Month: September 2003

マイクロソフトとトロンの提携は何も生みださない

 パソコン用OSではマイクロソフトのWindowsに苦渋をなめさせられたトロンOSだが、「ユビキタス時代」を迎えて情報家電などで主導権を奪い返していた。マイクロソフトは今年2月頃から、同フォーラムへの参加を社内的に決定。米国のビル・ゲイツ会長兼CEOも「エキサイティングだ」と歓迎の意を表明したという。両者の“長年の怨念”は、マイクロソフトが歩み寄る形で終息したようだ。
 マイクロソフトは近く、日本と米国に新たな開発部隊を設置。T-Engineプラットフォーム上で、同社の情報家電向けプラットフォーム「Windows CE .NET」を動作させる環境を実現するため開発体制を強化する。

日本でも一般の新聞やニュースでも語られたニュース。 というか、日本だけでアメリカでは何も報道されていないようだ。

今朝もとくダネ!のオープニングで小倉さんがネタにしてすごいことだと語っていた。 しかし、この提携はトロンを買うとウインドウズみたいなことができることになるというほど夢のある話ではない。

現在、トロンが家電などの組み込みOSとして使われている一番の理由は安さだ。 最近、Linuxが採用され始めているのもこの辺が大きな理由だろう。

この提携はWindows CEがトロンベースになるというようなものではなく、 いちライブラリである .Net フレームワーク普及の一貫として考えるべきだ。

マイクロソフトはライセンス料が高くてあまり売れゆきのよくない Windows CE が本格的にコケたときの次の手(の一つ)として、トロン側としてはトロンを採用することによって、ミドルウェアのラインナップの幅を広げることができる。

しかし、口で言うのは簡単だが、マイクロソフトは相当な技術リソースを継ぎこまないとトロン(T-Engine)上で .Net フレームワークを準備することは難しいし、アメリカ本社がそこまでトロンを重視するかは疑問だ。

そして、.Net フレームワークそのものもこの1,2年で大きく変わる可能性がある。 今回は具体的にどこまでやるかをコミットしているわけではないはずだ。 もし、できたとしてもライセンス料が高いため “.Net 抜き” というライセンスが一般的になると思う。

結果として、このままフェードアウトしていく可能性が高いとオレはみている。

(追記: この記事は一部間違いが含まれている。 こちら の記事も参照のこと)


Star Wars Episode III 撮影終了

In true Star Wars prequel tradition, Producer Rick McCallum clapped the final slate on the last take of principal photography for Star Wars: Episode III, wrapping at Fox Studios Australia at 6:42 pm Wednesday, September 17.

(Star Wars シリーズにおける伝統として、9月17日午後 6:42分、オーストラリアの Fox スタジオでプロデューサの Rick McCallum は Star Wars エピソード3 の最後のテイクのカットのカチンコを叩いた。)

ちょっとネタ的には古いけどあまり紹介されていないようなので、ここで紹介。スターウォーズの最終作となる Episonde III は先日、撮影が終了したとのことだ。 今後18ヶ月におけるポストプロダクションと呼ばれる CG 合成処理や編集、アフレコなどを経て、完成となる。

エピソード 2のDVDのおまけディスクにこのポストプロダクションの様子が収録されているが、最近のスターウォーズはシーンのほとんどがブルースクリーンと呼ばれる合成用の青い(緑っぽい)背景のもとで撮影される。 これに監督が考えた通りの背景等を作成し、合成するという手順が最近のスターウォーズにはかかせないものとなっている。

ときにはコンピュータで作成された人間がスタントマンとして演技したり、首から下は合成ってこともあり、ちょっとやりすぎでは? と思うことも。 別に映画を見てる最中に合成に気づくわけでもないし、実際楽しんでるわけだからいいのだろうが、どこか腑におちない自分がいる。 何でだろうなぁ。 アニメまで虚構にぶっとんでしまえば気にならないだろうが、実際に人がやっていると思わせていながらそうでなかったときのダマされたという気持ちが悪く出ているのだろうか。

さて、肝心のストーリー。 脚本と噂されているのが ここ。 FALL OF THE REPUBLIC というサブタイトルが付いている。 ありえそうなタイトルだけど、どうだろう?


