大統領選挙も明日に迫った。世論調査では Barack Obama 氏がかろうじてリードを保っているが、「ブラッドリー効果」(世論調査では人種差別を隠すために黒人候補に投票すると言っていた白人の有権者が、実際は白人候補に投票する行動) という言葉もあるように、終わってみるまではまだまだどうなるかわからないところ。
大統領選挙とともに、差別という点でもうひとつ重大な投票がカリフォルニア州で行われる。Proposition 8 (Prop 8) というカリフォルニア州の条例で、内容は端的に言えば「ゲイ(同性愛者)たちの結婚を認めなくする」というもの。
カリフォルニア州は2000年に、結婚は男女間においてのみ認められるという Prop 22 という条例を可決。ゲイの結婚は認められないことが法文化されることになったが、2004年にSan Francisco市長に当選した Gavin Newson 氏は California 州法は全ての人が法の下に平等であるという原則があることから、Prop 22 はゆきすぎだと主張、San Francisco 市においてゲイの結婚を認め、結婚証明を発行すると発表した。
この行動にカリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事が待ったをかけ、約半年後には認めた結婚は無効になってしまった。 しかし、San Francisco 市はカリフォルニア州に対し異議を申したて、2008年5月15日カリフォルニア州の最高裁判所はProp 22 は法の下に平等の原則に合わず違法だと判断した。 これに合わせサンフランシスコも再びゲイの結婚を認めることとなった。
この直後、結婚は男女のみという制度を再度住民に問うための Prop 8 が認められ、今回の投票となったのが背景。 (Wikipedia の Prop 8 の項目から抜粋)
この条例に YES で同性結婚禁止、NO で同性結婚許可という投票になるんだけど、YES派、 NO派 ともにものすごい量のテレビコマーシャルを放映している。
YES派の主張は、同性の結婚っておかしくね? 2000年の Prop 22 でも禁止したのにそれをくつがえすのおかしくね? というちょっと感情に訴えるような論調。 マケイン氏は YES派。
対して、NO派の主張は、上に書いた歴史的なこともあり、ゲイの結婚を禁止することが平等であるか、差別にならないかということを中心に訴えている。 オバマ氏は NO派。
以前はYES派、NO派の露出度は同じように思っていたが、最近になって NO派の露出が激しい。特にハリウッドのスターがNOのコマーシャルに出たり、Google や Apple といった企業が NO だと表明。寄付金に関しても 10万ドル(およそ1000万円) 単位の献金のニュースが流れるように流れが NO に向かっているように思える。
先ほどの、Prop 8 の Wikipediaページによると、寄付金のトータルはほとんど変わらないが、10月1ヶ月間に関してはおよそ4倍 NO派の方がお金を集めている。
世論調査では NO派が何とかリードしているものの、こちらもどうなるかまだまだわからない。 差別がからんだこちらの投票の行方も明日は注目だ。
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