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米テレビではこのところ、賞金や恋人、名声などを狙って一般人が競い合い、筋書きのないドラマを展開するリアリティー番組の放送が過剰気味で、こうした傾向が視聴者離れを招いている。
2ヶ月ほど前に、こちらのエントリで書いた、秋の新番組は勝ち負けが決まりはじめてきた。
自分の紹介した番組をふりかえる前に、アメリカのテレビ番組(特にドラマ)が放送されていくしくみを紹介。
アメリカのテレビ番組は、まずパイロット版と呼ばれる話が制作され、テレビ局内で評価される。そのため、パイロット版(たいてい第1話)は比較的ゴージャスな作りになっているものが多い。 局に気に入られて放送が決まったら、3-5話程度(多いときは10話ぐらい一気に)制作され、パイロット版に続いて放送される。
放送は常に視聴率で評価され、途中だろうが何だろうが人気がない番組はシーズン途中に打ち切りになるというシビアな世界。 放送そのものも 1ヶ月ぐらい放送して、しばらく休んで(その間は再放送や別の特番が流れる)、また続きを放送するという流れをくりかえしていく。 アメリカのドラマが1話完結ものが多いのは途中でキャンセルされても大丈夫なようにするためと、途中から見始めた人も番組に入りやすくするという意味がある。 ドラマ「24」が珍しい続き物だったのは斬新だが、結構なカケだったと思う。
翌年の4-5月ぐらいまで放送してシーズンフィナーレを迎えられると、総合評価で来年も続けられるかどうかが決まり、翌年も同じような流れで制作されていく。もちろん、大人気だった番組は、シーズン途中に来年も放送決定になることもある。
というわけで、その後。
Joey
初回から、フレンズの影をほとんど感じさせないような作りにすることでうまくスタートできた。 裏番組のサバイバーが協力なためフレンズほど数字は出ていないがまずまず合格点ではないだろうか。 ただ、脇を固める役者たちがちょっと弱いような気がするので、来年も続けられるかはまだ微妙な気がする。 そうそう。 ジーナは妹じゃなくて姉でした。
LAX
夜10時スタートのこの番組は東海岸では裏で Monday Night Football というアメフト番組と重なるため、視聴率が延びず苦戦中。 NBC は、まだまだこんなもじゃないと考え、とりあえず放送時間を水曜日の9時に移動することで様子を観るようにしたが、これまた裏番組に Lost がぶつかるため苦戦が予想される。 裏番組以前に、主役を2人を用意したことで話の中心がうまく定まっていないせいか、何となく内容が薄いような気がしてならない。 まぁ、空港を舞台にしても毎週毎週テロばかり扱うわけにはいかないので構成としても難しいところだろうか。
Lost
初回からど肝を抜く映像で遭難の様子が描かれ(パイロット版ならではの映像)、その後、遭難している一人一人に焦点を当てていくことで、予算を減らしつつもストーリーに奥深さを出している。 不思議なことがいっぱい起こる不時着した島はどこなのか、彼らは助かることができるのか、それもどうやって? と回を重ねるごとに疑問は深まっていき、今後も楽しみのシリーズだ。 ただ、謎を深めすぎて、最後は夢オチだったなんてことにならないか心配。
The Benefactor
何をすることで100万ドルが与えられるかはっきりしていなかったので、観ていてもつまらなかった。 単にMark Cuban のご機嫌を損ねるとアウト、うまくいけばセーフという展開では、観ている方も入っていけないだろう。 放送回数短縮は正解だと思う。 The Apprentice は仕事をうまくやりとげるという目標があり、その様子は観ている方も何らかの批評ができる。 この人はうまくやってる、この人の仕事ぶりはダメだなと番組を観ながら一緒になって入っていけるモノがあるかどうかがこういったリアリティーショーのポイントではないかと思う。
Boston Legal
初回だけ観たけど、法廷モノはやっぱり難しい。 個人的にはDavid E. Kelly 狙いすぎじゃないの? というぐらいヘンな事件が続いて、観ていたオレは逆に引いてしまったけどアメリカ的にはそこそこ好調らしい。 もっと英語が理解できないとこの良さはわからないのか…。
アメリカのテレビ業界としても、素人を集めてカメラを回すことで比較的簡単に製作できるリアリティーショーでも数字が取れなくなってきたことで次なるシフトも考えられる。 これからのトレンドは…この前のトリビアの泉の英語版のように日本のバラエティ番組のようなモノが輸入されていってくれると嬉しいんだけどなぁ。
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