Month: January 2005

Macworld Expo SF 2005 観覧記 その5 – その他気になったモノ編

観戦記の最後。 その他気になったモノなどです。

左の写真では何かかわからないかもしれないけど、equinux というメーカから発売されている iSale というソフトのデモの様子。 Apple の iLife アプリケーションに似たインタフェースで、何と eBay で簡単に出品して、モノを売ることができるというソフト。 eBay はアメリカでは Yahoo! オークションを抑えて、シェアナンバーワンのオンラインオークションサイト。 オレもセリ落したことはあるが、出品するのはメンドウそうでしたことがない。 「iSale はそんな人のためのソフトです」と言われて妙に納得してしまった。

コンピュータ系の出版社として有名な O’Reilly のブースで Hotwired でも紹介された、『シリコンバレーでの革命:マック開発をめぐるとんでもなく素晴らしい物語』(Revolution in the Valley: The Insanely Great Story of How the Mac Was Made) を発見。 買おうかと思っていた本だったので、ペラペラとめくっていたら店員が、声をかけてきた。
「1時から著者の講演があるわよ」
「え、アンディ ハーツフェルドが来てるの?」 とオレが聞くと
「ほら、そこに」 とふりかえると彼の姿が。


アンディ ハーツフェルド(左)

もうびっくり。 というわけで、本を即買いしてサインもらっちゃいました。 忙しいなかサインをせまる購入者(オレもその一人)にニコニコしながらサインをしてくれた彼に感謝です。

6メガピクセル、動画も音声も撮れて、MP3も聴けてなんと $269 とおっちゃんの威勢よい客引きに人が集まっていたのがココ。 Supercam という、先日のCESでアメリカ販売を開始した製品のようだ。 たしかに値段は魅力的で衝動買いしちゃいそうなんだけど、説明をよくよく聞いてみると撮れるビデオは DVD画質相当の MPEG4 AVI, 音声も WAV ファイルとめちゃめちゃWindows寄り。Macworld Expo だけど大丈夫なんだろうか? しかも、このあと $699 で全米発売予定とあおっていたが、オンラインでも $269 で売ってるし…。

個人的に今年一番ウケたのはこの製品。
ilugger.com が販売している、液晶一体型 iMac G5 を持ち歩くためのカバン iMac Bag だ。 昔 SE30 とか運ぶカバンとかあったなぁと懐しみながら、この人たちは Mac mini をどう思うんだろうなどと考えてみたり…。

Apple 元気だと客も元気で、会場もいい雰囲気だった気がする。 iPod を持っていない自分にとっては昨年は Apple にがっかりさせられたことが多かったが、今年は面白い年になりそうだ。 そして、来年はどうなっているんだろうか?


Macworld Expo SF 2005 観覧記 その4 – どこでもiPod編

今年は Mac mini のおかげでコンピュータとしての Apple が復活してきたような感じだが、会場の主流は昨年の爆発的な人気を受けて iPod に関連したものが目立った。 iPod に取り付けて、ミニステレオみたくするスピーカはもういたるところに、さらにこんなところでも聞けるような仕組みも…。

家の中

車の中

水の中

もうどこでも iPod 。 家の中で使うための iPort という製品は、壁に iPod をセットするような部分を作って、壁にスピーカやコントローラを仕込むなんて、家のリフォームとかも Do it yourself で自分でやってしまうアメリカならではの製品じゃないだろうか。

水の中で使うためのケースは Lili pod / Lili mini という製品で、防水加工+アンチショック用のケースになっている。 ヘッドフォンは大丈夫かと思ったら、別のメーカから Water Resist のモノが出ているのでそれを使えば OK とのこと。 そんなヘッドフォンを売ってるとは知らなかったのでちょっとびっくり。 ダイバーはこういうので音楽聞きながらダイビングするのでしょうか?

