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Macworld Expo 2008 観覧記 その2 – いつもと違った Apple ブース

MacBook Air が目立つ Apple ブースだが、例年とはちょっと違った感じ。 それは Apple のブースは基調講演で発表された新製品ばかりが展示されていた。

入口近くのテーブルに MacBook Air

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ステージの両側に iPhone と iPod touch (ともに最新 Firmware) の展示テーブル、

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ステージに沿ってそのまま左に行くと Apple TV (Take 2) の展示、

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右に行くと先週発表された Mac Pro、これだけが唯一の例外だった。

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例年なら、OS X やら iLife やら、MacBook Pro やら iMacやらと Apple のショールームのような感じでいろんな商品が紹介されていたのだが、今回は既存の製品に関するコーナーは一切なし。 今年の Apple のブースは少数精鋭という感じ。

MacBook Air に注目を集めたかったからか、製品群が増えただけに中途半端にコーナーを作っても意味がないと判断されたのかはわからないが、MacBook Air と MacBook や MacBook Pro との比較ができなくて残念だった。

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Apple TV は Movie 関連の機能を強化したとのことだけど、まだまだ一般の人向けに浸透するにはどうかなぁと疑問。 UIの素晴しさはうらやましいけど、テレビっ子なオレはTiVoの方が使い出があるかな。 テレビに接続して使うだけにテレビ放送+αなのがこの道のアプローチなんじゃないかと思うんだけどどうだろうか。

ウチで買った Wii にしてもいろんなチャンネルがあって楽しめるという触れ込みだったが、ゲームをプレイしたついでにいろんなチャンネルをチェックすることがほとんどで、プレイしたいゲームもなくなった最近は電源を入れる機会が減ってきている。

Apple TV にとって Wii の”ゲーム”に相当するような “何か” を用意しないと、電源を入れる理由や、購入を決めてくれる理由にならないんじゃないかと思う。 今回のアップデートで映画好きな人は Take 2 で気持ちが揺らいだかもしれないが、もう一声欲しいところ。

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iPhone, iPod touch のコーナーは人の入りもボチボチ。 もうアメリカ人の中では浸透してきて目新しさがないのかな。 本筋からは外れてしまうけど、上の展示台が気に入った。 メタルの質感もよく、このまま Apple マーク付けて売ってくれないかなぁと思ってしまった。

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iPod touch を上に乗せるとこんな感じ。 結構良くない?


Macworld Expo 2008 観覧記 その1 – MacBook Air 触ってきた

Macworld Expo に今年も行ってきた。 まずは、MacBook Air の話をまとめてみようと思う。 写真はクリックすると大きな画像がポップアップするので気になったら見て欲しい。

Apple ブースに行ってみると、通常はちょっとした壁が置かれているところにでかいテーブルが置かれ、そのまわりにものすごい人だかりが。 まさに人で壁を作ってしまった形だ。

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そのテーブルの上にはもちろん MacBook Air。 この薄さにはやはり目がいってしまう。

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持ってみるとムチャクチャ軽いというより、意外にがっちり、しっかりしているという印象。 ディスプレイはとても明るく、 斜めからも十分見られる。 あまり気付かなかったがテカテカ液晶だったと思う。

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キーボードはこれまでとあまり変わらず、普通な打ちごこち。 薄いからショボイということはなかった。

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MacBook Air はパームレスト部分が熱くなることがなく快適。 小さなCPUファンが内蔵されているだけだが、アルミの底面全体で熱をうまく逃がすことで効率良く放熱を行っているらしい。

実際、下の写真に写っている裏面の電源部近くを除きをほとんど熱さを感じなかった。 そこでもちょっと暖かいという程度。

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期待のマルチタッチはOSレベルでサポートしているので、アプリケーションが特別な作りをしていない限り動くようになっているらしい。 コントロールパネルではどんな動きなのかを紹介するムービーも表示されるのでわかりやすい。 個人的には二本指タップでコンテキストメニューというジェスチャーが便利そう。

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Preview アプリケーションがデモとしていい感じで動いていた。 しかし、iPhoto は画像の回転が 90度ごとにしか動かないなど一部動きが異ることも。 このヘンの動きは早めに統一しないとユーザに「動きがどうなるかわからなくて使えない機能」という烙印を押されてしまうかも。

別売りの 外付けCD/DVDドライブはこんな感じ。 ほとんどディスクと同じサイズで小さなサイズになっているんだけど、やっぱりこういうのが付くと MacBook Air の良さが一気に損われる気がする。 デモ中も接続せず、横に置いてあるだけの状態がほとんどだった。(みんながMacBook Airを持ちあげたがるからというのもあるが) ちなみに、Eject ボタンらしきものが存在せず、「詰まったりしたらどうするの?」と説明員に聞いたときは「わからない」と答えが返ってきた(笑)。

