このDVDには、ジョージ ハリスンの没後1年となる日に、彼の友人たちがあつまって開いた1回だけの追悼コンサートの様子が収められている。
ディスクは1枚目がコンサートの完全版、2枚目はコンサートとその裏側を編集した劇場版と呼ばれる映画という構成になっている。
劇場版では曲にまつわるエピソードなどが語られるのでまずこちらから見るといいだろう。 劇場版では曲の途中がインタビューで途切れたりするので、それが気になりだしたら、1枚目のコンサート完全版をと2度楽しむことができる。
この構成は見てる側からするととてもうれしい。 ポールマッカートニーのライブDVD もこういった構成ならよかったのに…。
“I Want to Tell You” で始まるライブステージには、ジョージの息子ダニー ハリスンが父のギターとともに参加している。 ダニーは若いときのジョージにほんとそっくりで、ギター演奏とバックコーラスで参加するダニーの姿はジョージの姿と重なる。
この姿が各ミュージシャンのオリジナルに忠実で丁寧な演奏と合わせて、幻想的であたたかい雰囲気を作りだしている。 このコンサートはCDでも発売されているが、この雰囲気を味わうためにもぜひDVDで見ることをおすすめする。
ジョージにゆかりのあるアーティスト達のパフォーマンスの中 リンゴ スター と ポール マッカートニーの参加で会場は盛り上がる。 圧巻はクライマックスの “While My Guitar Gently Weeps”。 エリッククラプトンをメインボーカルに、ポール マッカートニーのピアノとコーラスが絶妙に重なり、曲の後半のエリッククラプトンのギターソロが懐しさと物悲しさを呼び起こす。 これまでに自分が見たいろいろな演奏の中でも最高のパフォーマンスではないだろうか。
そこに彼はいない。 しかしながら彼の音楽を知っている人にとって最高のDVDになると思う。
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