月から行われるデジタル放送のコピープロテクト技術という視点からうまくまとめている。

コピープロテクトというのは何かイヤだ。特にテレビ放送はもともとタダで見られ、タダで好きなだけ録画ができるものだっただけにその不自由さは気になる。最初、興味のあるものを私有化したいという気持ち(収集本能?)かなと思ったけど、集めたあとより、探して手に入れるまでの方を楽しんでると思うから、やっぱり狩猟本能の方が正しいのかな。

昨日の論理と合わせると、人々はこんなデジタル放送技術にお金を払わないぞ。 オレも払いたくないぞ(アメリカに住んでるから関係ないけど…)。 どうするデジタル放送。 7年後に無理矢理アナログ放送を打ち切って、移行させるつもりか?


デジタルの価値

それは『共有できるものには金を払おうとしない』という、人の消費に対する
態度である。人が財布を開くときの動機は変化しなかった。

日刊デジタルクリエイターズ(デジクリ) というメールマガジンをかれこれ2,3年ほど講読している。 クリエイターと呼ばれる人から見た視点から現在のコンピュータテクノロジーなどが語られることが多く、コンピュータ屋のオレから見るとハッとすることや、新な発見をすることが多い。

上に紹介した記事(電子出版社は可能か)も、始めて読んだときハッとさせられた。
出てきては何度も失敗するコンテンツ配信サービス。 デジタルなデータは勝手にコピーされては困るのでプロテクトをかける = 購入者は私有できない。 という図式で考えるとうまくいかない理由もわかる。

今のところうまくいっている iTunes Music Store は、同じ曲を共有できるマシンは3台までだが、CDに焼いてしまえば自由に扱うことができるという、プロテクトと私有のしくみをバランスよく提供できたのでうまくいったのだろう。同じ曲がネットのアンダーグラウンドでは共有されているという事実もあるが、それは音楽を私有する意識がまったく無い一部の人が行っている行為ではないだろうか。 裏を返せば、最近の音楽業界がいかに音楽を濫造し、価値を落してしまったかを表していると思う。

そして、次の言葉も的を得ていると思った。

見えないものや、
手に取れないものだがお金を支払うというケースは、労働の対価であることが
ほとんどだ。デザインや情報の内容・質自体には、どんどん値段が付かなくな
っている一方、労働には確かな値付けがなされるようになってきている。

これを読んで、最近のBlogブームのことが頭に浮かんだ。

MovableType を作っている Six Apart 社が Movable Type を無料で配布しつつも、それを一括してホスティングするサービス(Typepad)を有料で提供し、いろんな会社が提携しているのは、セットアップ、運営の労働に対する対価を払っているからだろう。 そして、ユーザは無料で配布しているツールを自分で準備する労働の代わりに、各ホスティング会社のサービスを利用する。 MovableType を有料にして売っていたらここまで早い展開はできなかったのではないだろうか。 オンラインでソフトウェアを売る方法というのが確実に変わってきていると思う。

デジクリの記事は、電子出版は可能かという命題を軸にして、あと2,3回続くようなので次回以降も楽しみだ。


Warriors vs Gilbert Arenas

Gilbert Arenas returned to Oakland on Friday night, an event expected to crackle with excitement. This was Arenas, after all, the dynamic point guard whose departure last summer created such torment in Warriors land.
(ギルバート アリナスが金曜の夜にオークランドに戻ってきた。 この試合は盛り上がると期待された。 昨年の夏、Warriors に痛手を残して旅立っていった、ダイナミックなプレイのポイントガード アリナスだからだ。)

昨年の Warriors の活躍の原動力だった Gilbert Arenas (ギルバート アリナス)。 結局オフに契約を更新せずに FA でWashington Wizards へと移籍した彼が Wizards の一員として Warriors と対戦するために オークランドへ戻ってきた。

残念ながらアリナスは今年、足の故障で試合に出ないことも多く、直前にも試合を欠場していたこともあった。 この日の Warriors の試合も先発で出場したが、精彩を欠き 4Q には出場しないという状態。

