Month: January 2004

Concert for George (コンサート フォー ジョージ)

cover このDVDには、ジョージ ハリスンの没後1年となる日に、彼の友人たちがあつまって開いた1回だけの追悼コンサートの様子が収められている。
ディスクは1枚目がコンサートの完全版、2枚目はコンサートとその裏側を編集した劇場版と呼ばれる映画という構成になっている。

劇場版では曲にまつわるエピソードなどが語られるのでまずこちらから見るといいだろう。 劇場版では曲の途中がインタビューで途切れたりするので、それが気になりだしたら、1枚目のコンサート完全版をと2度楽しむことができる。

この構成は見てる側からするととてもうれしい。 ポールマッカートニーのライブDVD もこういった構成ならよかったのに…。

“I Want to Tell You” で始まるライブステージには、ジョージの息子ダニー ハリスンが父のギターとともに参加している。 ダニーは若いときのジョージにほんとそっくりで、ギター演奏とバックコーラスで参加するダニーの姿はジョージの姿と重なる。

この姿が各ミュージシャンのオリジナルに忠実で丁寧な演奏と合わせて、幻想的であたたかい雰囲気を作りだしている。 このコンサートはCDでも発売されているが、この雰囲気を味わうためにもぜひDVDで見ることをおすすめする。

ジョージにゆかりのあるアーティスト達のパフォーマンスの中 リンゴ スター と ポール マッカートニーの参加で会場は盛り上がる。 圧巻はクライマックスの “While My Guitar Gently Weeps”。 エリッククラプトンをメインボーカルに、ポール マッカートニーのピアノとコーラスが絶妙に重なり、曲の後半のエリッククラプトンのギターソロが懐しさと物悲しさを呼び起こす。 これまでに自分が見たいろいろな演奏の中でも最高のパフォーマンスではないだろうか。

そこに彼はいない。 しかしながら彼の音楽を知っている人にとって最高のDVDになると思う。

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LeBron James 登場

ベイエリアに今年のNBAドラフト1位ルーキー LeBron James (ルブロン ジェイムズ) がやってきた。 彼の所属する Cleveland Cavaliers はイースタンカンファレンスに属する。 ウエスタンカンファレンスに属する Warriors と試合をするのは1シーズンでホームとアウェイの1回づつのため、彼がこのあたりに来るのは今シーズンは最初で最後だ。そのせいか、普段は Warriors の試合をとりあげないこちらの朝のニュースでも今日は彼のインタビューを紹介するぐらい注目していた。

マイケルジョーダン2世の呼び声も高いが、試合を見ていて気づいたのがパス回しのうまさ。 飛びこんでいったあとでもちゃんとパス相手を見つけてうまくパスを出すところはジョーダンとはまた違ううまさがある。 そして決めるところでは身体能力の高さを見せつけるかのような豪快なプレイ。観客を魅了するという評判通りだ。 シュートのうまさ(華麗さ)という点ではこの前見た Carmelo Anthony (カーメロ アンソニー) の方が良いかなと思ったが派手さという点では彼の方が上。 もう少しNBA に慣れたらきっと見ていて楽しい選手になるだろう。

この試合 Warriors は終始優勢に試合を進め、最後は余裕の勝利。 4th クオーターではめずらしい 3pt シュートの嵐。 Clifford Robinson がキャリアハイになる 1試合 3pt を 7本決める(1試合7本の3ptはフランチャイズハイでもあった)というというおまけまで付いてきた。 Cleveland はインサイドのディフェンスが甘かったのと、決められるところで決められなかったオフェンスの詰めの甘さが Warriors の流れを断ち切れなかった。 ま、あとは LeBron 相手ということで Warriors の面々も気合いの入り方が違っていたんだろうな。

最後にこの試合の LeBron の成績。

出場時間: 43
得点: 29 (うち、フリースロー 11得点, 3ポイント 6得点)
リバウンド: 8
アシスト: 6
スチール: 3

マッチアップには Jason Richardson、 Calbert Cheaney, Mickael Pietrus が付いていて、みんな頑張っていたように思えたが気づいてみるとこの得点。 やっぱ大物ルーキーは違う。


飲酒運転は犯罪

San Francisco 49ers quarterback Jeff Garcia said this afternoon that he was “extremely embarrassed” about his early-morning arrest in downtown San Jose for allegedly driving under the influence.
(San Francisco 49ers のクォーターバック Jeff Garcia (ジェフ ガルシア) は 本日未明の San Jose での飲酒運転による逮捕に関して”とても恥ずかしい”と語った)