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前のエントリで疑問だった Remote Disk 、なんとOSじゃなく ファームウェアレベルで対応しているらしい。 説明員も実際に見たわけではないと断りをいれていたが、起動時に Remote Disk からのブートが選べてそこから起動できるはずと言っていた。 また別に書こうと思っているけど、本当ならこれってスゴい話だよ。

ちょっとボケてるんだけど、下の写真は Remote Disk で他のPC越しに Mac の Disc を入れたところ。 あと、iSight の右にあるのがマイク、左にあるのがキーボードのバックライトを On/Off する明かるさセンサーも見ることができる。

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残念ながらSSD モデルの展示はなかったが、 説明員の話では、速い、電池が長持ち、回転する部分がないので壊れにくい、といいことづくめらしい。 (値段が$1000増しになることは除く)

ACアダプタはテーブルの中にしまわれてて見えなかったけど、新型 MacBook Pro と同じで、コネクタ部が新しくなっているだけらしい。

気になったところとして、画像の拡大縮小や、キーボードによるテキスト入力時にちょっとひっかかるような遅さを感じた。 スピードに妥協はしていないと言ってはいるが、CPU は MacBook の 2.0GHz, 2.2GHz よりもちょっと遅い 1.6GHz, 1.8GHz だし、ハードディスクも 4200rpm と最近のモデルにしては遅いものになっている。

メインマシンとして考えるとこういったところで、ジワジワとストレスを感じるかもしれない。 そしてセカンドマシンとしては値段の高さが気になってしまう。 マシンは工業的にも芸術的にも素晴しい出来なのは同意できるが、製品として考えるとターゲットとなる層はどこになるんだろう、誰になら勧めてもいいんだろうとちょっと疑問を感じてしまった。


Steve Jobs の基調講演を1分で振り返る

昨日行われた Steve Jobs の基調講演(キーノート)。 Apple のサイトでその内容がストリーミングで見ることができるが、全部でおよそ90分の映像なため時間に余裕がないと見るのも大変。

そんなあなたのために、ビデオブログ Mahalo Daily が90分の映像を1分にまとめてくれた。

いやー、なかなかうまくまとまってる(笑)。
たしかに、言ってることはこんなモンなんだよなぁ。
おまけ映像として、Job がよく使う

extraordinary, incredible, tremendously, amazing, unprecedented, great, revolutionary, unbelievable… (どの単語も「ものすごぃ」って感じの意味)

というような、誇張表現が最後にまとめられてこれも面白い。

よく使う表現と言えば、おきまりの boom (ブーン, すごい画面が出てくるときにジョブズが口にする効果音) が今回は1回だけだったとか。


なつかしの Boom 映像

Macworld Expo 2008開幕, MacBook Air 発表

例年以上に噂話で盛り上がった感のある Steve Jobs のキーノート(基調講演)が終わった。 昨日書いた、リーク情報はいくつか当たっていたけど構成も全然違うし、iPhone の日本展開の話も触れられずじまいだったね。 やっぱりガセだったか。

さて、今回のイチバンの目玉はやはり MacBook Air

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最も薄いところで 4mm, 厚いところでも 2cm 以下、重さは約1.3kg と薄型、軽量と突き詰めたような作りになっている。 いやーほんと薄い。 ここまで薄いと逆に普段の使用で壊れないか心配してしまう。

薄さを追及した分、いくらか拡張性が犠牲になっているようだ。 対応しているポートは USBx1 と Micro DVIx1 とアナログのオーディオ出力のみ。 これだと、会社で使おうとしても Ethernet が使えなかったり、プロジェクタに繋げられなかったりと何かとメンドウ。 どちらもアダプタを購入すれば可能だけど、せっかく薄いMacBook Air でも使うのにアダプタをジャラジャラ付けなきゃいけないのもねー。

ま、そういった人には MacBook Pro (か MacBook) を使ってもらって、Apple が想定したワイヤレスインターネットのみでオッケー、USB周辺機器や外部モニターもあまり使用しない、とにかく軽量、薄型がいいという人に MacBook Air を使ってもらうという分け方になるのかな。

気になったのは、OSの再インストールやアップグレードの方法。 再インストールはHDのOSパーティションから起動すれば何とかなるかもしれないけど、Leopard の次バージョンのOSをインストールするときには Remote Disk じゃブートできないから無理そう。 OSのアップグレードには別売りの Super Drive が必須になってしまうんだろうか。

そうそう。 マルチタッチはなんか未来を感じるね。 Mac OS 上でサポートされたのなら、サードパーティとかがいろんなジェスチャーを開発するなんてこともできそう。 これで操作が一気にラクになったら Mac OS そのものの魅力も増すだろうし。

懸念事項としては、普段はマウス繋げるから使わないユーザが多いかもしれないぐらいかな。 はっ、Apple の次のターゲットはデスクトップユーザ向けの マルチタッチ+マウス なインプットデバイスかも。

自分の中でも大絶賛というわけでもなく、ダメダメというわけでもない MacBook Air 。 今年は木曜日に会場で見てくる予定。


明日からの Macworld Expo 2008 基調講演の草稿が Wikipedia に流出?