この試合、オレの家ではテレビ中継されなかったので具体的な様子はわからなかったが、オークランドのファンの反応はやはり冷たかったようだ。 アリナス本人はインタビューで残りたいけど、Warriors のフロントが残って欲しいという誠意を見せなかったので出ていったと再三コメントしていたがファンにとってはやはり結果だけを見てしまうので仕方のない話だろう。

The booing became more emphatic the first time Arenas dribbled downcourt. It grew after he launched his first shot — an airball from 25 feet not even two minutes into the game.
(ブーイングはアリナスがドリブルをはじめると大きくなった。 2分後に最初のシュート(25フィートの位置からのエアーボールだったが)を打つとまた大きくなった。)

NBA でよく言われるジンクスで、高額の契約をしたその年はあまり結果を残せないというのがある。 アリナスもそのジンクスにハマってしまったようだ。 Wizards との契約は6年。 来年は元気な姿でプレイしてくれることを期待したい。


イーバンク vs ライブドア

何やら穏やかならぬ雲行きである。新興のネット銀行、イーバンクの筆頭株主であるライブドアが、経営陣を相手に告訴、株主代表訴訟をちらつかせて圧力をかけている。蜜月だったはずの両社にいったい何があったのか。

少し前に脅迫めいた留守番電話が元で、明るみにでたイーバンクとライブドアの確執。 真実はともかく上のサイトに背景を含めいい感じにまとめられていたので紹介。

最近、コンピュータ以外の知識も身に付けなければと思い、簡単な経済本を読みだしている。 そんなオレからしてみるとこの争いになんだか日本経済の縮図を見た感じがした。

よく本に書いてあるのは、株式会社は株主の利益を第一に運営されるということ。 ところが日本の会社は株の持ち合いみたいなことがよく行われ、この原理に従って会社が運営されていない。 今回の件も、イーバンクは不透明な投資を行い、利益を出すことを最重要に考えていないのはオレが見ても明らか。 筆頭株主であるライブドアは少々強引な形だったかもしれないが改善を迫った。 ところが、イーバンクは逆ギレして、ライブドアを排除してこれまでの道を突き進もうとしているように見える。 なんか日本の経済が過去のしがらみにまきこまれ、本来すべきことを忘れてもがいているのと同じようだ。

第三者の目のダメ出しを真摯に受けとめる。 難しいこととは思うが、こういったことが今の日本の会社に必要なのではないだろうか。


チェーン店はそんなにいらない?

The amendments to the city’s planning code would ban all chain stores in a four-block area of Hayes Valley, require additional permit reviews in Cole Valley, and require chains to notify neighbors if they intend to raise golden arches in one of the city’s three-dozen commercial retail neighborhoods, including North Beach, Clement Street, the Castro and the Inner Sunset. The legislation would not affect Union Square or Fisherman’s Wharf.
(サンフランシスコ市が修正中の法律にはヘイズバレー(訳注: サンフランシスコ市内の1エリア)での4ブロック内のチェーンストアの禁止、コールバレーでの追加許可の申請、ノースビーチ、クレメントストリート、カストロ、インナーサンセット地区を含む、サンフランシスコ市内の36の商業地区に新しい店を開く場合、住民に知らせる義務が含まれる。 法律にはユニオンスクエアとフィッシャーマンズワーフは含まれない。)

先日、ゲイの結婚を認めて騒動を起こしたサンフランシスコで、また面白い法律ができようとしている。

地元のお店を守るために、スターバックスやマクドナルドといったチェーン店がいっぱい作られないようにするというものだ。 何をもってチェーンとするかは以下のように定めている。

Anything with more than 11 outlets nationally and two or more of the following standardized qualities: array of merchandise, facade, decor and color scheme, uniforms, signage and trademark.
(品揃え、外観、内装やカラーリング、ユニフォーム、看板、そしてトレードマークといった特徴うち2つ以上に合致し、11店舗以上を全国展開しているものをチェーンだと定めている。)

