認証方法の1つは人間の手を必要とするもので、広告メールの発信者に、生身の人間しか処理できないパズルを解かせる。もう1つは「演算パズル」と呼ばれ、数通のメッセージしか送らないコンピュータなら簡単に処理できるが、大量にメールを発信する場合はコストが法外に高くつくという。
 しかしゲイツ氏によれば、最も有望なのは、電子メール送信者の“財布”に打撃を与える方法だという。

ビルゲイツが語るスパムメール対策が出ていたが、どれも荒唐無稽のものばかりだ。

これは実際の郵便システムにおきかえるとわかりやすい。 彼が言っているのは、ポストに投函するまえにパズルを解かないと投函できない(そのために、ポストにパズルを表示したり解かせたりするしくみをどうやって設置するのだろうか?)。

そして、いらないダイレクトメールが送られてきたときに、発信者にお金を払わせることができる(誰が、どうやって請求する? 何を基準にスパムか、そうでないか判断する?)。 ということ。 どれも今の郵便システムで実現しようとするのは無理な話だ。

スパムが無くなることは多くの人が望んでいるものだが、彼のアプローチは e-mail に似た別の理想的なシステムを語っているに過ぎないと思う。 もしくは、新しいシステムを考えてるので乗り換えようというマイクロソフトならではのマーケティングか。

電子メールの発信者を認証する「プルーフ」という概念も怪しい。発信者認証という点では似た技術が現在のIE プラグインで行われているが、当初安全と言われていたものとは異なり、認証を受けないプラグインが世の中にはいっぱい存在し、使う側もセキュリティレベルを下げて認証を受けないプラグインを使うことが多いため有効に機能していない、というよりウイルスや悪意のあるプログラムの侵入経路になっているのが現実だ。 発信者認証も、全員がやらなければ意味がないわけで、IEプラグインの認証以上に実現が難しいと言えるだろう。 マイクロソフトが間違った方向に向かっていることに早く気付いてくれることを祈る。

救いなのは…

 「将来的に、この料金を科すやり方が主流になるだろう」と同氏は予測している。 
 ただし、こうした展望がいつも的中するとは限らないことを、同氏自身認めている。

すでに、疑いをもっているということだろうか。