Month: May 2005

PDFに期待すること

マイクロソフトの「Metro」はPDFキラーになるか – CNET Japan
MicrosoftではMetroをPDFのように広く普及させたいと考えている。そのため、この2つのフォーマット間で大規模な戦いが起こる下地ができあがりつつあると、アナリストらは指摘する。

この記事のアナリストを始め、多くの人が「MetroがPDFキラーになるのでは?」 と考えたということは、思った以上にPDFを「プリントしたときのような出力が得られるフォーマット」としか見ていない人が多いということだろう。

オレの考えは Metro はPDFキラーになりえないし、Microsoft もPDFキラーにしようとしていないと思う(この記事の反応を見て、考えを変えたかも…)。

PDF はバイナリフォーマットで、圧縮や暗号化などのセキュリティも考慮され、マルチプラットホーム、そして電子文書としての可能性を考慮されたフォーマットだが、Metro はXMLを採用した時点で表示、印刷以上の拡張性に欠けてしまっているからだ。 もちろん、強引に詰め込んでしまうことも可能だがファイルサイズは大きくなり、人にもコンピュータにもやさしいはずのXMLのアドバンテージを活かせなくなる。 仕様から考えるとMetroは役不足力不足だ。

一方、アドビは「(新バージョンは)オフィス内外で情報共有を行う際のコミュニケーションツールになる」と言っているように、将来を意識して、読んだり印刷する以上の機能をPDFに持たせようと躍起になっている。

PDFはこれまでの経緯や、機能からデファクトスタンダードとして確立していると思う。 しかし、PDFの使い方、使われ方に対し、メーカが期待しているものと、多くのユーザが期待しているものに大きなズレがあるのではないだろうか。多くの人々が欲しているのは「簡単にPDFを作成する方法」および「速くて、軽い、PDFビューワ」という気がする。

「簡単にPDFを作成する方法」は最近は低価格ないきなりPDFや、無償のクセロPDF といったツールが出てきて、Acrobat の上位バージョンがなくても作成できるようになってきた。 Mac OS X は OS が PDFを作成する機能をもっているし、 PDFは仕様が公開されているので、ペーパーケースで使っている FPDF といったライブラリもいっぱい公開されている。

「速くて、軽い、PDFビューワ」 にしても、フリーの軽量PDFリーダー Foxit Reader 1.3 Betaで紹介されている FoxIt PDF というものを最近知った。 このソフトはものすごく速くて、軽くて、ちゃんとPDFを表示する。 文字がやや細めに表示されたり、フォントの置き換えがちょっとうまくいかなかったりと細かい問題はあるが今後のバージョンアップに期待だ。

どれも、Acrobat のクローンという感じでまだ決め手に欠けている。 今回のニュースとその反応は、まだまだユーザは電子文書に関するソリューションに満足できていないことがわかったわけで、開発者にしてみると一発逆転のチャンスだろう。 プライドの問題はあるかもしれないが、それこそ Microsoft が Metro ではなく、PDF を生成、表示する機能を Longhorn に加えていたら時代はもっと簡単に変えられたかも…。


Star Wars Episode III を一足早く見るには

アメリカではまもなく公開の Star Wars Episode III – Revenge of the Syth (シスの復讐)。

5/19が一般公開の日だが、サンフランシスコを始め全米10ヶ所の都市で5/12に先行上映が行われる。 この先行上映は Episode II のときも行われ、地元ということもありジョージルーカスも参加した様子をニュースで紹介していた記憶がある。

誰もが行きたいイベントなのだが、チケットの値段は$500 (約50,000円)。 実は、この先行上映は難病で苦しむ子供たちをサポートする地元の団体への寄付を募るというイベントとなっていて、収益は全て寄付されることになっている。 サンフランシスコは Koret Family House という団体がこの対象になっていて、先行上映のチケットの発売もこの団体が管理するようだ。 1週間待てば $10 (約1,000円)で見られることもあり、微妙なところではあるが、どうしても一足早く見たいという人はこの機会にぜひどうぞ。

Episode III の上映は テレビCMもはじまり、ジョージルーカスの知人が集まった試写会が好評だというニュースが流れたりと、公開に向けてまた一段と盛り上がってきている。

うちでは、今までスターウォーズシリーズを見たことのなかった妻のために、2ヶ月ぐらいかけて週末に Episode IV, V, VI, I とDVDを見てきた。 この週末か来週末に Episode II を見て、5/19 の Episode III へ、というのが予定なのだが、SW 30年の歴史を2ヶ月で一気に見てしまって少々食傷ぎみなのが問題かも。

映画全編を見直す余裕のない人はこんなのどうでしょうか?

