Month: November 2003

あらためてプロフィール

早いもので、今日でアメリカに住みはじめて3年が経った。

いろいろ書きためたおかげでこのサイトに来てくれる人も増えてきたが、訪れる人はやはり最初に自己紹介のところに飛んでいくひとが多いようだ。 しかしこれまで自分のプロフィールとか書いてなかったので、これまでを振り返りながら一度まとめておこうと思う。

2000年 11月10日よりアメリカ、カリフォルニア州の北部、サンフランシスコ近郊のいわゆるシリコンバレーに住む。 職業はソフトウェアエンジニア。

アメリカに来る前は日本の某メーカーで電子手帳のソフトを作っていた。 そのころ Newton Message Pad にもハマっていて Newton lInc. なんてサイトも作っていた。 今でもガジェットは好きだけど目が肥えてしまったためか、最近そんなにグッとくるものがないのが悲しい。

もともとはハードとソフトがうまく組み合わさることで新な可能性があることを期待していたが、プラットホームが貧弱なためソフトを作る側として制限ばかりが付くことに嫌気がさしていた。 そんなときに、今の会社に勤めていた大学時代の友人に声をかけてもらって、シリコンバレーにあるその会社で働くことに。

まずは前職を生かしPDA向けのソフトの国際化を主に担当する仕事に就き、その後ビジネスアプリケーション向けのソフトウェアの開発、国際化を担当するようになった。 同じようなことを目指している人にとってはうらやましいぐらい運が良かったと自分でも思っている。

留学経験があるわけでもないのでアメリカに来たときは英語は全然できなかった。 何よりも会話が聞きとれなくて苦労したなぁ。生活を立ちあげるときもほんと大変で、Webから情報を手に入れられたり、手続きできたおかげで何度救われたことか…。

ただ、アメリカの音楽や映画、テレビ番組は好きだったのでそういったものから少しづつ慣れていき、実際に英語を話す場数を踏むことである程度のことはできるようになった。 とは言っても、いまだにテレビや映画でも聞きとれないこともあったり、話す言葉は文法ぐちゃぐちゃ、ボキャブラリも足りない、とまだまだ先は長いという感じだ。

というわけで、エンジニア一筋で運良くここまで来てしまった自分なので、よくあるシリコンバレー情報のように多岐に渡る有用な情報はあんまり書けない。 けど、アメリカに住む日本人エンジニアの目から見たコンピュータ関連のニュース、アメリカに住んでいて感じたこと、自分が経験したことをできるだけ文章にしていきたいと思っている。


アメリカから投票

↑は国内の有権者数だそうで。はて、アメリカでがんばってる人とかだめだめ生活してる人なんかはカウントされてないのか?

えー、カウントされてないと思います。

アメリカに住む人は在外選挙人登録というのを済ませれば、比例区の投票ができるんだけど、手続きするのがメンドウだったりしてうちは未だに登録してないです。 ごめんなさい。

選挙人登録に領事館まで行く必要があったり、投票用紙は各自日本の最後に住んでいた市町村へ郵便代を払って請求しなければいけないなど、投票まで各自の自主性に依存している部分が多いので、そうとう気合いの入った人しかしてないのではないだろうか。 こうやって選挙があると、登録しなきゃと思うんだけど、登録してから実際投票できるまで2ヶ月かかると聞くと「ま、今回はいいか」と思ってしまうし。

海外に永住したり長期滞在する日本人が衆参の比例代表選に投票できる「在外選挙」はこれまで、面倒な選挙人名簿登録や無関心が原因で投票数は在外有権者の4%を下回っている。

やはり、このしくみではしょうがないでしょというのがこっちに住んでいる人のいい分かと。

補足リンク:

皆様からいただいた在外選挙に関するご質問の中で特に多い事柄をQ&A方式にまとめてみましたのでご参考にしてください。


裁判所へ来い

先日、裁判所に来いという封筒が届いた。
といっても、悪いことして裁かれるわけじゃなく裁く側としての話。

アメリカの裁判は陪審員(Jury)と呼ばれる一般市民が判決を下すシステムになっている。

この辺の話は映画(十二人の怒れる男12 Angry Men陪審員THE JUROR とか )やドラマ(アリー my Love…)に多いので知ってる人も多いのではないだろうか。

この陪審員の役目は義務なため選ばれると余程の理由がない限り勤めなければならない。そのためアメリカの会社には、有休とは別に Jury Duty (陪審員の義務) という種類の休暇があり、会社はその人を休ませなければいけないようになっている。