田臥勇太 Denver Nuggets と契約

この記事は2003年のモノです。 フェニックスサンズと契約した2004年の田臥のチャレンジはこちら からどうぞ。

“Yuta is an exciting young player,” said Vandeweghe. “He can really play at a fast pace and knows how to get the ball into the hands of the right people.”
(「Yuta はエキサイティングな若いプレイヤーだ」と Vandeweghe は言った。 「彼は早いペースでの試合でうまくプレイでき、誰の手にボールを回したらいいかよくわかっている」)

彼が期待されているのはここであろう。 自分としては本意ではないかもしれないが、気にいられているここをいかにアピールできるかがポイントになるだろう。
このサイトでもこれから彼の動きをもっと追っていこうと思う。


MT Comment Spam と闘う

昨日から急に このサイトのコメント欄に、内容とは関係ない商業的な書きこみが増えた。

どうやら MT(MovableType) Comment Spam という、新手の Spam 攻撃らしい。

MovableType では、管理者がコメントの書きこみや Talkback を禁止するIPアドレスを指定できる。この設定をしておけば1度は広告を書きこまれるが2度めは防ぐことができる。 このサイトでは今後、オレが関係ないと判断したコメントやTalkback は削除していき、書きこんだときのIPアドレスは禁止リストに登録されていくようにした。

それ以外にも、Google で検索したら簡単な防御方法を見つけたので紹介しておく。

So, here’s a quick fix — it will keep out the lightweights at least. It’s a start as other efforts are underway.

ポイントはSpamを投稿するのは人ではなくて、専用のプログラムだということ。
hidden 属性のフィールドを追加して、コメントの投稿時にそのフィールドがあれば、人からの投稿。無ければプログラムからのSpam投稿ということで、拒否すればいいというわけだ。

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時差ボケ対策

日本に遊びに来てます。

日本時間の昨日の夕方名古屋に着いて1日経った今日は少し眠くなるのが早いかなというぐらい。

自分としては結構時差ボケには強い方だと思っているが、その秘訣は

「気の持ちよう」 だ (笑)。

オレは結構時間を気にするほうなので、今、何時という部分をうまくごまかしてやることで、現地の時間だと思いこませる。

具体的には飛行機が動くとともに、時計を現地時間に合わせる。 あとは、その時計を見ながら、食事のときも、現地時間の食事だと思う (アメリカの昼に飛びたつ飛行機で最初に出る食事は昼ご飯でなく、日本の早い朝ご飯だと思う)。

同じように機内でひとねむりするときは徹夜明けの仮眠というようなつもりでする。 これだけで結構体は慣れていく…と思う。 ただ、眠いのだけは実際寝てないので治らないが…。

ま、一種の暗示みたいなものなので効果はさまざまだと思うが、時差ボケに悩む人は一度お試しあれ。

というわけで、しばらく日本から時間がとれたときに更新していくことになると思います。


無料のライブ音源アーカイブ

Jason Mraz allows audio taping at almost every live performance. We feel that each show is unique and want to offer our fans the opportunity to recreate the live experience through the audio reproduction of our shows. At all taping authorized performances, tapers can tape from any ticketed seating location in the venue.
(Jason Mraz はほとんどのライブパフォーマンスをオーディオテープに録音することを許可しています。 我々はどのショーも1度きりであると考え、ファンに録音した音を通じてライブの体験をしてもらいたいと思っています。 録音が許可されたパフォーマンスでは、会場のどの席からでも録音することが可能です。)

この前、ファーストアルバムがいいと紹介したJason Mraz (ジェイソン ムラーズ)は公式サイトにライブの録音の許可のメッセージを載せている。 この音源を使って商売をすることは許されていないため、録音したものは無料で公開されている。 こういったことはアンダーグラウンドだと思っていた自分にとっては衝撃だ。

そして、下のサイトにアーカイブがあり、今日の時点で106回のパフォーマンスの録音がダウンロードできる。

Live Music Archive の Jason Mraz の紹介ページ

基本的に客がマイクを立てて録音しているのでショーによっては録音状態が良くなかったりするが、オープニングからラストまで、MCを含んだ生の演奏が聞けるのはたまらない。 一般に発売されているライブアルバムは部分的にスタジオで録音しなおすこともあるが(詳しくは、ライブとライブ盤などを参照)、ここにあるのは、編集のない本物のライブの音だ。

Live Music Archive はダウンロード数ベスト5や、各ショーの評価やコメントも表示されるなど、ファンにはたまらないものになっている。やはり上位に入るものは録音状態がいいので初心者にも最適。 発売されているアルバムを売るいい販促なんじゃないだろうか。

Live Music Archive はJason Mraz 以外にも録音許可を出しているアーティストのライブ音源もある。
Live Music Archive アーティスト一覧

個人的にはJason Mraz以外に知ってる人は見つからなかったが、洋楽ファンは一度チェックすると思わぬ発見があるかも。

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アメリカの年金制度

昨日書いたように、アメリカにいる日本人は日本の国民年金の積み立ては免除されているが、受けとる権利は残っている。 加えてアメリカにいる場合はアメリカの年金の恩恵を受けることも可能だ。

