ブロードバンドへの道は険し

日本のブロードバンドのことをこちらでは High Speed Internet と言う。 サンフランシスコ近辺では “DSL” と “ケーブル(TV)” がほとんどで、光はまだ一般家庭用には提供されていないと思う。

ケーブルプロバイダは AT&T Broadband。 DSL は Yahoo! DSL (旧 PacBell DSL), DirecTV DSL, Earthlink DSL など最近いっぱい増えてきた。

これまでの家では AT&T のケーブルインターネットを利用していたが、新規加入者には割引サービスがあるので引越しを機に Yahoo! DSL に乗り換えてみた。 値段は384kbps – 1.5Mbps で 1ヶ月 $39.99 (1年契約の最初の1年間。以降 $49.99)

ここからがトラブルのはじまり。他の人のためにログとして詳しく残しておくことにしよう。

  1. PacBell には日本語の電話窓口があるのでそこへ新居への電話の引越しとともに、DSL開設の依頼をする。インストールはDSLモデムを含むキットが送られてくるのでそれを自分でインストールする。手順の最後はレジストレーションだが、サーバが見つからないといったエラーが頻出してなかなかうまくいかなかった。翌朝試したところようやくうまくいった。
  2. レジストレーション後もモデムの接続が切れて使えなくなる現象が発生することに気付く。どうやらこれがレジストレーション時にもおきていたようだ。現象として、DSLモデムのLINKランプが消えその後Flush(点滅)の繰り返し。いつ切れるかは日によってまちまち。うちは夜間つかえなくなることが多かった。サポートへ電話をするも最初は “You are in the 10 days slow period. Drop connection or extremely slow speed often occurs. You have to wait a few more days.” (開設後10日はこういった症状がよくある。もう少し待て) ってなことを言われ我慢。
  3. 現象は10日以上たっても改善しなかったのでまた連絡し、ようやく Technician (作業員 … でいいのかな) を手配してくれることに。 Technician はいろいろ調べた挙句、今使ってる屋内配線が古くて DSL接続の容量に耐えられないからよく切れるんだということに。 今とは違う線に Splitter ボックスを取り付ける作業をしてモデムは安定して動作しはじめた。自分でインストールするオプションを選んで後で、ヘルプを呼んだ場合は $150 とか言われていたのでビクビクしたが、作業代は屋内工事扱いとなり Wire PRO という毎月入っていた保険でカバー。けど、Splitter代として $35 請求される。むー。
  4. 接続は安定したけど、今度は速度が極端に遅い。 以前はよく切れたがスピードは 1Mbps ほど出ていたのに今は 300Kbps 程度しか出ない。再び電話するも、電源を入れなおせ、リブートしろといったありきたりの手順を試した後にこれが限界と言われる。384kbps 以上の契約なのでこれは違約じゃないかと PacBell の日本語電話窓口へ(抗議は日本語の方が言いやすい…)。すると、本来うちは基地局から遠いため 384kbps のスピードすら出ないエリアなのに、コンピュータの情報が間違っていて契約できてしまった。PacBellのミスと素直に認めたのでここぞとばかりに解約をすることに。にしてもなぜ始めのころは 1Mbps 出てたのか疑問が残る。
  5. Yahoo! DSL の言うことは半信半疑だが、また他の DSL で冒険をする必要もないので、再び ケーブル会社と契約。AT&Tの Technician が屋内配線の工事を行い、モデムの接続を確認したところで CD-ROM を渡され、あとは自分でレジストレーションをしろとのこと。が、CD-ROM のソフトがうちの PC #1(XP) でうまく起動せず。 iMac (OS X 10.2.2) では起動するも DNS検索に失敗。 PC #2(Win 2k) でも DNS 検索に失敗。 と、またもトラブル。今度は AT&T の Customer Care 番号に電話し、3人の担当者と1時間かけて会話し。挙句解決せず。
  6. その日の晩、CD-ROM のソフトではなく、Customer Care の最後の人と話をしたときに聞いた URL に PC #1 から接続したらうまくいき、ようやくセットアップ完了。(最初にDHCP をアサインした Ethernet Card じゃなきゃダメなのかも) スピードは 1.8MBps 出ました。現在も安定して稼動中

こうしてようやく High Speed Internet の環境が整いました。今も安定してつながっています。DSLは日本でもたまにトラブルの話を聞くけど、予想以上にセンシティブなものでした。町から離れたところに住んでるとか、住んでる建物が古くて、DSL が調子悪いという人は Technician を手配してもらって調べてもらったほうがいいかもしれません。


と、ここまでは昨年中に書き溜めてた内容なんですが、年が明けて請求書を見てびっくり!