けど、オレはアメリカ国民では無いため陪審員として裁判所に行く必要は無い。というより行ってはいけない。 なのにどうして選ばれたかというと、アメリカでは戸籍を管理しているわけじゃないので、召喚状の送り先の住所は DMV(免許)、IRS(Tax)、ソーシャルセキュリティの情報を基にしているかららしい。 なので、免許を取るなどしてDMVに住所を書くと Jury Duty の対象になってしまう。 昨年にも一度召喚状が送られてきてオレは違うって送りかえしているので、また送られてきたところをみると、過去の記録は全然参考にされてなく、ランダムに選ばれているようだ。

理由があって陪審員になれない場合は召集用紙の裏にその旨を書いて送りかえすようになっているんだけど、出席が前提のためか封筒や切手代は自腹だ。 理由の項目に、”アメリカ国民でない” というのに加えて、”アメリカ国民であるが英語が理解できない” というのがあるところがアメリカっぽい。


IP電話の方がオトクかも

VonageとCablevisionのOptimum Voiceは、標準的な家庭向けプランで月額約35ドルという平均を打ち立てた。しかし、新規顧客獲得を狙うブロードバンド提供企業は高速インターネット接続に音声通話を組み合わせることで、この価格レベルをさらに引き下げた。

アメリカでは電話会社はローカルと長距離に分かれていて、まずローカル電話会社に依頼して電話を開通し、そのときに長距離電話会社を指定して登録するのが一般的。 日本でも最近マイラインで同じような方法が導入されたと思う。

このあたりのローカル電話は SBC (旧 Pacific Bell) という会社が担当していて、うちが入っているプランで、Local Flat Rate という市内通話無料に約$10、 Caller ID (ナンバーディスプレイ) に $6、保険料に $3 (余計かもしれないが入っていた方がもしものときに安心らしい…)、その他のチャージ(Local, State and Federal Charges) として $6 かかっている。 これがいわゆる基本料として毎月固定でかかり、あとは市外通話、長距離電話(国際電話) 代が使っただけかかってくる。 この中で実際の電話サービスと関係ない $3+$6 で結構な割合を占めているの何か気にいらないといつも思っていた。

Vonage はテレビでも宣伝しているので知っていたが、それでも今の電話代(だいたい$30前後)と比べると乗りかえるほどではなかった。 けど、8×8 の月$20 ぽっきりで、国内通話も込みだとしたら金額的にはすごいアドバンテージだ。 取り付けもルータとアダプタをイーサネットケーブルで繋げて、アダプタに電話機を付けるだけでいいらしい。 電話番号が変わることだけが欠点なので次に引越すときには是非試してみたいと思う。

タイミングのいい話で、こんな話もあった。 日本でも東京ガスが移行して大幅なコストダウンに成功したという話もあったし、固定電話会社はうかうかしてられないのではないだろうか。

KAMUI曰く、”本家より。IBM が世界中の事業所の電話網をIP電話に移行する計画を発表しました。

そういえば、テレビもそうだけど電話もPCが置きかえを狙っても難しいデバイスじゃないだろうか。やっぱり話しながら歩きまわったりできないのがネックか?


パソコンで動画を見たいですか?

同氏は、Media Centerのコンセプトにはいくつかの問題があるとし、特にコンピュータの使い方と比べて、TVの見方には大きな違いがある点を指摘している。「通常、人々がTVで見たがるのは、気軽に見られるようなものだ」

ジョブズの考えかたは少し偏ってないか?

TVパソコンに期待されているのはTVとしてだらだら見るという方法より、TV番組を録画をする機能。 記事の途中にも書いてあるように現在の PC/Mac のアーキテクチャでは安定性を求めるのには無理があるのはわかるが、テレビ番組を記録しておきたいと思う需要は確実にあると思う。

ただ、録画したデータをパソコンで見るかどうかは別だ。

オレはパソコンで動画を見るのは好きじゃない。 理由はきっとパソコンが置いてある環境だろう。 うちのパソコンの置いてあるところではとにかく見ていて疲れる。 Video CD や DVD に焼いてテレビで見るのも手だがいちいち面倒だ。 なので…

AVeL LinkPlayerは、Ethernetを装備したDVDプレーヤー。通常のDVDプレーヤーとして利用できるほか、ネットワーク上のパソコンに保存されている映像/音楽/写真データなどのデジタルコンテンツを、テレビなどに出力できる。

こういったデバイスには期待してしまう。

アメリカでも Gateway の Connected DVD が同じような機能を持っているし、 異色なところではネットワークに繋ったプレステ2 で動画を再生するという Game Shark Media Player というのもある。(残念ながらリージョンコードの関係で日本のプレステ2では動かないらしい)

夏に日本で発売された MediaWiz といい、最近こういった機能をもったデバイスが増えてきている。 自分がPCで動画を見ることに抵抗を感じていることからも、録画はPC、再生はネットワークに繋った専用デバイスで、というのが今後の主流になっていくような気がする。