一つめはSocial Security(ソーシャルセキュリティー)といわれるもので、年金としてよりアメリカ人の国民ID であるSocial Security Number(ソーシャルセキュリティーナンバー)として有名だろう。

アメリカでもソーシャルセキュリティはうまくいっていないようだ。 少なくとも外国人(アメリカ市民でない、グリーンカード保持者)にまで Social Security の支給いがあることはまずないと言われている。 もしかすると、破綻する可能性もあるというのが一般的な見方だ。

二つめが最近日本でも一部の企業が導入しはじめた 401K という制度。 乱暴にいってしまえば、投資信託のような金融商品を税金を優遇して買えるようにする制度。

会社の福利厚生の一貫なので、選べる金融商品の種類とか、会社が何パーセントか補助してくれるかなど、バリエーションがいろいろあるが、基本的にどの金融商品に、いくら払っていくかは自分が決める。 もちろんやらないというのもあり。 アメリカではこれが一般的な年金制度になる。

三っつめが、働いていない人向けの401Kともいうべき IRA というもの。 401Kは福利厚生ということもあり会社で働いていないと参加できないが、IRA は働いていなくてもできる。 ただし、いまのところ年間$3,000 までという制限がある。 もちろん、やらなくてもいいが税金的に優遇されることもあり、税金対策も兼ねてやっている人は結構多い。

アメリカでは年金の支払いは59.5歳から。 401KやIRAはその前に引きだすことも可能だが、そうすると優遇されていた税金を払わなくてはいけないなど、何らかのペナルティがある。

国が何らかのしくみを用意するのではなく、一般の投資会社の金融商品を税制を優遇することで参加を促すというしくみでやっているのは結構合理的だと思う。

こういった仕組みから、ファイナンシャルプランナーと呼ばれるプロが老後などを目標に毎月どれくらい投資すべきかプランを立ててアドバイスをするというのも一般的だ。 日本の厚生年金が企業の首をしめているという話をよく聞くので、日本もいずれこのような方式になっていくのではないだろうか。


海外に住んでる人の国民年金

日本に住んでいる20歳から59歳までの人 *1 は国民年金に加入することになっています.また,日本人ならば海外にいても加入可能となっています.この国民年金と呼ばれるものに加入しておけば,基本的には「基礎年金」と呼ばれる年金が65歳から亡くなるまで受けとれます.

ちょっと時間が経ってしまったが、お笑いパソコン日誌
の9/15分経由のネタ。

日本人なら、年金(国民年金または厚生年金) を払わないといけない。 厚生年金は日本の企業に働いていないと加入できないため、海外に住む日本人は必然的に国民年金に加入することになる。 ただ、海外に住む場合、国民年金の支払いは任意だ。

つまり、海外にいる期間は保険料の支払いしてもしなくても良い。 もちろん、保険料の支払いをしなかった場合老後に貰える金額は減ることになる。

引用したサイトでは免除の話もあって、40年ずっと免除の状態であっても、国庫分の 1/3 はもらえるとあるが、海外で住んでいる場合は日本での収入がないので税金もほとんど払ってない。それでも1/3もらえるのだろうかはわからない。

海外にいながら国民年金を支払う場合は、親などを代理人とするか、国民年金協会に代理を依頼すれば可能になる。 代理人を指名する場合、自分が日本を離れる前の住所が窓口になるため、親元を離れてひとりで暮らしていた場合はメンドウだ。

この場合、国民年金協会を利用するのが一般的になるだろう。 国民年金協会は海外居住者でも作成可能な日本の銀行口座をいくつか指定してくるので、そこに口座を開設し、国民年金協会に届け出ることで自分の代わりに国に年金を支払ってくれる。 手数料は無料で、保険料の金額はもちろん日本にいる人たちと同じ。 一年分を前納することによる割引きも同じだ。

というわけで、うちでは国民年金協会経由で毎年払ってる。 まわりはどうせ年金なんか払っても無駄だということで払ってない人も多い。 ま、それはそれで違法でもないのでいいのだが、うちは自分が貰えばラッキー。 ダメでも一種の親孝行のつもりで、親が生きている間だけでも年金が破綻せずちゃんと受けとれるようにお金を払おうという考えだ。


Let it be … naked

1969年、ザ・ビートルズはシンプルで原点に立ち戻ったアルバム『ゲット・バック』を制作しようとしていたが、それは決して発表されることはなかった。
そして、今2003年11月、このアルバムは、素晴らしいアビイ・ロードのデジタル・テクノロジーによって『レット・イット・ビー … ネイキッド』として蘇ることとなった。今まで決して聞くことのできなかったザ・ビートルズのオリジナル・セッションの音源の発売が遂に可能となったのである。