おもしろい。 改めて定義するとこういう感じになるんだ。

例えばサンフランシスコにスターバックスがどれくらいあるかと言うと、これくらい。

Google Local で San Francisco 内の Starbucks を検索した結果

地図の中心はサンフランシスコの市庁舎。 半径3kmぐらいのところに10店舗ほど、検索結果にはものすごい数のStarbucks がある。

アメリカでは事業の調子のいい時には、ちゃんと計画してるのかわからないぐらいものすごい数の店ができる。 知らない場所に行ったときは見つけるとホッとするこういったチェーン店だが、増えすぎるともともと地元にあったカフェなんかはあおりを受けることは明らか。 この法律はその辺を押さえようとする法律のようだ。

でも、絶対出店できないエリアは一部でそれ以外はメンドウだけど手続きをして認められれば大丈夫そうなのでこれぐらいの法律はあってもいいんじゃないかと。 スターバックスなんかはショッピングモール内に1軒あるのに、その中のスーパーマーケットの中にまたスターバックスがあったりする。 共倒れになってしまっては意味もないので、ここらでスローダウンしてもらってはどうだろうか。


NTTグループ の ネーミングセンス

 それにしても、近年のNTTグループの皆様のネーミングセンスは凄すぎる。トラックバックをかけた人の地域を解析して日本地図にするというのはいいとして(サービスが有効かどうかは別として)、そのサービスを名づけて「日本沈没地図」。沈没さすなよ。どこぞのSF小説か。他に言いようはなかったのか。誰にも止められなかったのか。

開発途中版が流出ってとこなんだろうか。 よく知らない開発者がここに置いたので見てくださいって深く考えずに公開しちゃったんだろうなぁ。 この件は第三者には実害はないから、そんなに問題にはならないだろうけど、社内ではちょっとした騒ぎになってるだろうなぁ。

で、同感するのは、事故の話じゃなくて NTTグループのネーミングセンスの悪さ。 ドブログしかり、日本沈没地図しかり。 そういえば、香典(CoDen)もNTTコミュニケーションズだ。 わざとネガティブイメージのネーミングやデザインにして、何でもいいから名前を売ろうとしてるとしか思えない。

このルーツとなるのはテレホーダイとかドッチーモとか、ドニーチョとかってベタなネーミングだろうか、このベタさをヘンな方向にひとひねりすると最近のNTTのネーミングセンスになりそう。

NTT は狙っているターゲットが広いため、ベタでもわかりやすいネーミングを狙うのはわかるが、たまには使う側の気持ちにもなって、少なくとも口に出して恥かしくなるようなネーミングだけはやめてもらいたい。


トーニャハーディング 試合前に逃亡

Harding withdraws: Showing she still knows how to skate even if it is no longer on the ice, Tonya Harding abruptly withdrew from her boxing match scheduled for Saturday night at the Oakland Arena against Blanca Hilder.
(ハーディング棄権: 彼女は氷の上でなくてもスケートの滑り方を知ってることを示した (訳注: skate on the ice でヤバいことをするという意味がある)、 トーニャハーディングは土曜日の夜に Oakland Arena で Blanca Hilder とのボクシングの試合を突然中止した。)

先日紹介したトーニャハーティングのボクシングの試合。

結果はどうなったかと見てみたらなんと、試合前に棄権ということで試合しなかったそうだ。 しかも当日の午後4時にその話を伝えたということで、観客もブーイングの嵐だったそうな。 お騒がせなのは相変らずなのだろうか。

こちらの朝のニュースでは、トーニャハーディングは電話で、殺されるという脅しを受けていたため試合をキャンセルして逃げたという話だった。 もちろん、プロモーターは信じていないようで、訴えると息巻いている。 San Francisco Chronicle にも次のような記事があった。

Why Harding wasn’t in bout Manager cites death threats, skills of foe
(ハーディングはなぜ試合をしなかったのか? 死の脅迫? それとも敵が強かったから?)