日本のテレビ番組をアメリカで見る

東京放送(TBS)、フジテレビジョン、全国朝日放送(テレビ朝日)の民放3社が、地上波番組をネット配信するトライアルサービス「トレソーラ」の、第2弾の概要が少しずつ明らかになってきた。

昨年話題になった「トレソーラ」。

民放各社が実験的にテレビ番組をネット上に流して、需要の調査や技術的な問題点を探ったことで有名だった。 その第2弾がまた始まるとのこと。

公式にコンテンツを見られるのはうれしいが、PCでしか見られないフォーマットというのがネックでまだ試したことはない。 もうすこし自由度のある配布方法を提供してもらえると、うちのように海外に住んでいる人にとってはありがたいサービスになるのではないだろうか?

現在、アメリカで日本のテレビ番組を見るたの一番の方法はビデオレンタルだ。

シリコンバレーあたりでも、日本のビデオレンタル専門のお店が3、4件もある。どこかのテレビにビデオを繋げて直接録画したような映像だが、有名番組ならほとんどのタイトルが、手軽に、安く手にはいるため利用している人も多い。 中には日本にいたころより日本のテレビ番組を見てるという人も…。

そして、最近注目を集めているのが PC を使った録画サービス。 いや、正しくは 日本にTVキャプチャシステム付きのPCを置く場所とそこからのインターネット回線を提供するというサービスか。 日本に置いてあるPCへはWebブラウザか専用ソフトを使ってアクセスでき、そこで録画の予約、録画したファイルのダウンロードなどを行うといった操作になるようだ。 コンテンツを販売という方法ではなく、録画するための環境を貸すという視点が面白い。

日本語tv録画ネット といったところがこのようなサービスを行なっている。 (録画ネット はこの方法でビジネスモデル特許も申請しているようだ)

先にも書いたように日本に置くPCを購入するようなしくみになっているので初期投資額が高くなってしまうが、日本のテレビが大好きな人たちに人気のようだ。

そうそう。 どちらのサービスも見られる番組は東京圏のチャンネル。 ということは、日本にいても地方の人が東京のテレビ番組を見るのにも使える。 そして、まだ無いようだがこの方法を利用すればアメリカのテレビ番組を日本で見られるようにするというシステムも可能だろう。


AT&T が Do Not Call 違反

The Federal Communications Commission on Monday proposed fining AT&T Corp. $780,000 for violating telemarketing rules by calling customers who had requested not to be contacted by the No. 1 U.S. long-distance carrier.
(FCCは月曜日、AT&Tに対しナンバー1の長距離電話会社からの接触を拒否していたユーザに電話をかけたテレマーケティングルールの違反により $780,000 の罰金を伝えた。)

10月から始まった Do-not-call Registry の違反が見つかった。

違反したのは、長距離電話業界1位の AT&T という電話会社。 最初のターゲットとして何となく見せしめっぽい気もするけど、始まって以来 AT&T に対して 300件のクレームがFCCに届き、うち少なくとも78件が違反だとわかったそうだ。

これにより1件につき $10000、78件で $780,000 (およそ 8500万円) の罰金は痛いところだろう。

ひとつ気になったのは、最初にDo-not-call Registryを紹介したときに書いた

いろいろと例外はあるようで、FAQ によると以下の会社はこのブロックサービスの除外対象になっているため電話がかかってくるらしい。
* long-distance phone companies (長距離電話会社)
* airlines (航空会社)
* banks and credit unions (銀行、信用組合)
* the business of insurance, to the extent that it is regulated by state law. (州の法律で認められた保険業界)

の、長距離電話会社はブロック対象外だったこと。
再度確認してみたら、現在のFAQは基本的に全ての商業的な電話はブロック対象に書きかえられていた。 現在は以下のような決まりになっているのでここでも紹介しておく。

You may still receive calls from political organizations, charities, telephone surveyors or companies with which you have an existing business relationship.
政治団体、チャリティ、調査目的、そして、既にビジネス関係にある会社(既に商品を買った、サービスを受けた後18ヶ月以内の同じ会社)からの電話はかかってくる場合があります。

日本にいる間にこのサービスが始まったこともあり、はじめは気づかなかったが、確かに怪しそうなところからの電話(こちらのナンバーディスプレイサービスである Caller ID に表示される)の件数は減った。 個人的にうれしい話だ。 アメリカに住んでいてまだの人はぜひ登録をおすすめする。

http://www.donotcall.gov/


Nvu に期待

LindowsのWebサイトに掲載された告知文で、マイケル・ロバートソンCEOはNvuプロジェクトについて、MicrosoftのFrontPageおよびMacromediaのDreamweaverに匹敵するWebツールのコレクションを作り出すことが目的だと説明している。
 ロバートソン氏によれば、NvuはオープンソースブラウザMozillaのオーサリングエレメントであるMozilla Composerの一部コードを利用する。完成は来年の見通しだという。