先日の Paul McCartney in Red Square といい、何となくビートルズづいてる今日このごろ。 この話題にもやっぱり触れておきたい。

Get Back は…懐しいなぁ、中学のとき名古屋のレコード屋で海賊版買った記憶がある。 もちろん収録されている曲は今回の Let it be… naked に比べると全然違っていたけど、 Get Back という名のついたアルバムはファンにとっては憧れのアルバム。 未完成だったからこそどんな感じなんだろうと人それぞれが思いをめぐらせた Get Back があった。

個人的には新アルバムの曲のラインナップは多いに賛成。 外れた曲は特徴的だけど中途半端だったし、Don’t Let Me Down は映画 Let it be の中でもギターリフを何度も練習するシーンがあるぐらいGet Back セッションの象徴的な曲だ(11/11 追記: この一文は勘違い。 ギターリフを練習してたのは Don’t Let Me Down じゃなくて I’ve Got a Feeling だった)。 Get Back, I’ve got a feeling, Don’t let me down にライブ一発録りのワイルドさを期待したい。

今回、何とか形になって世に出ることになったのはきっとジョージハリスンの死が少なからず影響を与えたのだろう。 オリジナルの Let it be のプロデューサーである フィルスペクターは ジョージがソロアルバム製作で知りあってつれてきた人物。 そんな彼の仕事を否定するかのように、これこそ真実と新しいアルバムを出すのはフィルスペクター本人以上にジョージに対し失礼だと考えていたとしても不思議ではない。 同じように映画 Let it be がDVD化されるのも、映画中のポールがジョージの演奏をけなすシーンを気にいらなかったジョージが亡くなったからとい話もある。

リリース情報を見るとこのアルバムのプロデューサが書いていない。 ジョージマーティンはもう引退してるし。 アンソロジーのときのようにジェフリンか? それともポールマッカートニーか? もともと Get Back セッションは ポール主導で行われてきたし、ポールは The long and winding road の Let it be 収録バージョンが嫌いと公言して、ライブではずっと違うアレンジの演奏をしてきたことは有名だ。

にしても、アルバムタイトルが Let it be がらみになってしまったのは Get Back というタイトルより Let it be の方が売れると考えたのだろうか。


日本でも SIPphone

エッジでは、SIPphoneの国内代理店として日本での販売とサポートを行なう。子会社のエッジテレコムや家電量販店などを通じて、10月下旬より専用電話機を販売する。価格は未定だが、米国での価格は2台セットで122.99ドル。

Lindows の日本販売窓口となっているエッジが SIPphone も扱うようだ。 値段は未定らしいが、2台で18000円~20000円が妥当なとこだろうか。 でも、これで日本の人とアメリカの人が簡単に無料で電話することも可能になったわけだ。 これはすごいことかも。

同じ時期にこんな話もあった。 Kazaa の作者が Skype というソフトを開発し、VoIP に参入しようとしている。 これは電話機のような専用のデバイスではなく、メッセンジャーのようなPCのソフトとして提供されている。

—他にPtoP電話システムの利点はありますか。
 電話として過不足がないということでしょう。私たちの調査によると、ブロードバンドユーザーの50%以上はNAT(network address translation)やファイアウォールを導入した環境にいます。こうした環境では、SIP(Session Initiation Protocol)ベースのVoIPソリューションを十分に活用することはできません。一方、私たちが採用しているPtoP技術では、インターネットに接続できる環境がある限り、電話をかけたり受けたりすることができます。

ここで、注目したいのは SIPphone が採用している SIP というしくみは、どうも Firewall/NAT と相性が悪いらしい。 まだ、試していないので具体的にはわからないが、考えられるのはルーティング設定をstaticにすることによって、特定のポートを1台のデバイスにしか割当てられないことだろうか。 この場合、LAN内に1つの SIPphone しか機能しない可能性がある。

Skype の場合も特殊なポートを使用するためFirewallのポリシーによっては動作しない場合がある。 実際、オレの会社で試したときはどこにも接続できなくてメッセンジャーソフトとしても使えなかった (会社はポート80番しか空いていない。 FTP, SHTTPのプロトコルはプロキシーによりHTTPに変換されるのでブラウザーからしかアクセスできない)。 ただ、家から試したときはルータがあるにもかかわらずすんなり繋がった。 いずれ有料化しそうな気がするが簡単さという意味で貴重な存在だ。今後も注目していきたい。

ここでもSIPPhoneや日本の定額IPケータイの話とかとりあげてることが多いので気付いている人もいるだろうが、個人的にはインターネットによる、既存のコミュニケーションに代わる何かには特に注目している。 規制の少ない新システムは新な文化を生みだすかもしれない。 e-mail はその先陣を切った。 chat (IM)はまだ敷居が高いかもしれないが浸透しつつある。 次は VoIP か?