車は基調講演でもいろんな車メーカが対応していくと発表があったようにとてもにぎやか。

特にメルセデスは、ハンドルにコントローラが付くのはもちろん、インパネに曲名が表示されるといった小技に感動。

メーカ純正で対応されない場合でも、Dension というところから車載キットが展示されていた。

これまでLPからCDへ、もしくはカセットからMDへという変遷を目にしてきたが、いままさに次の変遷を目の当たりにしているのかもしれない。


Macworld Expo SF 2005 観覧記 その3 – Mac OS X 編

昨年、初めて Mac OS X 10.4 (Tiger) の全容が公開されたときに書いたエントリで、新機能にあまり魅力がなくこのままでは Mac OS がどんどん陳腐化してしまうことを心配した。 それから約半年後、質問をしながら実際に動いているのを見て少し意見が変わってきた。 まだ問題もないわけではないが、Apple は少しでも OS を良くしていこうと努力しているのが感じとれたのだ。

今回、とくにグッときたのは以下の技術:

Spotlight
Google, Yahoo!, MSN などが覇権を争っているデスクトップ検索の分野に対する Apple のソリューションとして Tiger に導入されるのが Spotlight という機能。 メニューバー付近にある検索窓に文字を入力すると検索結果が表示されていくデモが印象的だが、オレはむしろ検索したあとの表示の仕方に興味を覚えた。

検索結果の表示方法の一つが下のスクリーンショット。 検索結果を種類ごとや、日付け、作成者に応じてグルーピングをする機能、Home 以下にあるファイルのみ、サーバ上にあるファイルのみといったフィルタリングの機能が用意されている(あまりキレイに撮れなかったので必要ならAppleサイト内のムービーも参照して欲しい)。 検索は一度でズバリ見つかることは少ないので、はじめは大まかに、そのあと絞りこみをして見つけるというスタイルが多くなると思う。 そういったところをちゃんとカバーしているところに好感をもった。ちなみに、Safari RSS も RSS の表示に同様のフィルタリングができた。

そして、検索、フィルタ、グルーピングの状態を特殊なフォルダとして保存しておけるので、次からはそのフォルダを開くことで関係したファイルが自動的に表示することができる。 これはユーザのファイル管理の方法を大きく変えるかもしれない。 デスクトップ検索の機能はまだ Google Desktop Search しか使ったことがないが、こういった機能は Google Desktop Search にはなく、OSに組みこまれた機能ならではというところだろうか。


Spotlight の検索結果管理画面

この技術の唯一かつ最大の弱点は Apple が標準でサポートしているフォーマット以外をSpotlightの検索対象にしようと思った場合はインポーターと呼ばれるライブラリ(API?)を3rd Party が用意しなければならないこと(Palm OSみたいだ)。 Apple のがんばりとは関係なく、こういった新技術のサポートはなかなか進まないのが一般的なので、そこに不安が残る。 ただ、 HTML/PDF/DOC/XSL あたりは最初からサポートされるようなので(DOC/XSL は説明員も「たしか…」とちょっと怪しかったが)、多くの人には問題ないかもしれない。

Automator
先日の基調講演では省略されたが、オレが気になっていたのが Automator という機能。 Apple は以前から作業の自動化のために AppleScript というテクノロジを用意していたが、本格的に動かすためには簡単なプログラミング言語を覚える必要があったためイマイチ普及しなかった。

Automator はその欠点を克服すべく開発されたようで、ワークフローと呼ばれる自動化作業を作成する画面がとても面白い。 対応するアプリーケーションを選び、そのアプリケーションが持つアクションを選び、そのオプションを指定するという作業を繰り返していく。 プログラミング的な要素は極力排除され、作業を順に並べるような形で編集する様子はとてもストレートだ。 プログラマーからするとオブジェクト指向とはコレ! という感じだし、実はこのワークフローの作成の流れは英語の文法に沿っているのも興味深い。 (このムービーの場合、Safari gets image URLs from website. Safari downloads these URLs into Picture folder. Finder creates archive of them as wedding_photos.zip. と英語にすることができる。)

ここで、また問題なのだが説明員は Automator は AppleScript とも別のテクノロジで、対応するためには、またも 3rd Party の対応が必要となると言っていた (Webサイトの情報ではAppleScript でアクションを追加できると書いてあるが…)。 こちらもどれくらい対応されるか気になるところだ。 そして、上で褒めたワークフローの作成にも問題はある。 それはやりたいと思ったタスクを細かく分解する思考だ。 たとえば、このページの「画像を全部保存して zip したい」という目標に対し、ワークフローでは「画像URLの抽出」、「抽出したURLのダウンロード」、「ファイルのzip」 というさらに細かい3つのタスクに分解しなければならない。 これは目には見えないがプログラミングに必要とされる重要な技術で慣れない人には大変かもしれない。

Dashboard
もう基調講演などでやっている通り、カレンダーや時計など、ちょっと見たいときにこういうのがあるととても便利。 ウィジットと呼ばれるパーツを裏返すと設定画面が出てくるところなんかはちょっと Project Looking Glass っぽい。 HTML/JavaScript で書かれていて、サイズも小さくメモリもそんなに消費しないと言っていたがほんとうだろうか?

