Google Chrome OS を勝手に想像する

Google が長らく噂されていた独自の OS (Google Chorme OS) を開発中だと発表した (Google の ブログ)。 軽量で、速くて、ブラウザが中心というこれまでとは違うアプローチで OS を作ろうとしているらしい。 まだ開発中であることを発表しただけなのだが、その限られた情報からいろいろ想像できるのがまた面白い。

新しいウインドウシステム

まずは “New windowing system on top of a Linux kernel” というところ。 カーネルは Linux と同じものを使うが、その上で走るウインドウシステムはこれまで Linux で使われていた X Window ではなく新しいものになるらしい。

Mac OS X もベースは BSD という Unix のコアが使われているが、その上には X Window ではなく  Aqua というウインドウシステムが乗っている。  Mac OS X のキレイなグラフィックや滑らかなアニメーションは Aqua に由来するもので Mac OS X 人気を支えている特徴の1つと言える。  Google Chrome OS が Aqua  ほどのシステムを作る必要はないが、新しい OS の顔にもあたる部分になるので、新しいウインドウシステムを作ろうとしているのは期待できる。

Flash は?

新しいウインドウシステムが動く、そしてブラウザが中心の OS。  となると心配なのが Flash のサポート。 Flash を使ったWeb アプリケーションはどんどん増えているし、YouTube も Flash が動かなかったら何の魅力もないサイトになってしまう。 通常の Linux なら Flash のプラグインも動くのだが、Google Chrome OS はどうなんだろうか?

これに関しては発表の翌日に公開された FAQ の中にヒントがあった。

What companies is Google working with to support Google Chrome OS?


The Google Chrome OS team is currently working with a number of technology companies to design and build devices that deliver an extraordinary end user experience. Among others, these companies include Acer, Adobe, ASUS, Freescale, Hewlett-Packard, Lenovo, Qualcomm, Texas Instruments, and Toshiba.

Google Chrome OS – FAQ

現在一緒に作業している企業の中に唯一、ソフトウェアの企業として Adobe がリストされている。これはもう Google Chrome OS 用の Flash プラグインを作ってると思っていいだろう。

逆に、Google Chrome OS が最初にリリースされた段階では Flash 以外のプラグインは動かないと思ったほうがいいので、ウェブサイトの制作やコンテンツの制作を考えている人は開発方針に気をつけないといけない。

ARM チップ

次に、x86 および ARM CPU に対応というところ。  Netbook をターゲットにしていることも書いているため、x86 (Atom) なのはわかるが ARM 対応の真意は?

実は最近、ARM はスマートフォンと呼ばれるデバイスでよく使われている。 iPhone/iPod touch もそうだし、 Android も、Palm Pre もそう。 ARM チップの利点としてバッテリーが長持ちするということがよく言われる。  まだ聞いたことはないが、Netbook のようなデバイスに ARM チップが使われることもそう遠くないだろう。

また、Google は Google Chrome OS で金儲けをするつもりはなく、あくまで Google の広告を表示する媒体を増やす目的のために使おうとしている。 ただ、それにしては Netbook がターゲットというのはおかしい気がする。 最近 Netbook は人気はあるが、シェアからしたらまだまだ Mac 以下だろうし、Web ブラウズするにも画面やキーボードが小さいなどちょっと心もとない。

ブラウザを中心にしたデバイスと言えば TechCrunch の Michael Arrington が主導して作っている CrunchPad というデバイスもある。  Webブラウジングをメインにする人向けに、シンプルなハードウェアの構成で安いデバイスを提供するというもので、この考え方は面白いと思うし、オレも興味がある。

Google Chrome OS の ARM 対応のウラには、 既存の Netbook ではない、CrunchPad のような、もしくはそれを越えるような新しいデバイスを考えてるんじゃないかな。 Apple が iPhone OS をベースにこういったデバイスを作ってるんじゃないかという噂もあり、Google Chrome OS も同じ考えをしていてもおかしくないだろう。  ぜひ、そうであって欲しい。 そしたら欲しいぞ!


3 Comments

  1. かんとくっ

    2009年7月10日 at 3:33 AM

    andoroidとターゲットがかなりかぶる気がするねんけど、それは戦術としてはありなんかな

  2. > かんとくっ

    Google の発表でもわざわざ別だよと強調してるぐらいだし、Android との棲み分けは気になるね。とりあえず電話用に Android 、新デバイス用に Chrome OS じゃないかなぁと思ってるんだけど考えすぎかな。 あとは、どっちかコケたときの保険という意味もあるのかも。

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