あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。

さて、今日は1月1日ですがなぜ1月1日がこの時期に決まったのでしょう? 1年が365日なら真夏のある日から始まっても問題なかったはず。

たぶん、1月1日が冬のこのタイミングになった理由というのがあるんじゃないかと年の瀬も迫ったある日無性に気になって調べてみた。なにぶん昔の話なので、いろんな説があるみたいだが自分の中では納得できたのでまとめてみたいと思う。

ロムルス暦

話は紀元前のローマ時代まで遡る。 ローマの初代国王ロムルス(Romuls) は B.C. 753 年に1年のうち304日分を以下のような月に分けたロムルス暦を作った。月の中に入らない日が60日ほどあるわけだが、これは冬の時期でどうでもよかったというのが理由だったのだとか。

Martius (31 days)
Aprilis (30 days)
Maius (31 days)
Iunius (30 days)
Quintilis (31 days)
Sextilis (30 days)
September (30 days)
October (31 days)
November (30 days)
December (30 days)

Martius は春分の日を含むという定義があり、今の3月と同じころになる。また、Martius の初日は西の空に日が沈んだあと三日月が見えたタイミングでその位置や三日月の欠け具合に応じて決められたらしい。

ヌマ暦

次の王 ヌマ(Numa) によって、これまであった月から何日か抜きとり、もともと月の中に入っていなかった日と合わせて、Ianuarius と Februarius という2つの月を追加した Numa 暦が作られた。 B.C. 713 年のこと。

Martius (31 days)
Aprilis (29 days)
Maius (31 days)
Iunius (29 days)
Quintilis (31 days)
Sextilis (29 days)
September (29 days)
October (31 days)
November (29 days)
December (29 days)
Ianuarius (29 days)
Februarius (28days)

この時点で、Ianuarius (のちの January) の 1日という日が存在することになった。つまり春分の日を含む Martius の初日から遡って約60日前というのが現在の 1月1日というわけ。

そして B.C. 153 年、Ianuarius の 1日目を年の始めにすることになった(それまでは Martius の15日目)。 そのため、11番目の月であった Ianuarius がいきなり最初に来ることになり1年の月の順番が次のようになった。

Ianuarius (29 days)
Februarius (28days)
Martius (31 days)
Aprilis (29 days)
Maius (31 days)
Iunius (29 days)
Quintilis (31 days)
Sextilis (29 days)
September (29 days)
October (31 days)
November (29 days)
December (29 days)

どうして Ianuarius が年の始まりになったかははっきりてなくて、ローマの政治年度がMartiusの2ヶ月前から始まっていたためカレンダーをそれにならうようにしたとか、Ianuarius という月の名の名前の元になった神 Ianus (Janus ヤヌス) はえらいからだとか、Ianus には扉、ゲートという意味もあり年の始まりにふさわしいからといったものがあるらしい。

ユリウス暦・グレゴリオ暦

この月の順番と Ianuarius の初日に年が始まるという仕組みは、Julius Caesar (ジュリアス シーザー、ユリウス カエサル) がユリウス暦を作るときにも引き継がれ、それを調整し現在も使われているグレゴリオ暦にも引き継がれている。

B.C. 45 にユリウス暦が採用されたき、それまでの暦が月の運行を元に考えられた太陰暦なのに対し、ユリウス暦は太陽の運行を元に考えられた太陽暦であることと、ヌマ暦のうるう年の調整がいい加減だったためズレが生じていたこともあり、ユリウス暦の始まる前年の B.C. 46は1年が455日と90日余計に多かったのだとか。

というわけで、1月1日の起源はもともと春分の日の周辺に定義された Martius という月から逆算する形で決まったというわけだった。その後、いろんな経緯で決まった年の始めである Ianuarius を日本では1月と呼ぶようになったととらえると納得しやすいんじゃないだろうか。

参考:


おまけ:

September, October, November, December はロマヌス暦で使われていた名前がそのまま現在の使われている。

しかも、Quintilis は Martius から5番目ということで 5を意味するラテン語の quinque に由来、Sextilis も同様に6を意味するラテン語の Sex、September は7、October は 8、November は 9、December は10を意味している。

そういえば、コンピュータ系の言葉で Oct (Octet) といえば8ビットを意味してたりや Dec (Decimal number – 10進数) などと呼ばれていた。

何気なく December = 12 と関連づけていたのだが、December = 10 という意味で定義され、 B.C. 153 に1年のはじまりが Martius から Ianuarius に移ったところで今のようにズレてしまったわけだったのね。