さて、このTiger。 オレのような2,3年前にMacを買ったユーザにとってみるとアップグレードをしてスピードが遅くなるのではという心配がある。 そこで、説明員に「Tiger は Panther や Jaguar と比べて早い?」 と聞くと 「Way faster (ずっと早い)」 という回答が返ってきた。 自分のは一番初期の Flat Panel iMac だけどそれでも? と聞いても 「yes (そうだ)」という自信満々の回答。 別の説明員に聞いても、「ベンチマークテストでは遅くなる部分もあるかもしれないが、オーバーオールでは早くなる」という答えが。 これは期待できるか?

ただ、そのあと、Apple は常にパフォーマンスを意識した製品作りをしているとか、画面に表示されるエフェクトはグラフィックカードにやらせるからCPUは余裕があるという答が二人から返ってきたので、この辺の回答はマニュアル化されているだけなのかもしれない。

Mac OS X 10.4 Tiger は 2005年前半の発売予定(ということは6月だろう)。 成功するか失敗するかは Apple ではなく、3rd Party やユーザが実際使ってみることで决まりそうだ。 みなさんはどんな印象?


Macworld Expo SF 2005 観覧記 その2 – iPod Shuffle 編

展示場に入り、Apple ブースへ向かうとまず迎えてくれるのが上からぶらさげられたたくさんの iPod Shuffle。 ただ少し高い位置にあったので、身長175cmのオレでも操作しづらかった。

手に持ってみるとこんな感じ。 小さいと言えば小さいが、基調講演やウェブサイトで小さい小さいと言われていたので、実物を見ると「あれ、意外に横幅がある」と感じたのが第一印象だ。 しかし、触ってみると、再生、一時停止ボタンとその周りのコントローラが指で認識でき、確実に操作できたので、これぐらいの横幅は必要なのだろう。 ただ、再生ボタンやスキップを押してもレスポンスが悪かったと感じたのだが気のせいだろうか…。


iBook の USB ポートに挿したときの写真。 意外に大きく見えたのはオレだけ?

さて、今年のAppleブースの係員のユニフォームは iPod Shuffle のTシャツ。
背中には写真のような文章が書かれていた。 Shuffle のコンセプトや重要性を売り込もうとがんばっているのだろうか。 うがった見方をすれば Apple としても Shuffle が一般の人に受け入れられるか心配なのかもしれない。

日本語にするとこんな感じ。

なぜ シャッフル?
ときにはいろいろ混ぜ合わせてみた方がいいときがある。 iPod shuffle を使うことで、あなたの音楽は二度と同じものにはならない。 iPod shuffle はどうやってプレイする曲を見つける? あなたの心を読む? それともあなたの今のムードを読む? 曲をロード。 身につけ。 どうなるか見てみよう。
240曲、100万のいろんな再生方法

Apple はシャッフルばかりを宣伝しているが、新しく買ったCDはそのまま聴きたいといった場合もある。 そういう場合にも対応しているのか疑問だったが、Apple ブースのプレゼンテーションで紹介されていた。

iTunes の Autofill (オートフィル) の機能はそのもととなるプレイリストを選ぶことができる。 iPod Shuffle へ入れたい曲を限定したい場合は、その曲だけを含んだプレイリストを作成し、Autofill のソースに選択すればOK。 (その右にある Choose Songs Randomely も外しておく必要もあるだろう)

iPod の登場のおかげで、自分がもっている全ての曲を持ち歩き好きなときに、好きな曲を聴くことができるようになったが、 iPod Shuffle はドライブや、通学、出勤前などに今日はどんな曲を聴こうかとカセットやCD, MDを選ぶ、もしくは iTunes で曲を選んで CD に焼いて聞くというこれまでにもあった楽しみもそのままに、シャッフルという新たな音楽の楽しみ方をもたらしてくれるという感じだ。 iPod までとはいかないが、ウォークマンの代わりにというようなデジタル音楽初心者にはもってこいのデバイスではないだろうか。


