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シリコンバレーで家を買う 9 (最終回) – Escrow (エスクロー)

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Offer が Accept されるとその後の取引は Escrow というサービスに委ねられる。Escrow は、売買するにあたって中立の第3者が間に入ることで、お金を払った、商品を渡したといった取引を保証してくれるサービス。 日本ではオークション関連でこういったサービスを聞いた人もいるかもしれない。

不動産の売買するときは、大抵は Title Company と呼ばれる家の名義を管理している会社が、買い手から売り手へのお金の支払い、そして売り手から買い手への名義の変更を確実に行うことを保証することになる。

Escrow の期間はだいたい1ヶ月から1ヶ月半ほどで、Offer を出す時点でどれくらいの長さにするか決める。(売り側からこれくらいの時期にして欲しいというリクエストが来る場合もある)。

この期間の最終日を Escrow の Closing Date といい、この日に晴れて物件が自分のモノになる。 ウチの場合も1ヶ月半ほどだった。

ただ、Escrow の山場は Closing Date のおよそ1週間ほど前に行われる Sign Off (サインオフ)という手続き。 売り側と買い側の双方が Title Company に行きさまざまな書類にサインを行う。

売り側がどんな書類にサインするかはわからないけど、ウチは1時間ほどかけて書類にサインしまくった。 そのほとんどはローン関係の書類。  ちなみに、この Escrow の担当者は Notary Public で、サインは全部担当者の目の前でおこない、最後にサイン証明した。

書類の山にサインしたあと、買う側が払わなければいけない頭金+手数料の最終金額が教えられ、そのお金の入金方法を指定される。ウチの場合、方法は Wire Transfer (銀行振込) か Cashier’s Check と呼ばれる銀行が発行する小切手を Title Company に持ちこむという方法の2つだった。

ウチは Wire Transfer を選んだんだけど、アメリカでは通常小切手を郵送する方法が一般で Wire Transfer は初めて使った。手順としては窓口へ行って、Wire Transfer したいと伝えて Escrow から指定された入金方法の紙を担当者に見せれば いいだけなんだけど。 送金金額にかかわらず手数料が $25 (約2500円) というのに驚いた。 これじゃ誰も使わないよ。(今回は金額がでかいだけに使わなかったけど、オンラインならもう少し安い。それでも $15 前後かかるみたい。)

頭金とローンのお金が Closing Date の前日までに Escrow の口座に届けば買う側の手続きは全て完了。

Closing Date の日に名義が書き変わり、物件の引き渡し前の最終チェックをし、鍵を受けとったら名実ともに物件が自分のモノになる。

ふぅ、長かった。最初は体験記風に書こうかと思ったんだけど、その前に予備知識として伝えておきたいことも混ぜていったら何だかぐちゃぐちゃになってしまった。書いてる方も途中でダレたぐらいなんで読むほうも大変だったんじゃないかな。 ここで書いた情報がどこかで役に立てば幸いです。


シリコンバレーで家を買う 8 – Inspection

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ローンの決定に並んで大事なのが物件の最終チェック。

物件は売りに出される前に、どこをリフォームしたか、現在わかっている問題点や、周辺の犯罪状況などがわかるようにまとめられた Disclosure と呼ばれるドキュメントが用意されている。 Open House の家にはバインダーに入ったこのドキュメントが置いてあるし、売り側の Realtor に言えば PDF の書類をダウンロードできる場所を教えてもらえる。

買いたいと思うような物件に出会ったらまずはこの Disclosure を手に入れ、できるだけ早く目を通しておくといいと思う。

これに加え、いちおう、売り側も Inspection を済ましているが、念のため専門の業者を雇って Home Inspection (家の検査)、Termite Inspection (白アリ検査) といった Inspection を行い、買う物件が本当に大丈夫か確認をする。

これらは Contingency Period がある場合はその間に、ない場合は Offer の前までにできれば済ませておきたいところ。

ウチは家といっても Townhouse というマンションと一軒家の中間という物件で、家っぽいけどマンションと同じで所有権があるのは家の中だけ。 今回、Home Inspection をしてもらったが見られるところは限られていた。