もし、3日前のうちのエントリを見て観に行ってしまった人、ごめんなさい。 オレもそんな予想つかなかった。


アメリカの新聞

新聞といえば、ウチでは、しばらく前からSan Francisco Chronicle という新聞を取りはじめた。 理由は1年間講読で$130 のところ、$9.99 ($120引き!)になるという破格のダイレクトメールを受けとったことと、折込チラシや新聞内の広告に付いてくる割り引きクーポンが結構使えるということを人から聞いたからだった。

折込チラシだが、アメリカの新聞は日曜日の新聞が特別扱いされ、その日だけチラシがいっぱい入るよういなっている。 そのため、新聞の日曜版は普段の2,3倍の値段で、新聞講読でも日曜版だけという選択もできるようになっている。 で、この写真が昨日の日曜版に付いてきたチラシたち。 新聞そのものにも負けないぐらいいっぱいのチラシが付いてくる。 アメリカのチラシの特徴としては1枚の紙というわけじゃなく、パンフレットのような形式になっている (写真はクリックで拡大)。

新聞そのものは、日本と違ってスポーツ、一般、生活、そしてクラシファイド(ちょっとした広告、売ります、買います、などがいっぱい付いたモノ)といったカテゴリに分けられて、それぞれ数ページの小さな新聞としてまとめられている。 これで $9.99 は異常にしても、年間 $130 (1ヶ月あたり 約$11) でも、日本とくらべて結構安い。

考えるに、アメリカの新聞はすでに講読料収入を中心に考えず、Webサイトでのページビューや発行部数を増やして、そこへ配信する広告、クラシファイドで収益を得ようとしているのではないだろうか。

そういえば、 1,2年前、San Francisco Examiner という新聞が、有料から無料になった。 有料だった新聞が無料になるということで個人的には驚いたが、以前紹介した日本人コミュニティ向けにベイスポのようなフリーペーパーが存在するこのあたりでは、有料紙でも広告収入をメインにすることも可能なのだろう。 アメリカの新聞はもう次へ動きだしてる(昔からそうだったのかも?)。 日本の新聞社もうかうかしてられない。


新聞紙の将来

大日本印刷は3月15日、Webサイト上で、スーパーなどの広告を地域ごとに閲覧できるサービス「オリコミーオ!」の利用可能地域に、名古屋市内とその近郊を追加した。また、同サービスをASP形式で提供するサービスも本格始動する。

折込チラシといったら、インターネット全盛の今でも地元の情報を得るためのいい情報源だろう。 新聞記事はオンラインでも読めるので、新聞そのものより折込チラシが目当てで新聞をとっている人もいるのではないだろうか。

そんな新聞業界の聖域だった折込チラシにもインターネットが入りこんできた。 愛知県にあるうちの実家もサービスの範囲に入っていたが、まだほとんど広告が表示されない。 仕組みができたばっかりで、どれくらいの人が見るかわからないので広告も集めにくいので仕方がないと思うが、広告を表示する側も、出す側もそんなに手間がかからないことから、これからはこういった仕組みが一般的になっていきそうな気がする。

そうなると、今まで、折込チラシを見るために講読していた人たちがいなくなるわけで、新聞社は危機感を持っているのだろうか? もちろん、インターネットを使わない人も多いのでこの流れは急には進まないだろうが、オレたちのような世代が増えてくるにつれて新聞社はつらくなるだろう(すでに、今でも変化の兆しは現れてると思うが…)。

なのに、新聞社のWebサイトはディープリンク禁止だの、引用するなだの、インターネットはみんなやってるからうちもやってるといった噂があるように、どうも本腰を入れてるように見えない。 インターネットの折込広告と合わせて定期購読のような仕組みを提供して囲い込むようにするとか、もっと人を集めて、広告収入を上げるようにするとか、講読料に頼らない収支体制を今のうちから作っていかないと大変なことになってしまわないのだろうか。