Announcements: Do You Really Think the Macworld Keynote’s Leaked on Wikipedia?

Seriously? We weren’t going to post anything on this, but lots of sites seem to be picking it up. Do you really think that Steve Jobs would let his keynote be leaked, and on Wikipedia of all places?

(マジ? こういった情報は掲載しないようにしていたけど、他のサイトが取りあげてるようなので。 Steve Jobs が基調講演の情報を よりによって Wikipedia に リークさせるようなことすると思う?)

CESも終わり、今度は Macworld Expo 。 サンフランシスコの明日の午前中に Steve Jobs の基調講演(キーノート) が行われる予定だが、なんと、Wikipedia にその基調講演で話す内容の大まかなリスト(草稿)と名乗る情報が書きこまれた。

もちろん、信憑性に問題があるため現在は削除されているが、書かれている内容は意外に細かなところまで触れられていて、そのまま見過ごすにはちょっと惜しい。 例えば

  • iPhone の日本展開について
  • iPhone/iPod touch の公開方法
  • 新型 Mac について
  • One More Thing…

なんて話が結構細かく触れられている。 もしものことを考えて、ここでは詳しく触れないが読みたい人は、上の Gizmodo へのリンクか、Wikipedia のヒストリで全文を読むことができる。

まぁ 99.9% ガセなのだが、読みすすめていくと本物っぽい気がしてくるから不思議だ。

既に会場に公開されている “There’s something in the air” バナーに関する内容が一切ないことと、確実視されてる Movie Rental に関する項目がないのがガセ度をアップさせている。 いつごろの草稿(ドラフト)なのかわからないので、不確定なことは触れていないだけなのかな。

何が発表されるのかはもちろん、このリーク情報がどれだけ正しかったかチェックするのも楽しみだ。


Panasonic の白物家電

松下電器がPanasonicに社名変更、”ナショナル” ブランドも廃止というニュースを聞いて、家電、特に白物家電が Panasonic って違和感あるなぁ。
なんて思ったんだけど、ウチの電子レンジは
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もう7年も前からPanasonic 製だった…。
同時期に買った 掃除器も Panasonic製だった。
ま、多少名前が変わってもすぐ慣れちゃうもんですよ(笑)。
おまけ:
白物家電という言葉ってあんまり馴染みない? (もしかして業界用語?) 炊事、掃除、洗濯に使う家電の総称みたいなモンです。 昔は冷蔵庫とか白色が一般だったのでこんな通り名が付いたのだった。


SlingCatcher 発表

年明け早々にラスベガスで開かれる CES (Consumer Electronics Show)が今年もはじまった。 いろんな新製品の発表がされたが、オレが気になったのは SlingCatcher というデバイス。 日本にも進出した SlingMedia 社の製品だ。

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Webサイトにも専用のページができた。

SlingMedia 社の主力製品は SlingBox という自宅のテレビの映像と音声をインターネットを介して、好きな場所で見られるようにする製品。 SONYのロケフリと同じようなモノと言ったほうがわかりやすいかも。 このブログでも発売時に取りあげた

日本に SlingBox を置いておけば、アメリカからでも日本のテレビ番組が見られる。 もちろん逆のことも可。 そんなシステムを作ってみたいなぁなんて思っているのだけど、ネックだったのが SlingBox の映像を見るにはPCか3Gケータイが必要だったこと。 テレビの映像はテレビで見たい!