それでも、アメリカの家は古いので、今は大丈夫でもいずれ問題になりそうだと思われる箇所を指摘してもらえたり、ブレイカーボックスなどあまり気付かないものの場所が確認できたりしてそれなりに意味はあったかな。 ま、半分は念のためとか安心料的なものもあるかも。


シリコンバレーで家を買う 7 – Mortgage

True North Mortgage store front
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Offer が Accept された後、できるだけ早く手がけなければいけないのが住宅ローン (Mortgage) の決定。 大抵のことは Pre-Approval のときに決めているんだけど、まだ触れていなかったので Mortgage のことをちょっと紹介。

アメリカの Mortgage は大きく分けて2種類がある。

  1. Fixed Rate Mortgage
  2. Adjustable Rate Mortgage (ARM)

Fixed Rate Mortgage というのは、固定金利で一定期間の間の金利が固定されるローン。多くは30年ローンで、15年という期間のローンもある。

Adjustable Rate Mortgage というのは最初の数年の金利は固定だが、その後は市場の金利などに応じて毎年金利が変わるというローン。 固定金利の期間は3年や5年や10年といったものがあり、固定金利の期間が短いほど金利は安くなる。

どちらも、金利(Interest)と元本(Principal) 両方を払うのが普通だが、ARM のローンにはたまに Interest のみしか払わないものや、さすがに最近はないと思うが、バブル期には Interest の一部しか払わない(つまり毎月負債が増えていく)なんてローンもあった。

こういったローンは、不動産が将来上がることを前提に考えられていて、オレからするとリスクが高いと思うのだが、アメリカの人は結構こういったローンを選ぶようだ。

彼らのロジックは、お金を貸してくれるのなら借りられるだけ借りて、値段の高い物件を買い、月々の支払いを抑えるのに都合のいいローンを選択。 あとで物件の値段が上がればレバレッジが効いて借金も返せる上に儲かってウハウハ、というもの。 物件の値段が下がると借金もより増えるというリスクはあまり考えない。

とくに数年前は業界全体がこんな感じで、不動産買えるのに買わないとは何てアホかと、お金貸してくれると言ってるのに借りないとは何てバカかと言わんばかりの感じだった。

オレにはこの能天気というかイケイケな考えになかなかついていけずアメリカ人相手に不動産やお金の話をするのは何かイヤと思うようになってしまった。 Realtor や Mortgage Broker に日本人の人を選んだのはこういう理由もあった。

さて、ローンの種類が決まったら申請を行うのだが、申請には Pre-Approval で提出した書類に加え、Appraisal というものが必要になる。 これは、買おうとしている物件の査定で、ローンを発行する銀行、会社が(調査機関に依頼して)独自に調査をする。 Appraisal の結果はローンが下りるか、もしくは頭金をもっと払うことになるかといったことに大きく影響するため、これがはっきりすることを Contingency Period に組みこむことも多い。

最後に、Interest Rate (利率) のロックをすればローンの申請が完了する。 アメリカの Mortgage の Interest Rate は1日に何度も見直されるので、あるタイミングでロックをし、そのレートで申請をするというわけ。 ウチも1週間ほどこの数字とにらめっこし、ロックをしたんだけど、その間は急に上がったりしないかヒヤヒヤだった。


シリコンバレーで家を買う 6 – Offer

filling out forms to make an offer on a house….
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実際に不動産を購入しようと決めた場合は、Offer Sheet というものに自分の希望する金額や条件を書き、売り側に提示(Offer) する。 売り側はそれに満足すれば Accept して売買の仮契約のような状態になる。

売りに出される物件にはとりあえず値段が付いているが、これは Asking Price と言い、売り側がいくらで売りたいと思っているがどうでしょうかとaskしている金額。

買う側はその金額がもとに、例えばもう長い間売れずに残っているため少し安くても Accept してもらえそうだと思えば Asking Price より安い値段で Offer ができる。

逆に、人気のある物件の場合はいくつかの Offer が入ることがある。 この状態を Multiple Offer と言い、こうなると Asking Price より高い値段を書かないと多くの場合 Accept されない。