Star Dudes は Flash で作られたスターウォーズいいとこどりムービーなのだが、1エピソード 数分で見ることができる。 ただ、Episode II がまだ完成してないのが残念。


Free Me – Emma Bunton (フリーミー – エマ バントン)

cover 復活のおすすめCDは元スパイスガールズのメンバー Emma Bunton (エマ バントン) の Free Me というアルバム。 彼女の本国であるイギリスで2004年に発売されたアルバムだが、アメリカでは2005年1月末に発売されたため、最近知ったアルバムだった。 (日本では未発売)

このアルバム、一言で表現するなら「古新しい(ふるあたらしい)」という感じだろうか。 ジャケットの写真にも表現されているが、60年代風なアレンジ、どこかで聞いたことがありそうなフレーズの中、Emma のやわらかい声が心地良く広がる。 しかし、音はクリアで最近こういう音楽を聞いていなかったこともあり斬新な感じもするという不思議な感覚だ。

特におすすめなのが2曲目の Maybe という曲。 それも是非PVを見て欲しい (PV は Emma の公式 Web サイト で見ることができる)。 軽快なダンスミュージックが60年代のレビューのようなシーンの中展開され、見てる人をハッピーな感じにさせてくれる。 どことなく、ピチカートファイブの雰囲気に近いかもしれない。 そして頭の中に「パララララ、パラ ララララ…」とコーラスがリピートするようになったらあなたもEmma の虜(笑)。

maybe.jpg maybe2.jpg
PV “Maybe” より

元アイドルグループのソロなんてと敬遠する人もいるかもしれないが、彼女の魅力をうまくひきだしたいいアルバムだと思うのでぜひ聞いてもらいたい。 ハッピーになりたい方、最近のポップスに飽きた方にオススメ。

cover cover

あなたもPSP用ソフトが開発できる

Home – PSP Hacks
What it does is takes an elf file (a binary executable file) that has been compiled for the PSP and converts it into a PBP file which can then be run from a memory card.
(これが何をするかと言うと、 PSP向けにコンパイルされた elfファイル (バイナリ実行ファイル) をメモリカードから実行できる PBP ファイルに変換するのだ)

まだ日本にいたころ、今は亡きワンダースワン向けのソフトを開発できるワンダーウィッチという開発環境が発売されて、期待して買ったことがあった。 残念ながらワンダーウィッチはハードウェア、開発環境ともにゲームを作るためだけに用意されていて他の開発と比べてもメンドウなことが多く、イマイチ活用しきれなかったのだが、携帯デバイスで動くソフトというのは今でも魅かれるものがある。

時代は流れ、最近はPSP向けのソフトというのが開発できる環境が整いつつあるようだ。

PSP は素晴しい液晶ディスプレイ、高速なプロセッサ、そしてワイヤレスネットワークと今の時代にあったポテンシャルを持っている。 こういった機能が使えるようになると面白そうだ。

開発をするために必要なのはInternal
Reality
というサイトにある PS2Dev Envrionment for Win32 というパッケージの中にある GCC と、 Elf to PBP Convertor をインストールしる必要があるようだ。 手元に PSP がないのでまだ試していないが、おそらく今の段階ではいわゆるコンソールアプリケーションぐらいしか利用できないと思われる。

また。 Elf to PBP converter v0.3 でできたアプリケーションは日本の PSP で、かつFlash ROM のバージョンが 1.5 でないと動かないという制限もある。

いやー面白そうだなぁ。 PSPのゲームはリージョンコードがないようだし、また一段とPSP欲しくなってきたなぁ。