SlingCatcher はそんな要望に応える製品。 SlingCatcher はコンセプトモデルが昨年のCESでも公開され、製品の発売が待たれていたのだけど、発売延期が続き1年が過ぎてしまっていた。

その分、製品版 SlingCather にはPCの映像をプロジェクタのようにテレビに写したり、PC内の動画ファイルを SlingCatcher にコピーして再生するといった Apple TV に近い機能も追加されることになった。

SONYもロケフリのラインナップに同じようなデバイスを追加していたが販売終了になっている。 SlingBox の映像を再生するだけでは活躍する場が限られるので、メディアプレーヤーとしての使えるようにするのはいいアイデアじゃないかな。

気になる値段は $250 (約27,000円)。 2008年のQ2 (4月-6月) に発売らしい。 今度はウェブサイトも用意されているのでそんなに遅れることはないだろう。

SlingBox は $150 ぐらいなので送信、受信合わせて $400 。 あ、あと日本にハードディスクレコーダーを買ったら全部で10万円ぐらいはかかるか…。 う、価格面からすれば、こっちで日本のビデオ借りたほうが圧倒的に安上がりだな。 マイナーな番組を観たいとか、リアルタイム性を重視するかというところが決め手になるかな。

オレの野望はさておき、既に SlingBox をお使いの皆さんにはいい製品だと思う。


明けましておめでとうの音楽は 「蛍の光」

明けましておめでとうございます。 毎年、毎年もうネタ切れだと思いながらもダラダラ続くアメがんを今年もよろしくお願いします。

書いてる本人も、新しくアメリカに来た人が書くフレッシュな内容はもう書けないなぁなんていつも思うのですが、逆にそういったブログでは取りあげられないような一味違った情報を提供していけたらと割り切っていこうかと思ってます。

さて、今回は明けましておめでとう (Happy New Year) の音楽。

新年をそんなに祝うわけではないアメリカでも、12/31から1/1に変わるタイミングでのカウントダウンイベントはいろんなところで行われる。 イベントではカウントダウンがゼロになって1/1を迎えると Happy New Year という声とともによく歌われるのがなんと…

蛍の光

日本でも紅白歌合戦の最後に蛍の光が歌われるけど、どちらかというと「新年おめでとう」というより去りゆく年を惜しむといった感じで歌われているが、アメリカをはじめ英語圏の国では、明けたあとに「新年おめでとう」という感じで歌われるのだった。

そもそも蛍の光はもともとスコットランドの民謡で、 世界的にはスコットランド語の “Auld Lang Syne” という名前で知られている。 この曲名を直訳すると “Old Long Since” という意味で、 旧友との再会を祝すといった歌詞になっている。 蛍の光の歌詞は、後に日本で勝手に付けられたらしい。 新年が明けたところで歌うのもスコットランドの伝統から来ているらしい。

「おめでとー、ワァー」という中、おとなしめの蛍の光のメロディーが流れるのは日本育ちのオレにはやっぱ違和感を感じるんだけど、これがアメリカというか世界のある種の伝統らしい。

YouTube にはカウントダウン用の映像がアップされていて、Auld Lang Syne が入っているのも結構ある。 たとえばこんな感じ。


めんどくさい人は1:00ぐらいのところから再生してみて

電飾とクリスマス音楽 – その3 The Nutcracker (くるみ割り人形)

クリスマス特集の最後はチャイコフスキーのThe Nutcracker(くるみ割り人形)。

クリスマスの夜を題材にしたバレエということもあり、毎年、この時期になるといろんなところでこの演目のバレエが行われている。 もはや定番中の定番という感じで、このバレエでも使われるチャイコフスキー作曲のこの曲(の一部)がいろんなところでも使われている。

日本にいる間は、くるみ割り人形といえば March (行進曲) ぐらいしか知らなかったんだけど、アメリカではこの曲より、今回紹介した “Dance of the Sugar Plum Fairy” (金平糖の精の踊り) や Trepak (トレパック) という曲の方がよく使われているような。 言われてみると Trepak はクリスマス映画の音楽でもよく聞くような…。


この曲が Trepak

探していたら “Dance of the Sugar Plum Fairy” の Trans-Siberian Orchestra 版もあった。 もうクリスマスソングは何でもやりますって感じだな。 このユニットにカバーされたら定番決定なのかも…。

では、Happy Holidays!


電飾とクリスマス音楽 – その2 Carol of the Bells

クリスマス特集、第2段は Carol of the Bells という曲。

もとはウクライナ民謡で古くからある曲なのだが、映画 “Home Alone” で使われ一躍有名になった。 特に、この曲は単調だが特徴的なリズムに合わせるように歌詞がついているため、替え歌がCMやコメディー番組などでよく使われている。

この映像に移っている電飾は ユタ州に住む、Richard Holdman さんという人の作品。 45,000個の電球が使われているとのこと。 リンク先ではジングルベル版など、いろんな映像がアップされている。 YouTube よりキレイなのもいいなぁ。

また、昨日紹介した Carson Williams も昨年この曲をつかってディスプレイをやっていたらしい。 ただ、オリジナルではなく Trans-Siberian Orchestra がロック調にアレンジした “Christmas Eve/Sarajevo (12/24)” という曲が使われている。 TSO版の方がメリハリがあるだけに電飾にマッチしてるかもしれない。