多くの場合と書いたのは、不動産の場合はオークションと違って一番高い値段で Offer したものが Accept されるとは一概に言えないらしい。

売り側は途中で、やっぱりローンが下りませんでしたと売買をキャンセルされるリスクを避けるため、少しぐらいの差であれば頭金を多く払ってくれる Offer を優先したり (Pre-approval が取れてないなんて問題外)、最終的に売買が完了するまでの期間など、買い手が提示してくる条件が売り側に都合のいい Offer を優先したりする。

ここで、Offer 時に書かれるいくつかの条件について説明しておこうと思う。

一番重要なのは Contingency Period (仮契約期間) というもの。 Offer が Accept されてから何日間かを仮契約期間とし、その間にローンの申請をしたり、Open House では確認できない物件の状態をプロの人に調査してもらったりし、本当に買えるのか、買ってもいいかを確認するために用意される。

この期間中に問題が見つかった場合はペナルティなしで契約をキャンセルできるため、売り側はできるだけ短くしたいし、買う側はできるだけ長くしたい。(それ以降は買う側がキャンセルした場合取引金額の 3% のペナルティがかかる。売り側がキャンセルしたい場合は特に決まってなくて要相談になるらしい。) 通常は1週間〜10日ぐらいが多いようだ。

次は、Closing Date と呼ばれる売買完了日。 頭金の工面や手続き書類の準備にかかる時間のために用意され、この日をもって物件の権利が移動することになる。 この日は一概に短いほどいいというわけでもなく、例えば売り側は平行して新しい家を買おうとしている場合、その新しい家の Closing Date と同じぐらいの方が喜ばれたりする。

あとは、As Is と呼ばれる条項。As Is の場合は現状引き渡しで、そうでない場合は 売り側が開示してなかった大きな問題が見つかった場合は売り側に修理を依頼することができる。売り側としてはそうしたリスクを避けるためにも As Is でできるだけ売りたいと思っている。

とまぁいろいろあるのだけど、この段階になると売り側と買う側の Realtor (リアルター)は頻繁に話しあっているため、大筋では条件などがわかっていることが多い。例えば、As Is を希望しているとか、他にも興味を持っている人がいるらしい、おそらくMultiple Offerになるといった情報はあらかじめ分かった上で自分たちの Offer を書くことができる。

また、買う側が出した Offer に対し、売り側はもう少し値段を上げて欲しいとか条件は変えて欲しいという場合、Counter Offer という逆 Offer を投げてくる。 その場合、買う側は Offer の一部を書き直し再度 Offer を出す。場合によっては Counter Offer 1, Counter Offer 2 という形で何度も Offer が往復することもあるので、一度の Offer で決める感じじゃなく、何回かやりとりして双方の落しどころを探していくという感じに近い。


シリコンバレーで家を買う 5 – House Hunting

The Frœkjærs go House Hunting
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Pre-approval は取った。Realtor も決まった。 あとは 自分の気にいった物件を見つけるだけ。こうやって家を探すことをアメリカでは House Hunting と言う。

特に Realtor が見つかったことで、Open House に一緒についてきてもらいプロの目から物件の善し悪しのコメントをもらったり、通常の Open House じゃない日でも売り主に都合をつけてもらって物件を見られるようになったりと House Hunting もラクになった。

ただ、なかなかコレというのは見つからない。 ふりかえってみると、この原因は見ている物件数が少ないのでいいか悪いか判断できないのと、買うということばかり先走ってどんな家が欲しいのかというイメージがないからだったと思う。

結局ウチは今の家に決まるまで Open House は 40件以上見て、期間にして1年ほどかかってしまった。 ただ、アメリカの不動産市場は学校の年度が終わる6月〜8月に合わせて活発になり、11月〜翌年の3月ぐらいまではオフシーズンなので実質動いたのは半年ぐらいの間になるかな。

初めは勉強ばかりだった物件探しも、数をこなしていったり Realtor からのアドバイスを聞いたりしてこんな感じでポイントが決まっていった。

1. エリア

物件のあるエリア、特に子どもがいる家庭の場合は学区が重要になってくる。いい学区の学校に行くことが絶対正しいとまでは言わないが、いい学区=人気が高い、治安も安定しているとも言えるのでいいバロメータになると思う。アメリカの学区に関してはコチラのBlog がとても参考になる。