Macworld Expo SF 2005 観覧記 その1 – 会場、Mac mini 編

昨年に引きつづきブログにて Macworld Expo 観戦記 (写真はクリックで拡大)。 今年は基調講演にておもしろそうな新製品がたくさん発表されたこともあり、期待して会場へ。 先週からずっと雨が続いていたが晴天に恵まれたのはよかった。

昨年は会場が狭くなったと書いたが、今年はさらに狭くなった。

Macworld Expo は例年、ノースホールとサウスホールの2ホールを使って行われていたが、今年はノースホールには展示がなくなって食事スペースに(笑)。 ま、2つのホールに分けて空きスペースがいっぱいあるより1ホールにまとめてくれる方が見に行く側としてはラクでいいんだけど、午前中にサウスホールをまわり、さぁ午後はノースホールと思って行ってみたら拍子抜けだった…。

さて、注目のMac mini。 やはり小ささが目立つ。 Apple シネマディスプレイ、純正キーボードと組み合わせた状態はこんな感じ。 Apple ブースなだけに、Appleのアクセサリで統一したのだろうが、Mac mini のコンセプトであるすでにPCで使っているキーボードやマウスも使えるといったところもデモして欲しかった。


こうやって接続した様子を見ると、ACアダプタがちょっと邪魔な感じ。

オレの手と比較。 ほんとに小さく、まわりの見物客からも「Cool!」(かっこいい)という声が連発。

アルミを使った外観は$499とは思えない質感。

これだけ小さいと本体が熱くならないか心配だったが、ひととおりさわってみても特に熱いと感じたところはなかった。 Apple の Mac mini ページ – デザインにもあるようにファンを搭載している。 会場ではどれくらいファンの音がするかわからなくて、Apple の係員に聞いてみたが「静か」というだけで具体的なデシベル数までは聞けなかった。


底から少し上のところに吸気口があり

ファンを介して裏側から排気されているようだ。 ついでに接続されているケーブルの様子もどうぞ。

展示されていたのは G4 1.42GHz, メモリも1GB積んだ Mac mini の最上位のモデル。

Mac の主流は G5 へと移行しているが、G4 でもメモリがたくさんあるためか思った以上に快適。 最新の iLife ’05, iWork ’05 もサクサク動いていた。 Mac mini は外側からネジとか見えないので自分で増設というのが大変そう。 メモリのアップグレードは購入時にやったほうが良さそうだ。

あと、使ってみて驚いたのは、Mac mini の中にスピーカも組みこまれていること。もちろん、音はこもった感じでお世辞にもいい音とは言えないが買ってすぐにスピーカを用意しなくても最低限の音は期待できる。

というわけで、Mac mini 。 やはりこのコンパクトさと静かさはホームサーバとして良さそう。 来年には Mac mini をサーバにして、家庭用アプリケーションというような新しいジャンルのソフトとか出てきそうだ。

おまけ、ブースの横に立っていた Mac mini を持つ Apple の係員。 ペットボトルと比べるとこんな感じです。


ほんとにでた $500 Mac

Macworld Expo SF 2005 が始まった。 今年はいろんな製品の発表が予想されたが、その中にこの前出ないと予想していた $500 Mac があって驚いた。

iPod に iPod Mini があるなら Mac に ミニバージョンがあってもいいじゃないか。 ということで Mac mini と名付けられたこの$500 Mac のラインナップは次の2種類。

G4 1.25GHz, 256MB メモリ、 40GB HD で $499
G4 1.42GHz, 256MB メモリ、 80GB HD で $599

16.5cm四方 x 5cm高さの直方体で重さはデスクトップなのに 1.3kg ととっても「ミニ」だ。 G4 Cube をさらにコンパクトにして再登場させたという感じかもしれない。 見た目はリーク写真と同じではなかったが、けっこう似ている。 ただホームサーバとなるための特別な機能をもっているわけではなく普通のMacだ。

けど質感やコンパクトさなど、リーク写真をはるかに上回る出来栄えではないだろうか。 キーボードもマウスも入っていないため、パッケージもものすごく小さく、買ってすぐ持って帰れそうなお手軽感もいい。値段を下げているところをこういう形でメリットにしてしまうとはおそるべし Apple。 ここまで形に特徴があると $500 Mac 否定派だったオレとしても、いい意味で期待を裏切られたという感じがしてうれしい。

