パソコン用OSではマイクロソフトのWindowsに苦渋をなめさせられたトロンOSだが、「ユビキタス時代」を迎えて情報家電などで主導権を奪い返していた。マイクロソフトは今年2月頃から、同フォーラムへの参加を社内的に決定。米国のビル・ゲイツ会長兼CEOも「エキサイティングだ」と歓迎の意を表明したという。両者の“長年の怨念”は、マイクロソフトが歩み寄る形で終息したようだ。
マイクロソフトは近く、日本と米国に新たな開発部隊を設置。T-Engineプラットフォーム上で、同社の情報家電向けプラットフォーム「Windows CE .NET」を動作させる環境を実現するため開発体制を強化する。
日本でも一般の新聞やニュースでも語られたニュース。 というか、日本だけでアメリカでは何も報道されていないようだ。
今朝もとくダネ!のオープニングで小倉さんがネタにしてすごいことだと語っていた。 しかし、この提携はトロンを買うとウインドウズみたいなことができることになるというほど夢のある話ではない。
現在、トロンが家電などの組み込みOSとして使われている一番の理由は安さだ。 最近、Linuxが採用され始めているのもこの辺が大きな理由だろう。
この提携はWindows CEがトロンベースになるというようなものではなく、 いちライブラリである .Net フレームワーク普及の一貫として考えるべきだ。
マイクロソフトはライセンス料が高くてあまり売れゆきのよくない Windows CE が本格的にコケたときの次の手(の一つ)として、トロン側としてはトロンを採用することによって、ミドルウェアのラインナップの幅を広げることができる。
しかし、口で言うのは簡単だが、マイクロソフトは相当な技術リソースを継ぎこまないとトロン(T-Engine)上で .Net フレームワークを準備することは難しいし、アメリカ本社がそこまでトロンを重視するかは疑問だ。
そして、.Net フレームワークそのものもこの1,2年で大きく変わる可能性がある。 今回は具体的にどこまでやるかをコミットしているわけではないはずだ。 もし、できたとしてもライセンス料が高いため “.Net 抜き” というライセンスが一般的になると思う。
結果として、このままフェードアウトしていく可能性が高いとオレはみている。
(追記: この記事は一部間違いが含まれている。 こちら の記事も参照のこと)
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