2. 立地

ウチは静かな場所が好みなので、交通量の多い道や交差点に面しているような物件は避けた。また、前のアパートがとても暑くなったのがイヤだったので夏に西日が当たるような向きの物件も避けた。こんな感じで、買ったあとで直したりできない条件をあらかじめ挙げておき、それを基準に物件を探すといいと思う。

3. 間取り

予算に応じてベッドルームの数やバスルームの数というのはおのずと決まってくるけど、それらがどのように配置されているかは物件ごとに変わってくる。ウチは、ここに引越したらどこにどんな家具を置くかと考え、自分たちが住むイメージが浮かぶかという風に考えた。

そうすると例えば、リヴィングルームは広い方がいいとか、Breakfast Area (ブレックファーストエリア)と呼ばれるスペースがあったらいいといった条件が決まってくると思う。

4. 内装

内装は意見のわかれるところだが、ウチは初めてだし、めんどくさがりということもあってできるだけリモデル(リフォーム)済みのところを探した。リモデルしてある物件はその分値段が高くなる傾向にあるので、そうでない物件を安く買って自分の好みにリモデル(リフォーム)してから住む方を好む人もいる。

内装に関しては、Open House 中の物件は Staging (ステージング) という Open House 用にキレイな家具などを配置してよく見せることがあるので注意がいる。キレイな家具や装飾に妄想が膨らみ、買ってみたらその家具はなくなって「こんなはずじゃ…」とはならないように。


シリコンバレーで家を買う 4 – Realtor (リアルター)

Orlando 08 signs.jpg
Originally uploaded by Long Island Business News

Open House の説明の時に少し触れたが、こちらの不動産の売買は多くの場合売る側 (Seller)、買う側(Buyer) 双方に Realtor (リアルター) と呼ばれる人が雇われ、ややこしい交渉事や書類手続きといった作業を代わってやってもらえる。Realtor は不動産エージェントとも呼ばれる。

ウチも本気で家を買うつもりならどこかのタイミングで Realtor を決めないといけないが、これもどこから手をつけていいかわからずなかなか決まっていなかった。

そんな中で、”ところで不動産のエージェントはお決まりですか?” と聞かれたのはまさに渡りに船。決まっていないと答え、おすすめの人を紹介してもらった。(紹介って大事だ…)

最終的に自分たちが住んでいるところから少し離れているがこちらの生活が長い日本人の方にお願いすることにした。

買う側のRealtor は自分が買おうとしているエリアを専門にやっている人がいいという意見もある。一理あるとは思うが、今やインターネットで物件の情報やトレンドはリアルタイムでキャッチできるし、顔合わさなくてもメールや電話で連絡をとることができるので最近はそんなに関係ないんじゃないかな。

それより今回、家を買ってみて思ったのは、自分たちの考えをよく理解してくれて、きちんと行動してくれる人というほうが大事だということだった。

Realtor の人は家の購入が完了した場合に、その金額の何%かを受けとるという成功報酬型がほとんど。 そのお金も不動産の購入金額の中に含まれているので買う側は Realtor にお金を払ったり、いついつまでに買うといった契約書にサインするということはなかった。

また、売られている物件の中には、”For sale by owner” となっているものもある。 これは Realtor を介さないことで、Realtor に払う報酬をなくし相場より安く売ろうとしている物件。この時は買う側も Realtor を介さずに買うことが多いようだ。

そうそう。実際に家を買うという段階になったら Realtor  から書類が送られて、サインして送り返すという機会が多くなる。 最近は書類は PDF で送られれてくるので、それをプリントするプリンターと、送り返すための FAX かスキャナー(スキャンしてemail で送り返す)は手元にあった方が絶対いい。


シリコンバレーで家を買う 3 – Pre-approval

Rather proud.
Originally uploaded by This Year’s Love

“Pre-approval は持ってる?”  と聞かれたオレたち。

持ってないので “No” と答えると、

“ダメよ。今、家買うなら Pre-approval 取ってないと話にならないわよ”

と言われてしまった。Pre-approval は、ウチのように家を買おうとしている人にその金額の住宅ローンがおりるということを証明する書類だった。

似たようなものに Pre-qualify というのがあって、以前はこれをもらうことが家購入の第一歩と言われていたが、Pre-qualify は簡単なチェックですぐ発行され実際にローンがおりないこともあるため最近はあまり意味をもたないらしい。