  1. 解約した翌月も Yahoo! DSL の $39.99 の請求が付いてる! さっそく日本語窓口に電話したところ、「16日から翌月のチャージがかかるけど、キャンセルした日が17日だから返却できない。日割りにもできない。契約書にもそう書いてある」と却下。納得いかないので Yahoo! DSL のサポートに電話したところ今度はあっさり1ヶ月分返却。なんだかなぁ。 けど、今は使ってない Splitter 代 $35 が来月辺りに付くんだろうなぁ。
  2. AT&T Broadband はオンラインで申し込むと自動的に AT&T より Modem を購入するという項目が ON になり、最後までこのオプションが外せなかったのでメモ欄に「モデムはレンタルでいい」と書いておいたのにやっぱりチャージしてきた。 けど、クレームつけたら即 お金を戻してくれたのでまぁよしとしよう。

人によっては AT&T Broadband で苦い体験をしてるみたいでどちらがいいとまでは断言できませんが、うちでは Yahoo! DSL が最初から最後まで印象悪かった。ほんともう2度と使うことはないでしょう。


6 Comments

  1. 日本と似たようなものかも知れん。>DSL
    結局は、局舎(って専門用語?)からの距離にすごく
    センシティブな技術を使ってるから、日本全国一律の
    クオリティを求められるNTTが最後まで採用したがらなかったのもうなずけるかも。
    うちは横須賀の時は、家から100Mぐらいの所にNTTの局舎があったので平均4、5M出たけど、都内は2M出ればいいほうだって言うし。
    で、三鷹に引越して、Bフレッツを入れました。
    ようやく接続環境が整いだしたところ。
    でも、夜中だと13Mとかぐらい。
    さすがに100M使えるとは思ってないけど、
    もう少し出てもいいのに、とは思うな。

  2. ADSL に限らずネットワークって理論値をふりかざして思わせぶりな宣伝をすることが多いよね。アメリカ人よく我慢できるなぁ。
    キャリアは基地局から各家庭までの距離データベースを公開して事前にスピードの予測ができるように & 不当な契約ができないようにすべきだよ。ほんとに。
    それにしても 光の理論値 10% ちょっとのパフォーマンスってひどくないか? パフォーマンス測定サイトのボトルネックとか?

  3. 「16日から翌月のチャージがかかるけど」これは重要な情報。私もいろいろYahooSBLで勉強させてもらいました。解約のタイミング大事ですね。請求の仕方も2ヶ月おきにまとめてなのでちょっとありがたくないです。請求書みて目玉が飛び出ました。
    ボストンにいたときは電話でDSL申し込み、2ヶ月たっても音沙汰ないのでおかしいので大家さんに頼んで聞いてもらったら、あなたの回線はまだだめといわれました。大家さん、ほかの部屋は使えているのにおかしいじゃないかと食い下がってくれたのですが私の部屋の回線だけ「古い」ということで、結局私が引っ越す1週間前に「DSL使えるようになったよおめでとうベランゾンより」というお知らせが来ましたが、おそいです。

  4.  大変でしたね。私も Verizon の ADSL でほとんど同じような経験をして大変でした。そのときは、Verizon の顧客データベースが変になってしまい、プロバイダーを変えようとしてもできなくなってしまい、大騒ぎでした。FCCを通して正式なクレームを入れて、やっと解決しました。
     今は、Comcast のケーブルですが、平均して2Mbps は出ています。これも、最初は self installation kit がうまく動かず、テクニシャンを呼んだところ、Comcast 側の activation がされてなかったというお粗末ぶりでした。でも、一度動き始めてからは ADSL よりはずっと安定して動いています。

  5. 小森 春美

    2005年7月2日 at 11:29 PM

    Wire PROについて、もう少し詳しく教えて
    くれますか?

  6. もう5年ほど前の話なのでうろ覚えですが、Wire PRO は屋内配線、コネクタ(ジャック)部分に問題があったときにその修理費用がカバーされる保険だったと思います。
    この修理は、アパートであっても居住者が払わされることが多く、またアメリカは建物が古いので問題も多い、一度修理するとほとんどが$100以上かかると言われたことから入れているのですが…保険的にはこの5年で上に書いた1度しか使わなかったので、もとは取れてないですね。
    SBC は日本語のサポート電話番号 (1-800-573-7573) があるので、興味があればそちらまで電話して詳しい話を聞くことをおすすめします。

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