この Mac mini。本体以外はWindowsのモノでも使えるようにしたことからも、Mac を使ってみたかったけど高いからと思って控えていた人というのがターゲットのようだが、 既存のユーザでも Tiger へのアップグレード ($130ぐらい) と iLife ’05 のアップグレード ($80ぐらい) で $210 払うことを考えると、Tiger の発売まで待って $499 で新しいソフトと 新しいハードウェアが手に入るならそれもアリと考える人も出てきそうだ。

価格面では、最近アメリカでは eMachines(Gateway) や Compaq のデスクトップPCが $299 という値段で売られたりしているので、ずば抜けて安いというわけではないが、あの形と値段の絶妙さでこういった安売りPCにも対抗できそうな気がする。

また、オレのようにMacをお手軽サーバのように使っていた人にももってこいではないだろうか。 コンパクトで静かそうだし、Unixベースなのに運用は比較的簡単というメリットもある。 テレビに繋ぐアダプタもあるので、その気になれば Mac にビデオキャプチャボックスを繋げてハードディスクレコーダ、ビデオサーバとしても使えそうだし。 まだ、決め手に欠ける気もするがリビング進出の様子見としていいマシンになるかもしれない。

というわけで、明日会場へ見に行ってきます。 またレポート書くと思うのでお楽しみに。


Newton エミュレータ

随分前に Apple から見放されたが、オレはいまだに、これまででイチバンのPDAだと思う Newton デバイス。 Newton テクノロジーがエミュレータで復活 で紹介したエミュレータの開発途中版が公開された。 開発サイトはこちら

そして、うちの iMac (15′ Flat Panel, G4 700MHz, Mac OS X 10.2) で動かしてみた。 ROMを吸い上げる必要があったので久々に Mac OS 9 にして、Newton との通信とかをセットアップしたらなつかしかった…。

その結果。 ジャーン。


(画面はクリックで拡大する)

もう感動ですよ。

もう3年ほど前のMac なのでCPUパワーがたりないためか、Mac OS X が 10.2 で X11 のソフトが古いためかわからないが、ペンイベント(特に、ペンの移動)をうまく拾わなかったり、音が途切れ途切れになってしまうといった問題は発生したが、画面は問題なく表示され、ボタンを押すといったことはできた。

このエミュレータはPOSIX準拠のコードで書かれていて、グラフィックまわりは X Window を使っている。 つまり、Linux PDA と呼ばれている現在の PDA 上でこのエミュレータを動かすことで新しい Newton デバイスを作りだすことが可能になるわけだ。 そして、このエミュレータの開発によって、これまでわからなかった Newton デバイスの内部仕様も解析でき、新たなハードウェア用のドライバの開発なども進めることができる。 エミュレータはまだまだプレビュー版だが、この初期段階の出来からするともの凄く期待できそうだ。

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生クリスマスツリーの末路

昨年のエントリ「クリスマスツリーはやっぱり生木?」 で書いたようにアメリカでは、毎年生の木を買ってクリスマスツリーにしているところが多い。

ということは…、

毎年クリスマスが終わり、新年が明けると下の写真のように飾りをはずされたクリスマスツリーが道に置かれ、ゴミ回収車に回収されていくのです。 しかも、そのクリスマスツリー回収車はなんと粉砕機が付いていて、その場でクリスマスツリーを粉々に砕きながら…。 残念ながら砕いているところを写真におさめることはできなかったけど、数年前に偶然見かけたときには何だかショックだった。

tree.jpg

日本では正月飾りなど片付けるときに、どんと焼き (Wikipedia – 地方によって呼び方は違うらしい)といった風習があるのと比べると、イベントが終わったあとのこのドライさはちょっと寂しい。

ただ、アメリカでも地方によってはそういった風習もあるのかもしれない。 ご存知の方はコメントに書いてもらえたら助かります。


iHome – これが $500 Mac?

The iHome? – Engadget – www.engadget.com
Is this the headless $500 Mac we’ve been hearing about?
(これが我々が聞いていた $500 Mac なのか?)