そんなわけでウチも Pre-approval をもらうべく行動に出た。 Pre-approval は銀行の Mortgage (モーゲージ、住宅ローン)担当 か、Mortgage Broker (モーゲージ ブローカー)、 Loan Officer (ローン オフィサー)と呼ばれる人を訪れて発行してもらう。

どちらも選ぶのに困るぐらいいっぱいるのだが、ウチは初めてだったのとアメリカ的なファイナンシャルの考え方にちょっと疑問があった(これについては別の機会に書きます)こともあり、日本人の Mortgage Broker の方にお願いした。

Pre-approval をもらうためにウチが提出したのは以下の情報。

  • W-2 (1年分の給料や源泉徴収をまとめた確定申告用の書類)2年分
    (会社員の場合は、同業種で2年以上の職歴がないとややこしいらしい)
  • 給料明細2ヶ月分
  • 銀行口座の明細2ヶ月分
  • 株やファンド(投資信託)の口座の明細を2ヶ月
  • 401K (年金) の明細を半年分 (明細が3ヶ月単位だったので 3ヶ月x2 の半年分)
  • クレジットスコア/ヒストリ

つまり、ウチの資産全部。 そして、クレジットヒストリには現在払っているローンやクレジットカードの残高(使用状況)も表示されるので借金情報も全部提出することになる。

クレジットスコアは家のローンに限らず、アメリカではお金を借りるときによく使われる(過去のエントリ)。 住宅ローンの場合、クレジットスコアは 740 ポイント以上なら Excellent ということで標準より低い利率、 739-660 ポイントが Prime という標準の利率、そして 659  ポイント以下の場合は Sub-prime という標準より高い利率でローンを借りる感じとなるらしい。基準となるスコアは微妙にローン会社によってちがうこともあるので上の数字は参考程度に。

ちなみに、アメリカ不動産が調子よく値上がっていたとき、Sub-prime な人たちにもお金をどんどん貸したが、不動産の値が上がらなくなり回収不能になってしまい大変なことになったのが例のサブプライム問題ってヤツです。

話を戻すと、Pre-approval を申請するときには、担当者の人とローンの種類や頭金をいくらにするかといったことをシミュレーションし月々の支払い金額はいくらぐらいになるのかといった計算する。 また、ローンの手続き費用や、不動産の名義変更費用など、家を買うときの総額も教えてもらえるのでこの手続きをすると家を買うということがグッっと現実味を帯びてきた気がした。

およそ2時間ほどかけてひととおり Pre-approval 申請の準備したところでこんな質問を受けた。

“ところで不動産のエージェントはお決まりですか?”

(次回に続く)


シリコンバレーで家を買う 2 – Open House

for sale sign

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シリコンバレーの不動産物件は95%以上が中古(しかも築20-30年がザラ)で、売りに出る物件を直接見て気にいったら買うという方式が一般的。といっても、そこにはまだ人が住んでいることもあるので、家を公開して買いたい人に見てもらう日を設けている。これを Open House と呼ぶ。

ウチも子どもが産まれて3ヶ月を過ぎたころから、まずは市場調査という感じで Open House をまわりはじめた。

どこで Open House が開かれるかという情報は最近はオンラインで探すことができる。総本山的なサイトが mlslistings.com というサイト。通常ルートで売りに出されている物件および、いつ Open House が開かれるかという情報はここで見ることができる。

ただ、mlslistings.com はちょっとサイトの使い勝手がイマイチ。ウチはここではなく redfin.com というサイトを使っていた。redfin.com はインターネットを使って不動産販売のルールを変えるとも言われているサービスで、最近急成長している。 ウチはredfin.comを通して買うことはなかったが、Google Map とマッシュアップした物件検索は使いやすくていつも使っていた。

Open House というと敷居が高いと感じる人もいるかもしれない。 ウチも始めはドキドキだったが、大抵は Open House を主催しているリアルター(不動産屋) に “Hello” って挨拶し、リアルターから”Just ask me, if you have any questions.”(何か質問あれば聞いてね)と言われるぐらいであとは好き勝手見ることができすぐ慣れた。

Open House は見にくる人も多いし、近所の人が興味半分で見にくることもあるのでリアルターの人も イチイチ全員に一生懸命応対していてはやっていけないんじゃないかな。Open House は冷やかしでも何でも大丈夫なんで興味のある人はどんどん見に行くといいと思う。

そんなわけで、ウチも Open House を何軒かまわって訪れたある家のリアルターにこんなことを言われた。

“Pre-approval は持ってる?”