Lindows の開発元が中心となって進めていることだけに当初は Linux でしか動かないかもしれないが、ベースが Mozilla Composer で、元Mozilla Composerの開発者が多数参加しているプロジェクト、そしてオープンソースなだけにこの成果は他のプラットホームへも移植されるだろう。

Dreamweaver も3.0までは使っていたけど、その後のリリースがプロ用のツールとして進化してしまった(そして高くなった)ためもう使っていない。 他のツールもそうだったけど、どうも進む先がプロ向けのツールと化すのはアップグレード、多機能化の弊害か? もっと初心者やちょっとだけ使いたい人向けのツールとして、もしくはApple の .Mac サービスで作成できるような機能限定でも簡単にWebページを作るツールがもっとあってもいいような気がする。 とりあえず、Nvu の成果に期待したい。

補足トリビア: FAQ によると Nvu は New View の意味でN-view (エヌ ビュー, 英語的にはエン ビュー(笑)) と読むのが正しいとのこと。


QuickCam SDK の復活を願う

このLogitech QuickCam Orbit webcamの撮影部は左右128度・上下54度の動作角度を持っており、左右180度・上下90度をカバーできる。手でカメラの角度を調整することももちろん可能だが、添付されているソフトウェアをPCにインストールすることによって、自動的に人の顔を追尾し、常に画面内へ映し出すことができる。

Logitech のカメラは小技が効いていたりして結構面白い。 以前は、モーションディテクタと呼ばれるカメラに写ったものが動いたことを知らせてくれる機能なんてのもあった。

ただ、これらの機能が買ったときに添付されているソフトでしか使えないというのが残念。 こういったソフトは使える機能が全部突っ込まれていたりするから一見いろいろできそうと思うが使っているとうざい。ちょっと画面の隅にでも出て欲しいという場合には使えない。

Logitech は QuickCam を使ったソフトウェアを自分で作れのるようにするためのSDKを配布(英語)しているのだが、しばらくアップデートもされておらず 今回のQuickCam Orbitを含む最近のQuickCam の機種は対象外、SDKの動作環境に Windows XP が入っていないというのが現状だ。

自分でも昔、このSDKの存在を知ったとき QuickCam Web というカメラを手に入れ、職場にセットし、モーションディテクトの機能を利用して誰かが近づいたときだけ画面にカメラからの絵が表われるというソフトを作って使ったりしていた。 ところが環境をXPに移行したら使えなくなってしまったという悲しい過去もある。

この自動追尾機能も、一般に公開してもらえたらいろいろできそうなのに残念。
これは他のハードウェアベンダーにも言えるのけど、せっかく魅力的なハードウェアを作ってくるのなら、もっといろいろな使い方ができるようにSDKにも力を入れて欲しいものだ。


Warriors 今シーズン初勝利

Mike Dunleavy had career highs of 32 points and 11 rebounds, and Calbert Cheaney scored 20 points in the Golden State Warriors’ first victory of the season, 104-90 over the Philadelphia 76ers on Saturday night.
(Golden State Warriors が 104-90 で Philadelphia 76ers を下し、今シーズン初勝利を飾った試合で、Mike Dunleavy はキャリアハイの 32得点と 11リバウンド、 Calbert Chaney は20得点をとった。 )

Warriors ネタが続いてすみません。 でも、この喜びは書かずにはいられない。

水曜の試合とはうって変わって自信をもってプレイしていた Warriors 。 今日はテレビで観ていたが、各選手の積極的な働きぶり、試合展開を見極めたプレイぶりなど、どこをとっても試合の内容は昨年以上だった。 とくに Mike Dunleavey Jr. のボールをもらったら躊躇せずにシュートをうち、それが決まるのには驚き。 昨年からカントク が頑に使いつづけた彼の本来の姿が出たのだろうか。

コーチ陣の作戦もよかった。 これまでWarriors戦で平均27点ほどとっていた Allen Iverson を極端なぐらい早めにダブルチームにいったことで 19点に抑えられ、相手にペースをつかませなかった。 Iverson に偏りすぎた分、アウトサイドにいた Aaron Mckie に3ポイントを決められはしたが、 その分 Warriors も崩れずにオフェンスに集中できたのでこの作戦は当たりだと思う。

正直、初勝利は早くて水曜日の Atlanta Hawks 戦だと思っていたのでこの勝利、いやこの試合ぶりはとてもうれしい。 今日の Lakers 戦も楽しみだ。 アウェイの Lakers 戦でも昨日と同じようにできれば、戦力が揃う前でも勝率5割が達成できるかもしれない。