Engadget.com から。 来週から始まる Macworld Expo SF で発売されるのではないかと噂されている $500 のモニタなしの Mac 。 流出写真のような写真が数点掲示されているので上のリンクを辿ってぜひ見てみて欲しい。

PSX のような筐体に iHome と書かれたそのデバイスはクールで、こんな製品が $500 で売られたらオレもぐらっときてしまいそうだ。 しかし、コメントを見ていくと残念ながら、この写真はFake(偽物) のようだ。 理由としては

  • Media Centre の Centre というスペルはイギリス式のスペルで(アメリカでは Centerというスペル)、アメリカの会社である Apple がわざわざこうする理由はみつからない

  • iHome は既に別の会社によって登録されている

  • 電源がこれまでのApple製品にないACアダプタ方式になっている

といったものらしい。 少し前に、Sun のスコットマクニーリが合成写真にひっかかってしまったというニュースが流れたが、最近の写真加工技術おそるべし。

オレは残念ながら $500 Mac はないと思う。 そこまで安くすると iPod の価格帯とも重なってしまい(iPod Photo は $499 と $599)、 iPod が割高に割高に感じてしまう。 もともと生産メーカを豊富にもつPC陣営との価格勝負を避けようということで、デザインやきれいな液晶などで差別化をし高級感を出すというポジションにシフトした経緯があるので、あえて低価格路線に再び戻る必要もないと思う。 唯一の可能性は、この iHome のようにメディアサーバといった特殊用途向けの Mac (でももうこれは Mac じゃないな…) かと思うが、デジタルハブを捨ててサーバになるほどまだ明確なポジションがなく時期尚早な感がある。

と、書いていながらもこの予想がハズレるぐらい面白い製品を Apple が出してくれたらという期待も持っている。 さて、どうなるか来週が楽しみ。


Gambas 1.0 が Linux 開発を便利にする

Slashdot | Free IDE Gambas Reaches 1.0
Gambas has now hit 1.0 and looks promising as GNU/Linux’s answer to Visual Basic. Now, if it ran in Windows too, it would truly crush VB for database applications.
(Gambas (ガンバス)が 1.0 になり、 Visual Basic に対する GNU/Linux の アンサー になりつつある。 もし、このソフトがWindowsでも動けば、データベースアプリケーションとしてのVBをやっつけてしまうかもしれない)

Slashdot.org から。 Linux プラットホーム上で動作する Basic 言語によるフリーな開発環境 Gambas (ガンバス) が バージョン1.0 になった。このソフトの存在は今まで知らなかったけど、試してみたらちゃんと動くし(笑)、簡単だったので感動した。 (ただし、今オレが使っている Gentoo Linux では 1.00 がまだなかったので、試したのは 0.99 という1つ前のバージョン。)

gambas というコマンドで IDEを起動すると Visual Basic を意識したような画面が表れる。 なんと、このIDEそのものも Gambas で書かれている。しかし、動作は軽快でメモリもたいして使っている様子はない。


Gambas の IDE

GUI はフォーム上にいろいろなコンポーネントを配置し、プロパティエディタ及びイベントをハンドリングするためのコードを書くことで動作を定義していく。 このあたりは VB とほぼ同じだ。

Project ウインドウ の Run ボタンを押せば、即座に実行する。 GUI は Qt ベースになっていて、Qt ライブラリの設定さえ正しくしておけば、日本語も問題なく表示することができる。 機能は コンポーネントと呼ばれるライブラリ (シェアードライブラリ) を追加することで拡張することができるため、将来的には Gtk+ なども対応することが可能らしい。


IDE の中からアプリケーションをRunしたところ

Run中にポーズを押すとデバッグモードに入るが Step Into とかが見つからなかったり、Watch がうまく機能しなかったりと、ちょっと使いにくく感じた。 このヘンはおいおい良くなっていくだろう。

IDEのメニューから Project -> Make executable.. を選ぶと実行ファイルを作成することができる。 しかし、この実行ファイルはシェルスクリプトのような形になっていて、実行するためにはインタープリタである gbx というアプリケーションが必要になる (gbx は gambas に付属してくる)。

 
スタンドアローンアプリケーションを実行したところ

以前から 商用の開発ツールである REALbasic がクロスコンパイルによって Linux 用のバイナリを生成することが可能だったが、Linux 上で動く無料のツールが出てきた意味は大きい。

こういったツールによって、これまではコマンドラインしかなかったツールにGUIを付けられたり、簡単なツールを Gambas で書いたりと、見栄えのいいアプリケーションに不足していた Linux の環境を活気付けることになりそうだ。

ちなみに、Gambas はスペイン語で海老のこと。 作者が プログラミング言語にはよく動物の名前が付いていることと、単語の中に BASic が入っていることでこの Basic 言語の名前にいいと決めたんだそうだ。