ん?  Pre-approval って何だ?

(次回につづく)


シリコンバレーで家を買う1 – きっかけ

前回のエントリからあっと言う間に1ヶ月。 早いなぁ。 実はこの間に家(といっても Townhouse ですが) を買って、引越しをしてました。

もちろん、アメリカに来て初めて家を買ったんだけど、こういった情報は特に日本語ではなかなかなかった。 ということはこのブログの出番なんじゃないかと(笑)。

まだ、新しい生活の中にブログを書くという時間がなかなか見つけられないんだけど、これから数回に渡って、我が家の購入体験記を書いていこうかと思っている。

今回は、まずウチが家を買うことになったきっかけについて。

しばらく前まではシリコンバレーで家を買ったら数年後にはウハウハ。なんて言われていたが、サブプライム問題の発覚後はさすがにこのあたりの不動産も値が下がっていて、今後もどうなるかわからないでいる。

そんな中ウチが家を買おうと思ったのは、子どもが産まれてこれまでのアパートは洗濯がアパート内のコインランドリーで不便だったり(ウチのアパートに限らず、アメリカのアパートは今でもコインランドリー式が多い)、駐車場がちょっと離れていたり、とても暑くなるときがあったり(笑)と気になることが増えてきたのがきっかけだった。

これだけならコンドミニアム(日本のマンションと同じもの)や一軒家を借りても解消されるのだが、前に住んでいたアパートは子どもが産まれる直前に売却され、新オーナーが家賃を40%もアップしてくるということがあった。 半ば退去勧告みたいなものだったが、動くに動けなかったため渋々了承。 この一件で借りる側の立場の弱さを感じ、次に住むところは何とか買えないかと思いはじめたのだった。

ウチの場合はちょっと感情的なところもあったが、家を買うほうが得か、借りつづけるほうが得かというのはよくある問題で、NY Times には計算アプリケーション(要 無料会員登録) というのも載っている。 ただ、これにしてもローンや預金の利率や景気などいろんな要因で変わってくるので最後は当人たちの気持ち次第になるんじゃないかな。ウチも買ったのが本当に正解かどうかは未だにわからないし、たぶんずっとわからないと思う。

そんなわけで、次回から購入までの大きな流れとウチの体験談を書いてきます。


Google Moon すごい

いろいろと忙しくてタイミングを逸してしまった感があるが、先週 7/20はアポロ11号が月面に着陸して40周年という記念すべき日ということで再び月に注目が集まった。

これにあわせるように Google Earth にアポロ計画を始めとする各国の月探索の歴史を見ることができるようになる Google Moon というモードが搭載された。

今さらながら試してみたが、こいつがスゴい。

Google Moon スクリーンショット

Google Moon スクリーンショット

おなじみの Google Earth のように月面上を移動できるのに加え、アポロの着陸船の3Dモデルや、宇宙飛行士や宇宙船が撮影した写真やビデオなどが撮影した場所の上にちりばめられている。

極めつけは、アポロ11号と17号の月面活動の様子をまとめた Guided Tour というコンテンツ。 ナレーターの語る内容に合わせ、Google Moon を自在に動かし映画のようなドキュメンタリーがものすごくよくできていて見応えがある。

できれば Google Moon でぜひ見てもらいたいが、 YouTube でもムービーが見られるので Google Earth をインストールしてない人はこちらを見てほしい。

Google Moon では日本のかぐや(Selene)が撮影したハイビジョン映像も見ることができるが、これも月面上のどのあたりを撮影したのかわかりやすく見ることができる。(Google Moon 上の水色のマークが大体それ)

チープな感想だけど、10年ほど前に「次はマルチメディアだー」といろんなコンテンツを模索していた時期があったが、なんかひとつの到着点を見た感じがする。なんでもこうやって表示することがいいとは思わないけど、3Dモデルって Google Earth 以上に、Google Moon のような使い方のほうがいろんな見方ができていいなぁと。