大前研一:テレビ局を今さら買収する楽天のセンスの悪さは致命的 – nikkeibp.jp – 企業・経営
さらに大前氏は、アメリカで全視聴者の20%が利用しているという「TiVo」を紹介した。
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そして、もう1つの特徴は、CMが自動的にカットされて再生されるという点だ。
TiVo に 「CMが自動的にカットされて再生される」 なんて機能は無い。
普通の早送りをする機能(と、裏ワザとしてボタンを1回押すだけで30秒スキップという機能)があるぐらいだ。 おそらく、日本のハードディスクレコーダーとほとんど変わりないんじゃないだろうか。
たしかにテレビ局は TiVo を使って簡単にCMを早送りできることからCMの価値が下がることを懸念しているが、全てをTiVoで見るわけじゃないし、TiVoがあることによってこれまで見られなかった番組が見られる(=CMを見る機会も増える)という利点もある。 時代の流れを察知しながら、共存できる道を探しているのが今のアメリカのテレビ業界の現状だと思う。
ラジオと違って、ビデオコンテンツは時間も手間もコストもかかるし、プロと素人のクオリティの差も激しい。 まだ確立されたメディアでないことから、しょーもないコンテンツばかり揃えてユーザに見切られてしまうのも避けなければいけない。
Apple の iTunes Music Store にしても Steve Jobs と Disney の繋がりで ABC テレビのコンテンツが提供できたが、アメリカにある他の大手テレビ局は別のところと提携してコンテンツを提供しようとしているため、今後の展開はまだ不透明だったりする。
そんな背景から考えると、テレビ局や映画会社と提携しコンテンツを囲いこんで、自分のところのインフラの価値を高めようとしたり、プロレベルのコンテンツ制作を期待しようとするのは、ネット配信の第一歩としてそんなにおかしな話ではないと思う。 ただ、テレビ局を買収するのはやり過ぎというかヘンな方向に行っちゃってるというか、センスが無いと思うが…。
先に書いたように、確立されたメディアでないことから思いもよらないアプローチによって新たなコンテンツが出てくる可能性もあるかもしれない。 大前氏もそれを意図してのちょっと過激な発言だったのだと思うが、既存のコンテンツの囲い込みというのも戦略上重要なポジションを占めているのが実状ではないだろうか。
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