昨晩のトップニュースは地元のアメフトチーム San Francisco 49ers の有名選手の飲酒運転が逮捕されたという話。 知った顔に DUI Arrest とキャプションが表示されたときに思ったのが 「DUI って何?」

DUI は Driving Under the Influence の略で、日本語に訳せば飲酒運転のことらしい。 アメリカでは飲酒運転は違反ではなく犯罪とされ、見つかると即手錠をかけられ逮捕。 留置場へ連れていかれる。 その後も保釈金を支払うことで留置場の外へ出られるが、その後裁判も行われ罪が確定すれば数千ドルの罰金、もありうるという話だ。 そうでなくても、有名人ならこうやってトップニュースとして扱われてしまうというのは日本では考えられないことだろう。

記事にもあるように、こちらの飲酒運転の基準はアルコールの血中濃度が 0.08% 以上となっている。 日本のように息でチェックする方法はとってなく、逮捕前には簡易的にでも血液検査が行われるらしい(実際体験したことはないので詳しくはわからない)。 ちなみに0.08%という数字はカリフォルニアの運転免許試験で必ず出題される。


American Idol みたび

年が明けてから Fox チャンネルは American Idol の新シーズンのCMを流しまくっている。

American Idol の 3シーズンめは 1/19(月) から放送され、最初は3夜連続で放送される。 この3回分で各地でおこなわれたオーディションの様子を放送するのだろう。 昨年の夏に San Francisco でも SF Giants の本拠地である Pac Bell Park という野球場で オーディションが行われたので、そのときの様子も放送されると思う。 はじめのうちはトンデもな応募者が審査員にメッタメッタにけなされるところが痛快だ。

昨年の American Idol チャンピオン Ruben Studdard (ルーベン スタッダード)は先月 12/8 にソロアルバム “Soulful” を発表。 しかし、このアルバムは現在病床に伏している Luther Vandross に敬意を表して彼のカバー曲や R&B のスタンダード、それにオリジナル数曲という構成のため、全米1位になったもののファンには物足りないものになっている。 一方、準優勝者である Clay Aiken (クレイ エイキン)は Ruben よりも早く、アルバム “Measure of a Man” を発表。 ポップアイドル路線をうまくまとめた感じのアルバムで全米1位を獲得。セカンドシングルである “Invisible” も最近ラジオでかかりまくっている。 メディアでの露出度も合わせるとプロとしての活躍は今のところ Clay の方が一歩リードという感じか。

番組が有名になっていく分、参加者も増えているようで、今年はどんな戦いが繰り広げられるか楽しみだ。 アメリカに住んでいる人はぜひご覧あれ。


TiVo to Go

今年の最注目は、「TiVo to Go」という機能だ。今までは、TiVoで録画した番組は、同一LAN上にある別のTiVoに転送して視聴する、というところまでは可能だった。これはTiVoがコンテンツを暗号化して記録するという、セキュアなシステムだからである。
 だが今度のTiVo to Goでは、コンテンツをPCにも転送できるようになった。ただしコピープロテクションを破るわけではなく、そのPCに対して認証を与えるため、TiVoコンテントセキュリティキーと呼ばれるUSBの暗号解読キー(ドングルのようなもの)を取り付ける。ノートPCなどにコンテンツを転送して、このキーをさしていれば、どこでも再生することができる。

CESで発表されたTiVoの戦略。 とくに TiVo to Go というシステムは録画データのデバイスからPCへのコピーという皆が望んでいた仕組みなだけにうれしい。 この発表はCESの始めにTiVoから発表されていたがContent Security Key というのが実際どんなものかピンとこなかった。 上の記事を見ると文字通りキーのようにUSBポートに挿し込むものが提供(販売?)されるらしい。 これで、残しておきたいものをDVDに記録することが可能になり、昨日の2層式の記録型DVDと合わせて、使い方が広がりそうだ。

話は変わって、記事中ではTiVoの簡単な説明も紹介していてアメリカに住んでいてTiVoに興味のある人はTiVoがどういったもので、どういうタイプのデバイスがあるのかを知ることができる。

ただ、値段が安いという部分は間違い。 TiVo は本体のお金を安くし、サブスクリプションと呼ばれる使用料で稼ぐという方法をとっている。 サブスクリプションは毎月$12.95 もしくは ライフタイム(デバイスが壊れるまで、買い換えても引き継がせられない) $299 という2種類が基本だ。 というわけで、日本で売られているものと同じように使おうと思ったら値段は$199+$299 = $500 (5.5万円)ほどかかることになるのでそんなに安いわけではない。

