米国第2位の携帯オペレータCingular Wirelessが2月17日、AT&T Wirelessの買収に合意したと発表した。買収金額は約410億ドル。これにより、Cingularは合計4600万ユーザーをかかえ、Verizon Wirelessを抜き米第1位の携帯オペレータとなる。

年明けから話題になっていた AT&T Wirelss の買収の噂。

最終的に Cingular Wirelss 社が買収することに決まった。 このニュースは NTT Docomo が AT&T Wireless へ資金を投入していたことから日本でもニュースを見た人が多いだろう。

AT&T Wireless は iモードとFOMAの採用を条件に Docomo から資金提供を受けていたという話を聞いたことがある。 実はこの条件が AT&T Wirelss の弱体化を招いていたのではないだろうか。

昨日も書いたように、アメリカではケータイでメール、Web を使う必要はほとんどない。 高速通信の利用としてテレビ電話というのはまだ弱いし、パソコンに繋げて通信するにしてもケータイを使うよりホットスポットなどのサービスの方が一般的だ。 加えて、Docomo が日本でできたような、デバイスメーカをコントロールする力がAT&T Wirelessに欠けていた。

自分が買った NEC のケータイは cHTML, DoJa という Docomo よりの仕様だが、そんなのは NEC ぐらいで、Nokia や Sony Ericsson は WAP(WML) にそれぞれ別の Java プロファイルを採用している。 NECにしても Docomo よりの仕様になったのは日本で作られているケータイをアメリカに向けて変えるのが簡単だったからと思われる。 同じようにNokia や Ericsson にしてみたらヨーロッパ向けの仕様に近い方が変更が少なくていいのでそうなっただけのようだ。

このような違いがあっては、Docomo が日本で成功したようにデバイスを定期的に更新させ、そのシリーズでの最低機能は保証しながら、各メーカ独自の機能を競わせて機能の底上げを図るなんてモデルはうまくいかない。 ここは手を引くのがいちばん正解だと思う。

話は変わるが、この買収、個人的にはうれしい。 なぜなら、うちのアパートは AT&T Wireless だと圏外だけど、 Cingular なら電波が届くから。 早く Cingular のネットワークが使えるようにならないかなー。