しかし TiVo は Linux で動作されているシステムなので Hack も進んでいる。 先日オレもやったハードディスク交換をはじめ、ハードディスク内の情報を書き換えることでTiVo に telnet でログインできたり、TiVo でWebサーバを起動してTiVo内の情報を見ることができるようになるといったこと日本の家電製品ではなかなかできないことだろう。 TiVo は技術と使い勝手がうまく融合されたシステムだと思う。


2層記録 DVD

書き込みに使用するドライブは同社の「DVR-A06」。市販品と同じもので、ファームウェアだけを独自のものに変更することで、内部の機構などを改造せずに、2層記録ができるという。なお、2層記録はまだフォーラムで策定されておらず、ファームウェアの公開の予定などはない。

Macworld とほぼ同じ時期にラスベガスで開催されていた CES (Cosumer Electronics Show)。 いろいろなところでニュースが流れているが、個人的に気になったのがこの記事にまとまっている記録型 DVD の行方。

ドライブの値段もそろそろ1万円前後になってこなれてきた感があるが、現在の記録型 DVD ドライブはどれも1層式のため、容量は約4GB。 一方、市販されている映画のDVDなどは2層式で最大約8GBとサイズに違いがある。 別にDVDのコピーに執着しているわけではないが、すぐ先にもっと良いシステムがあって、それが間も無く解決されるのならそれを待たない手はないだろう。

記事中ではDVD+R/RW のシェアが欧米で高いとあるが、実際こちらのお店に行ってみてもみかけるのが +R/RW ばかりで、そして安い。何となく記録型DVDを探している場合は+R/RW という選択肢に流れるのもわかるような気がする。 Pioneer のシステムは現在発売中のハードウェアに対しファームウェアの書きかえだけで2層記録に対応できるらしい。 -R/RW 陣営は既存のデバイスの互換性の高さをウリに2層記録式でアメリカ人の興味を引きつけることができるのだろうか? 今年は記録型DVDの行方に注目だ。


Macworld Expo SF 2004 観覧記 その3 – その他気になったモノ

その他、会場を歩いていて気になったモノを紹介。

SightFlex という製品。 iSight は高いというのにプラスして、うちの iMac に取りつけるときは両面テープで貼り付けないといけないというのにとても抵抗がある。 SightFlex はその問題を解決するというモノ。 もし iSight を買うことになったときには是非これも買わなきゃ。

なぜか目に止まったモノがコレ。 FlipAlbum というフォルダ内にあるイメージを本で見るかのように表示してくれるというソフト。 本などをスキャンしておいて同じような形で読むことができそう。 ページめくりの部分もそれっぽい。 ただ基本的にはイメージを表示するだけなので、大きな解像度のディスプレイでないと読むのがツラそう。 Mac版だけでなくWin版も用意されている。

Microsoft のブースでは Entourage X を無料で配るという大盤振舞い。会場に紫のパッケージを抱えている人が何人もいてそれだけで宣伝効果バツグンだった。 え、無料と思ったけど、もう Mac OS X 10.1 のころの結構古いソフトで、これで Entourage X を使って気に入ってもらってそのまま Office 2004 へアップグレードしてくれたらと考えるといいプロモーションなのかもしれない。 オレももらってきて…まだ入れてません。 そのうち試します。


Macworld Expo SF 2004 観覧記 その2 – Appleブース編

今回のMacworld Expo でもう一つ気になったのが、入場者数。 Appleブースでは例年ハンズオンとして人が使用できるMacがいっぱい並べてあって、1,2人順番待ちをしながら触るのが普通だが今年は少し探せば空いているMacが見つかるというぐらいの人しかいなかった。

今回唯一触ったのは GarageBand 。 といってもこういったソフトには慣れてないので基調講演でジョブズがやったように、ソフト上でいくつかの音を並べて再生してみるといったことをする。 20inch iMac で操作していたが、途中なんだか動作が重いなぁと思っていたらBluetoothマウスが調子悪かったというオチも。 何だかなさけないぞ。 で、結論としてはやっぱり GarageBand は見てるのと使うのは大違い。 あんまり面白くないぞ。

上の写真はステージでのGarageBand のデモ。 デモンストレータ自らギターを弾いて、こんな風にできますとアピール。 I love this job. (この仕事好き) と言っていたが、コンピュータも操作し、ギターも弾くなんてデモンストレータも大変。 一つ気付いたのは、ギターの入力はアナログのように波形で記録されていた(あたりまえか)。 波形データも扱えるのなら iTunes Music Store で曲のデータをトラック毎(楽器毎)に売って、これらを自在にミックスして自分だけのリミックスも作れます。 なんてことができるといいなぁ。

さて、iPod Mini 。 展示されてました。 オレはiPod持ってないん違いとかよくわからないんだけど曲を再生中に操作しようとするとボリュームが大きくなったり、小さくなったりしてうまく操作できない印象が残った。

でもって、iPodMini コーナーにいる Apple の人。 腕にiPodMini を付けてるんだけど、それが黒いゴムバンド。 アメリカの人はジョギングするときとかにウォークマンとか腕に付けている人が多く、ジムなどでおなじみなんですが個人的にはいつもヘンだと思ってるのでこれもいただけない。 日本の人的にはこれは「あり」なんでしょうか?


Macworld Expo SF 2004 観覧記 その1 – 会場編

Moscone.jpg 恒例の Macworld Expo 観戦記。昨年まではiPhotoを使ったPDFで書いていたけど、今年はネタも少ないのでBlogエントリで。 実はKeynote (基調講演) を聞いたあと、今年はそんなに面白そうなハードやソフトが発表されなかったからやめようかと思っていたぐらいだった。 たまたま友人が一緒に行こうと誘ってくれたこともあって最終日に会社をちょっと抜けだして見に行くことにした。
今年、まず気づいたのが…

会場が小さい。 例年どおりノースホールとサウスホールに分かれていたが、ノースホールは全体の1/3程度しか使用しておらず、Appleのブースがあるサウスホールも1/4程余裕があり、うまくまとめれば片側のホールだけで済んだのでは? と思うほど。 ノースホールに入って右側をとったのが上の写真。 入ってすぐ右側で展示エリアが終わり(もう少し奥へ入ると右側も少し使っていた)。 昨年はこのエリアも立派に展示エリアとして使われていた。 昨年、一昨年と Mac OS X の安定に従って徐々に盛り上がってきていただけに、この出展数の減り具合はMacコミュニティにとってはイヤな前兆に思える。

しかし、出展している企業は結構元気。 Macmall というオンラインショップのお店ではポップコーンを無料で配布。 まわりにいい匂いをふりまいていた。 なぜか今年はポップコーン大流行。 他にも3,4のブースで配布をしていた。 こういったものはここ数年無かっただけに結構驚いた。


おそるべしSoftEther

SoftEtherを利用し、ファイヤウォールの内側からHTTPSを偽装してインターネットに抜けるようなVPNを張れば、ネットワーク管理者によるパケット監視は行き届かなくなります。たとえば、“社員が仕事中、こっそりオンラインゲームをやり放題”ということにもつながります。この指摘には、どういった感想をお持ちですか。

驚いた。 まさかイーサネットをソフトウェアで実現してしまうとは…。
POP3/SMTPをHTTPにのっけてプロキシ越えして喜んでいた自分が子供みたいだ。

うちの会社(プロキシは HTTP(S)のみ)で試してみたらすんなりと外へ出られてしまった。ネットワーク管理者だったら冗談じゃないといいたくなるのもわかる。

インタビューの中で作者は「Admin権限を管理することで…」と言っているが、間違いではないにしても事はそんなに簡単じゃないと思う。 全てがただの端末利用者ならまだしも、例えばうちのようにソフトを作っている会社はできたソフトをテストするために各自がAdmin 権限でソフトをインストールする必要があったりする。 そのたびに管理者に届け出るなんて管理者もユーザもやってられないというのが多くのネットワークの現状だろう。

しかし、何でもできちゃうと恐くなって圧力をかけてでも止めたいと思うのはわからなくはないが、こういったソフトそのものに罪はないと思う。仕事中にゲームするのはソフトとは関係のない倫理的なものだ。 それより今度はこういったソフトをブロックしたりする技術とともに、さらなる利用方法、たとえばソフトHUBでパケットレベルでのコンピュータウイルスチェック、大量のパケット送信してくるサイトを選択的にブロックするなんてのもソフトウェアだからこそ比較的簡単に実装できるのではないだろうか。 せっかく面白そうな技術が出てきたのだから、ネガティブに考えずポジティブに考えよう。